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NAGAはしつこくない!
最近では麻雀AI『NAGA』を使って牌譜を解析できるようになりました。
自分の牌譜をAIに検討してもらえるわけです。
この記事はそんなNAGAについてです。
麻雀についてではなく、NAGAのシステム的な話になります。
また、NAGAのアルゴリズムが公開されているわけではないので、これから書く内容は正しくない可能性もあります。
それでは、まずはこの画像をご覧ください。
局の終盤、ベタオリをしている場面です。
ここで僕は中を切ったのですが、NAGAは「北を切った方が良い」としています。(北の上に伸びている紫のバーの長さが、打北の推奨度合い)
注目するべきは「北も中も場に3枚切れ」ということです。
つまり、北と中はどちらも完全な安全牌であり、数理的なな差は全く無いはずなのです。
「なにかAIにしかわからない差があるのか?」と考えてしまいそうですが、そういうわけではありません。
これはNAGAのシステムに依るところだからです。
それは、「プレイヤーとNAGAの判断が一致しなかった場合、NAGAは自分の判断の評価値を下げる」ということです。
これだけでは何を言っているのかわからないと思うので、別な例を見てみましょう。
下家からリーチが来た巡目に、自分も中と発のシャボ待ちで聴牌しました。
僕はこのとき対面や上家からのポロリを狙って、ダマを選択しました。
しかし、NAGAは強くリーチを推奨しています。(NAGAの吹き出しの赤のバーが上に伸びる程、強くリーチを推奨している)
次巡僕が考え直してリーチを打ったときの画像がこちら。
先程とはほとんど状況が変わっていないにも係わらず、今度はダマを強く推奨しています。(吹き出しの赤いバーが短い程ダマ推奨)
残りの巡目が1巡減ったために判断が変わったのでしょうか?
それとも実はNAGAは天邪鬼な性格なのでしょうか?
もちろんそうではありません。
これが「プレイヤーとNAGAの判断が一致しなかった場合、NAGAは自分の判断の評価値を下げる」ということなのです。
つまり、仮に最初にNAGAがダマの評価値を「4点」、リーチの評価値を「8点」としてリーチを推奨していた場合、僕がダマを選択することで次巡以降リーチの評価値が「2点」にまで下がります。
すると、次巡以降はダマが「4点」リーチが「2点」となり、NAGAの判断もダマに変わるというわけです。
これは牌譜検討用に作られたシステムだと思います。
自分がダマを選択した後、毎巡「リーチを打て」と指摘されたら鬱陶しいし、検討しづらいですよね。
リーチの評価値が下がることで「リーチを打たないなら、何を切るのが適切か」を判断してくれるように変わります。
あんまりしつこいと、人間もAIも嫌われてしまいますからね。
これが最初の画像の北と中に差がついている理由です。
こちらが最初の画像です。
そしてこちらがその1巡前の画像。
ここでNAGAは打中を推奨していますが、僕は2pを切りました。(ここではまだ北は2枚切れのため、北よりも中の方が安全度が高い)
この2p切りによって、NAGAは自分の判断した打中の評価値を下げます。
そして1巡後に対面が北を切ったので、北と中がともに完全な安全牌となります。
どちらを切っても同じです。
しかし、NAGAは打中の評価値を既に下げているため、本来同じになるはずの打北と打中の評価値には差ができているというわけです。
たまにNAGAで検討していると、「打Aと打B、あまり変わらなそうなのにどうしてこんなに差があるの?」という場面があります。
そういうときは、このシステムによって差が生じている可能性があるので、確認してみて下さい。
それではまた。