新・『ノスタルジアの贖罪』のあれこれ④
どうも。ネイティです。
空想嬉劇団イナヅマコネコ
『ノスタルジアの贖罪』
舞台公演は終わりましたが、
初日を撮影・編集した映像の有料配信は8/8まで販売中です。
(私の出演はTeamAltairです)
よろしければ。
さて、少し空いてしまいましたがこちらの続きです👇
結構長くなってしまいました…
何度もいいますが、あくまでもこれは私の役作りのための設定で、
公式とは違う可能性もあります。
《残酷な描写がありますので苦手な方は閲覧注意》
■復讐型幽霊との対峙
操が工場に入ると、その光景に驚愕した。
工場のあちこちに死体が転がっている。その死体をハンマーで叩き潰したり、インパクトドライバーで孔を開けていく作業服姿の人間たち。
奥の作業机には怯え叫ぶ血まみれの工場長が寝かせられ、身体のあちこちにビスを固定されていた。
その作業をしているのは穏やかな表情をする岩永だった。操は逃げようとするも、作業服の人間たちに取り押さえられ、床に座らされる。
岩永は操を認識するも、襲うでもなく作業を続ける。そして努力が報われなかったことの嘆き、同期が栄転したことの羨望、失恋したことの悲しさなどをつらつらと語る。
「ごめんなさい。そんなに追い込まれているとは思わなかった」
と謝罪する操。そして、
「どうしてそれを話してくれなかったの」
と問う。するとその言葉で岩永は一転して怒りをあらわにする。
「俺がどうなろうと何しようと、お前は俺に対して何一つ関心を持たなかっただろうが!いまさら偽善者ぶるなよ!!」
そして操に近寄り、インパクトを構える。いよいよ危険を感じる操だが、身動きが取れない。岩永はインパクトの先に長いビスを取り付け、操の右手を床に押さえつけると手の甲にインパクトでビスを打ち付けた。恐怖と激痛で叫ぶ操。
「どうせここで何をしても何度も殺しても、俺の事はすぐ忘れるんだ。もういい加減それもしんどくなってきた。だったらこのビスをRIOGにして…」
と岩永がつぶやいていた次の瞬間、操の脇を何か光る物がすり抜けた。それは岩永の腹に直撃し、その身体を突き飛ばした。床に倒れながら、光る何かともがき合う岩永。
操には、その光る物体が見覚えのあるものに見えた。
実家で飼っていた、柴犬のテツだった。
■操の守護型幽霊
テツ
操の実家で飼われていた柴犬。元々は犬好きだった妹に請われて飼うことになったが、家族ぐるみで世話をする。一番かわいがっていたのはもちろん妹なのだが、テツ自身は操に甘えることが多かった。
操が東京へ出発する日も何かを察したのか、やたらと構いたがる様子を見せていた。
死因は老衰。前述の通り操自身はテツを見送ることができなかったため、テツは操に再び会いたい一心で守護型になった模様。
■復讐型との決着
「こいつ…守護型か…くそ!!」
テツは岩永の上に跨り、荒く吠えながら首筋に噛みつく。岩永は叫びながらも抵抗し、手に持っていたインパクトを起動させ、そのままテツの腹を刺す。テツはダメージを受けるものの、首筋から離れずにそのまま獅噛みつく。
気づいたら作業服の人間たちは姿を消していた。操はテツが来た驚きと安堵がありつつも、状況としてはテツのほうが不利であることを察した。しかし、右手に刺さったビスにより身動きがとれず何もできない。
岩永は残った力で、位置を変えてインパクトを刺す。テツは岩永の右腕に噛みつく。その痛みで手を離し、力尽きる岩永。インパクトが空回りし、テツの腹を引き裂きつつ落下する。
血まみれの状態でフラフラになりつつ、テツは力を振り絞って操に近寄り、身体を擦り寄せて操を見上げる。
「ごめんテツ…最後まで何もできなくてごめんなさい…」
操は震える声で謝罪しながら、テツの頭を左手で撫でる。尻尾が左右に揺れているようだった。
「岩永さん、本当に…ごめんなさい」
操は岩永に対しても改めて謝罪する。心から謝罪したつもりだった。しかし、残りわずかの力で頭を上げた岩永のその表情は、冷笑に満ちていた。
「本当に、そう思ってるなら…一生俺に償え…絶対に、忘れさせてやらない…死ぬまで覚えてろ…」
そう捨て台詞を吐き、消える岩永。そして操に身体を任せながら、テツも光って消えていった。
気づくと操は東京の自宅にいた。右手には自宅にあるはずのない、業務用の長いビスが握られている。罪悪感と恐怖に苛まれた操は、しばらくそこから動けなくなっていた。
長くなったので、続きは次回。
(まだ続く…?)