【映画賞】第2回新潟国際アニメーション映画祭長編コンペノミネート一覧
昨年スタートした「新潟国際アニメーション映画祭」が今年も開催されることが発表され、1月19日にコンペディション部門の作品が発表されました。
長編アニメーションに特化した映画祭であり、さらに日本初上映作品が充実しているところが嬉しい点。今年のノミネート作品をざっと紹介します。
第2回新潟国際アニメーション映画祭コンペティション部門ノミネート作品
アリスとテレスのまぼろし工場
第78回毎日映画コンクールのアニメ賞を受賞した岡田麿里監督の長編作第2弾。日本では昨年すでに公開されている映画です。製鉄所の爆発事故によって時が止まってしまった町を舞台に、変化することが禁止されるという特異なストーリーがすでに尖ってる一本です。主題歌が中島みゆきさんなのも強烈なんだこれが。
クラユカバ
日本からはもう一本、個人映像作家・塚原重義監督にとって初めての長編アニメーション映画がノミネート。クラウドファンディングにて1500万円以上の支援を集めて、2021年には『クラユカバ序章』を制作。今回ついに全編が完成しました。本作はすでに2023年ファンタジア国際映画祭にも出品されており長編アニメーション部門で観客賞・金賞を受賞。4月12日からは一般興行も始まります。
マントラ・ウォーリアー〜8つの月の伝説〜
アジアから今年はタイのアニメーション映画が登場。ブルースカイスタジオ出身のヴィーラパトラ氏が監督デビューを果たしたアニメーション映画。宇宙戦争を3DCGアニメーションで描くSFアクション作品にして、インスピレーション元は叙事詩『ラーマーヤナ』だという一作。トレーラーを見ると近年の中国アニメ映画にも通ずるような作風でありつつ、ディテールにタイならではなイメージも登場しているのが面白いです。
深海からの奇妙な魚
ゴリゴリのアクションおねーちゃん&顔が付いた雲&なんか一緒にいるカメが深海へ旅に出るらしい謎映画。新潟国際アニメーション映画祭の公式サイトの紹介ページにも「大丈夫か」という感じのスクリーンショットしかないので心配してましたが、トレーラーを観る感じ、動くことで活きるタイプの作品っぽい。
アザー・シェイプ
実は今回「えっ来てくれるの!?」と一番驚いた映画がこちら。
月面にスクウェアパラダイスを築いて、なんか四角形になろうとしている人類を描いたギョッとするストーリーのアニメーション。
ラテンアメリカ系の映画祭などで度々名前は上がっていたものの大賞までを取る感じの作品じゃなかったので入国は難しいと思っていました。
ようこそ。
スルタナの夢
1905年にインドのベンガルで書かれたフェミニスト短編小説をモチーフに、女性たちのユー トピアを探してインドを旅するヒロインを描いたアニメーション。こちらは昨年東京国際映画祭でもアニメーション部門とは別で上映された作品。テーマ性の強い映画ではありながら、透けた水彩や切り絵風アニメーションなど手法の部分でも見どころのある作品です。
コヨーテの4つの魂
2005年のアヌシーにて『Nyócker!』でクリスタル賞を受賞したこともあるアーロン監督の最新作にして、本作も昨年のアヌシーで審査員特別賞を受賞している作品。石油のパイプライン事業に立ち向かうティーンズの物語と古代の物語が通じていく作品だそう。
マーズ・エクスプレス
TVアニメシリーズ『Last Man』のジェレミー・ぺラン監督が長編作品に挑戦した映画。製作発表からしばらくかかったものの、昨年ついに完成。近未来を舞台に私立探偵のアリーン・ルビーと、亡くなったかつてのパートナーのレプリカのアンドロイドであるカルロス・リベラが、暗殺者に襲われる学生を追うSFノワール作品。観たかった映画だったので嬉しいです。
オン・ザ・ブリッジ
行き先不明の列車での様子が描かれる作品。行き先不明の列車……その時点で「死」のメタファーを想像しちゃうわけですが、本作ドキュメンタリー映画にも片足を突っ込んでて、登場人物の語りはまさに死を間際に迎えた方達の実際の証言だというのだから驚き。
ケンスケの王国
日本人としては、“ケンスケ”!?とタイトルにびっくりしますが、こちらは原作の原題どおり。遭難した少年がある島で旧日本兵に遭遇するマイケル・モーパーゴさんの小説「Kensuke's Kingdom」……を原作にしたアニメーション映画企画。声優にはサリー・ホーキンスさん、キリアン・マーフィーさんに加えてケンスケ役に渡辺謙さんが名を連ねているぞ!
アダムが変わるとき
周囲の悪口などに合わせて、身体が変化してしまうという15歳のアダムを描いた作品。キッチュなビジュアルに不安を感じてしまうかもしれませんが、実は本作は昨年のアヌシーではコントルシャン部門にノミネート、そしてオタワでは長編コンペのグランプリを獲得しています。
インベンター
『レミーのおいしいレストラン』の原案に名を連ねるジム・カポビアンコさんが脚本と監督を担当し、レオナルド・ダ・ヴィンチを題材にストップモーションアニメーションを製作。2Dパートには『ウルフウォーカー』のトム・ムーア監督も参加していたりと、手堅い布陣で製作されている企画となっています。キックスターターの目標5万ドルに対して、10万ドルの支援を獲得しています。
以上、今年はなんと計12本が選出されました。
多い!
しかもジャパンプレミア作品ばかり。
かなり熱いラインナップになっています。
今年のコンペティションには世界29の国と地域から49作品の応募があったそうでその内の約4分の1が見れてしまうというのだから、すごいコンペティションですよ。
映画祭は2024年3月15日〜20日。
今年も私も足を運びたいと思っているので楽しみにしています。
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