【映画レビュー】傑作?珍作?変わったバランスの日本バットマン『ニンジャバットマン』の感想
■『ニンジャバットマン』のざっくりとした感想
『ニンジャバットマン』を観て来ました。
DCの人気ヒーロー・バットマンを神風動画の水崎淳平監督と「天元突破グレンラガン」の中島かずきさん脚本で映画化。バットマンが日本の戦国時代にタイムスリップするというトンでもな物語がまさかの実現となりました。
本作を観てきた感想をざっくり一言でいうと・・・
という感じの好き!と大声でいう感じではないのだけど、嫌いとは言えない微妙な感じの一作でした。
もう少し詳しい感想を書いていきます。
■『ニンジャバットマン』のもっと踏み込んだ感想
□日本ナイズ加減は最高!見事なアッセンブル
いやぁ・・・度肝を抜いた!!
バットマン達を説明抜きでポーンと戦国時代の日本へ放り出すというアイディア+映画のコンセプト自体がすでに一つの見どころになっているのですが、そこに終わらず、ディティールまで凝っているのが素敵でした。
悪役たちの日本での情勢を山車を使って見せるやり方や、墨文字でキャラクターのカットインが入るところ、ほかには日本の空が青海波文様になっていたり・・・そしてそれがあるタイミングで活きてくる演出とか考えたなぁ・・・と唸らせられる要素ばかりでした。
青海波ってこれのことね。
そしてネタバレになってしまうのではっきりとは言えないのですが
日本のアニメーションらしい展開であり、中島かずき作品らしい展開ともいえるあのクライマックスの一演出にはさらにびっくり。申し訳ないけど、度が過ぎた悪ふざけにも足を踏み入れている感じはするんですけど・・・「ニンジャバットマン」だからこそやる意味があるのかなぁ・・・と思うぐらいの問題作演出が含まれているところも注目。
“バットマンmeets日本アニメ作品”ということなら、ある意味捨て置けない展開なのかもしれません。
それぐらい企画を活かそうという気持ちにあふれた作品でした。
□バットマン好きにはたまらないあれやこれやも嬉しい
また、私もそこまでバットマンに詳しいというわけではないのですが、カートゥーンネットワークなどで「バットマン:アニメイテッドシリーズ」などに馴染みがあった分、いろんなヴィランが登場してくれるところや、様々なガジェットが登場してくれるところには感激。
バットマンチームもナイトウィングやレッドフードといった、説明がじゃっかん必要になってくるような立ち位置のキャラクターも、説明抜きでぽいぽい登場させてしまうところの思い切りも逆に、知っている人・わかっている人向けにはサービス旺盛だなぁと感心する次第でした。
結構中盤でバカっぽいことをやりながらも最後の一騎打ちシーンではしっかりかっこよく見せるし、バットマンとあのキャラクターを対峙させるという意味でもセリフに原作のあれこれを思い出させる要素があふれていて憎いなぁ・・・と思いました。
極端でありながら、バランス感を感じる不思議な作品でした。
□ストーリー部分での面白さはそこまでか・・・
一方で唯一悩ましいのは、
ひとつの物語を楽しむという意味では物足りなさを感じてしまったのはやや残念!
サプライズも盛りだくさんで面白かったのは間違いないのですが、そこのインパクトがやたら強いこともあって「このシーンが染みたなぁ・・・」という感覚があまり残りませんでした。すごいものを見たのは間違いないものの、そのすごさが珍作の面で尖りすぎていて、作品の印象として高尚な感じが持てないのは、やっていることの割にはもったいない気がしました。
この部分の凝り方を工夫すれば、今年ベスト級の一作にもなれた気もするので、非常に惜しい感じがしました。
そういう意味ではビジュアル特化映画って感じかもしれません。
そんな感じで見どころこそたくさんあれど、万人にお勧めできるような作品とも一味違った、癖の強い一作でした。
バットマンファンは「おぉ」と思うところ多数だと思いますので、そういう人には必見の映画でしたー。
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