スペシャリスト=話を選り好みして良い、という事ではない。
どうも、こんにちは。シゴトって難しいね、Neji(ねじ)です。
会社員エンジニアあるある、かも知れない
いまの国内IT企業だと、社内エンジニアのコースとして「マネージメント or スペシャリスト」という2択を用意するのは、割とオーソドックスではないでしょうか。社員エンジニア= マネージャー or スペシャリスト or 下積み の3色。
一見するとわかりやすく、バランスの良い3色構成に思えますが、実はワナもあったりします。
上位ポジションになる前に、一通りは出来ないといけない
特に分かりやすいのはスペシャリストの方なのですが、「会社員としての一通り」「エンジニア業務の一通り」をすっ飛ばしてスペシャリストの肩書きがついてしまうケースが、往々にしてあります。これはどちらかというと、そのメンバーが組織にジョインしたときの環境/タイミングによるもので、「その時、組織がXX領域を引き受けてくれるヒトを欲しがっていた」「入ってくる時、確かにそのヒトが既存メンバーよりもその領域で尖っていた」等で、誰も悪いわけではなく「入ったときからスペシャリスト」になります。組織は期待を込めて、当人は張り切って。
これが、双方に気をつけるべきところを気をつけながら進んでいって、上手く回るのならもちろん問題はない、のですが。
よく発生する問題として、「スペシャリストが、得意なことしか出来なくなる」という成長をしてしまう、というケースがあります。コレが、困る。
例えば、XXエンジニア(バックエンドエンジニア、フロントエンドエンジニア、インフラエンジニアetc)という肩書きがヘンな方向に強く出てしまうと「その系統ばかりをやる」「その系統以外のことをしない/できない」「その系統について自分だけでやろうとする」というBADな振る舞いが目立つようになります。
この場合は、肩書きが「レッテル貼り」みたいに機能してしまったのだと思います。こうなると、なんというか扱いづら〜いメンバーになってしまいます。融通が利かない。「いまはこういう状況だから、あちらに参加してきて」「その領域、他のメンバーにも慣れてほしいから連携してやって」というのが、出来ない。なんやかんや逃げたり、やってみて全然うまくいかなかったり。
「一通りできた上で、得意な領域を持っている」のが、チームが求めるスペシャリスト。
専門家である前に、まずメンバー、まず会社員。
みんなが出来ることは、やっぱり出来てくれないと、いろいろ都合が悪いです。「その分ココが得意なんだから、プラマイでゼロだ!」とはなかなかなりません。
そう、やっぱり下積みが大事。汎用的な技術はもちろんのこと、いまいるこの会社、この組織、このサービス。それらを一通り経験してから、スペシャリストになるべきなのだ。
「役に立てるように誰かがお膳立てしてくれたら活躍できるんだけどな」と言っているうちは、やっぱり一人前とは言えないと思います。
そう、マジック・ザ・ギャザリングの言葉で言うなら「強いカードとは、出せば仕事をしてくれるカードのこと」なのです。「こういう状況が揃ったときにはすごく強いカード」というのは、裏を返せば「その状況ではない時はハズレカード」なのです。どんな状況でも、出せば一定の活躍をしてくれる。それが、プレイヤーの勝利に貢献する、優秀なカード。
スペシャリストの称号をばらまきがちな組織にも問題はありますが、やはりまずは当人が気づき、今からでも下積みをしていってほしい。そうしないと、来年の今頃には「使い道に困るカード」になってしまう。