【雑学】パリオリンピックにミニオンが出てきたけどアメリカのキャラクターだよね?って話
パリオリンピックがスタート。
私はあまりスポーツを観るタイプじゃないので、特別アガッたり楽しみにしていたりといった感じではないのですが、一つ気になるトピックが開会式にてありました。
それがミニオンたちの描き下ろしアニメーション映像が流れたこと。
潜水艦でミニオンたちがスポーツに勤しんだり、しれっとモナ・リザを盗んでいたりといったちょっとしたショートムービー。よりによって潜水艦内でオリンピックするなよ、とか楽しい映像なのですが、結構SNSなどでも見かけたのが「ミニオンはアメリカの映画だろ」といったコメント。
そのあたりについて補足しておきます。
■イルミネーションはアメリカの会社だよ
『怪盗グルー』シリーズや『ミニオンズ』といった作品を制作しているイルミネーションエンターテインメントはアメリカの会社なので、実際“ミニオンはアメリカの映画”で合ってます。
ただ、その成り立ちにフランスが結構重要。
イルミネーションの設立は2007年。
創設は当時20世紀FOXアニメーションの社長を退任した形で、現在もイルミネーションのCEOを務めているアメリカのクリス・メレダンドリ氏です。
そんなイルミネーションの長編作品一本目が『怪盗グルーの月泥棒』。
この映画のアニメーション制作を担当したのが、当時フランスに本社のある映像制作会社「MAC GUFF(マックガフ)」でした。
映画自体のクレジットがアメリカ・フランス合作にはなってないところに違和感を感じる人もいるかもしれないですが、下請けとはそういうものでして、別にマックガフが出資しているわけでもないと“アメリカ”映画なわけです。
■実際はフランスがイルミネーション作品を支えている
『怪盗グルー』での縁もあり2011年にイルミネーションはこのマックガフの“アニメーション部門”を買収し、“イルミネーション・マックガフ”へと改称。
『ロラックスおじさんの秘密の種』(2012)以降から最新作に至るまで、アニメーション制作作業の多くをこのイルミネーション・マックガフが担当します。
これがイルミネーションのよく考えているところで、アメリカに比べてフランスの方がコストが安く上がることや、すでにディズニーやドリームワークスなど大手が存在していたアメリカでは主力となり得るアーティストを確保できないこと。そしてフランスの補助金も利用できることなど、フランスに制作拠点を置く利点が多かったよう。
以下のインタビューでもクリス・メレダンドリ氏が具体的にそのあたりの話題に言及しています。
そういえば『くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ』の監督などでも知られるベンジャミン・レナー氏はフランスのアーティストという印象でしたが、イルミネーションの『FLY!/フライ』にて監督に大抜擢。
急にアメリカの大作映画に名前が出てきてびっくりしましたが、フランスを中心に制作を行っているイルミネーションという意味では、ある種必然的な起用だったわけです。
そんなイルミネーション・マックガフは『SING/シング ネクストステージ』のタイミングで“イルミネーション スタジオ パリ”にさらに改称。
マックガフの名前も失い、本格的にイルミネーション化しております。
イルミネーションはアメリカの会社だし、
イルミネーションの映画もアメリカの映画。
だけど、メインとなる工場はフランスにあるよ。
ということで、今回のパリオリンピックにミニオンが登場するのは実はそんなにおかしい話じゃないってワケでした。
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