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厄年の女、御祈禱を奢ってもらう

普段は無口で毒舌で合理主義者な夫の言葉を独自に記録した妻の日記。2025年1月。

▼「御祈祷、おごるよ」

わたし今年厄年っぽい。と夫に話したら「御祈禱に行こう。奢るよ」と言われた。御祈祷って奢られるものなの…?

普段、ご飯奢るよとか全然ないのに、御祈禱はウキウキで奢ろうとするのなんなの??

それで大丈夫かな。人のお金で厄除けしてもらって、効果のほどはあるのかな。と不安になったものの、「では、お言葉に甘えて」ということでちゃっかりATMで現金引き出させて近所の神社へ。

御祈禱中。
住所、氏名、年齢すべての個人情報をほかの参加者の前で読み上げられることの「今の時代、大丈夫ですかね」という気持ちや、「浜崎あゆみ」の札がついてる胡蝶蘭が目の前に飾ってあって「こういうのファンがやるのかな、え、本人からじゃないよね?」とか邪念がずっと心に漂っていて、隣に座って足ぶらぶらさせてる5歳の男の子くらい集中力なかった。

御祈禱終了後。
厄除け福袋みたいなセットがもらえてびっくり。お神酒から、お守り、飴、豆、お札、お札立てるやつ、手ぬぐいなどなど。

ぺっぺって頭の上でハタキのようなものを振りかざしてもらうだけかと思っていたから、アフターフォローまでしっかりしていて、この神社推す。お得すぎ。御祈禱、奢ってもらってよかった。

帰り道「あー、一緒に御祈禱受けた人、番地的にこのあたり住んでんね」って悪者みたいなことしてて最悪。

でも、御祈禱一緒に受けるって、ものすごく夫婦っぽくてなんかいいなと思った週末。御祈禱デート。



▼「俺はすれ違う人にそう思っているよ」

ここ最近、わたしは非常に仕事のことで気を病んでいて「死んでほしいって思うくらい嫌いな人が職場にいるの。最低だよね、わたし」と夫に伝えると

「俺はすれ違う人にもそう思っているよ」って、最低を上回る形で励ましてくれた。そっか。じゃ、わたしの最低度って大したことないかな。大丈夫かな。


近頃、在宅勤務の夫が「なんか、運動不足だからさ」と言って朝早く起きて、わたしを駅まで歩いて送ってくれる。

もしかしたら、わたしが思い悩んでいるのを聞いたからなのか。そうじゃないのか。

どちらでもいいけど、覚えておきたい。この寒い1月の朝、1分1秒でもベッドにいたい季節、駅までの15分、2人で歩く道のりのこと。


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