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カレル・チャペック『ロボット R.U.R』からみるタイパ志向と子育て観

はじめに 『ロボットR.U.R』

こんにちは。
先日、カレル・チャペックの『ロボット R.U.R』を読みました。


見た目は人間そっくりのロボットを作り続ける工場に、ヘレナという女性が視察にくるところからスタート。ロボットが人間以上の働きをする中で、ドミンを中心とした主人公たちは、「ロボットの生産性の高さ」、そして「人間の効率の悪さ」から、ロボット工場をどんどん大きくし、ロボット中心の世界を作り上げていく。(最初はヘレナは反対的だった)

時がすぎ、ロボットたちが蜂起、世界中の人間を殺戮し、そしてこの工場をも包囲する。
ロボットvs人間の末、工場運営に携わっていた中枢メンバーのアルクイスト以外の全員が殺されてしまいます。

そしてまた時がすぎ、ロボットたちは、自分たちを生産する設計図がないことで自滅する危機を迎えます。ロボットを解剖して、設計図を起こそうとするアルクイスト。解剖されることに恐れがなかったはずのロボットたちの間に、互いをかばいあう愛情が芽生え始めます。
設計図を持たないアルクイストと、ロボットたちとの対峙で結末を迎えます。


これが100年も前の話とは思えないほど、現代人が直面している近未来に近いものがありました。きっと100年前に読んだ人たちよりももっと現実味を帯びたものとして受け取ったはず。
(現在こちらの著書は青空文庫になっておりますので、検索すると無料で読めます)

今日は、この作品の中でしきりに出てくる、「生産性」「効率主義」といったキーワードについて、昨今話題の「タイパ志向」を交えて書こうと思います。

タイパ志向とは?

タイムパフォーマンスの略で時間を効率よく使うことを指しています。
例えば、面倒なことは機械に任せてしまうことや、多くの若者が、動画を2倍速で視聴することはタイパ志向を表すには有名な話です。

『ロボット』の中でもしきりに、R.U.Rの社長であるドノンは、ロボットの効率主義や、生産性の高さを謳い、ロボットが全ての苦役を担う代わりに「人間は自分が愛することだけをすればいい」と言います。

現代社会でいえば、便利なツールを用いて時間を効率よく使い、その空いた時間で自分の自由な時間を持とうというタイパ志向そのものです。
しかし、本当に、「面倒なことは」なんでも効率主義・生産主義片付けていいのでしょうか?やはり創造活動を伴うものは、時間をかけて行うべきじゃないかと思うのです。

例えば子どもの体験活動。

これは動画の2倍速のようにすっ飛ばしては行けないし、子どもの発育・成長も「急いだほうが後でゆとりができる」というものでもありません。
子どもの体験活動に関しては、じっくり時間をかければかけた分だけ、その子の宇宙は広がります。
この雑記帳(ブログ)は、子どもに関わる人の思いが書かれているので、いつもの如く、そこに焦点を当てながら綴ろうと思います。

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