"終わりを引きずってしまうすべての人たちに贈る" Jeremy Zucker & Chelsea Cutler 『brent』(2019)
ライター:しばけん
今回は、めちゃくちゃ飽き性の自分がここ1,2週間ずっと聞いている1枚をご紹介します。
この作品は2人のアーティストの共作によるものです。Jeremy Zuckerは、若干22才のこれからがめちゃくちゃ楽しみなアメリカ ニュージャージー出身の男性SSW。もう1人のChelsea Cutlerはアメリカのウエストポート出身の女性シンガーで、EDMも歌っているそう。
まず、男女2人ってのが良いですね、ハーモニーが美しい。
そして、音数は小なめですがその1音1音がとてもキレイ。エコーの使うタイミング、ギターの音色がすげー好きです。映画音楽っぽいかも。
ちょうどぴったりな量と質。音楽的ミニマリストは素敵です。
あとは、終わってしまった何かを抱えて歌っているようにすごく感じて、全然前を向けてないように思いました。 でも、人ってそういうものですもんね。
正直、英詞はちゃんとは分からないけど、数曲ピックアップして思ったことをつらつらと書いていきます。
1.you were good to me
are ではなく、 wereなんですよね。
タイトルから終わってしまってる雰囲気がすでに強い。
最初から映画のエンドロールを見せられたような気分になります。
聞いた後の余韻はもちろんあるんだけど、リスナーがこの曲を聞く前の色々なことを回顧して、それすらも曲の一部にしてしまうような包み込む雰囲気。寄り添ってくれてるのか、傷をえぐられてるのかどちらなんだろう笑
ピアノのイントロが儚くて、切ないですね。そして、Jeremy君の少しかすれた温かい声がすごく合います。
2.please
温かいボーカルとギターアルペジオで始まるこの曲。
男女2人が掛け合いをしているのが、すれ違いの雰囲気をより強く醸し出してくれますね。ちなみに、菅田将暉の「キスだけで feat.あいみょん」もすげー好きです。掛け合いをうまく使ってる。
3.sometimes
「素直になれなくて」なんて言葉は昔からよく聞くけど、それに尽きるんだよなー。でも、「素直」ってどこまでのこと言うんでしょうね。「素直」の良い塩梅が知りたいですよね、ホントに。
よくよく聞いてみると、バイオリンだったり、シンセみたいな音とか効果音が割とあって、そこら辺がなんか映画を想起させるのかな。途中で入るレコーダー(?)から聞こえてくる声が、やっぱり過去とか後悔を思わせます。
ライブバージョンもあるので、是非そちらも聴いてみてほしいです。どっちも良いので、僕は交互に聴いてます笑 ライブアレンジが良いし、2人の歌がより感情的に聞こえます。