「コーヒーと血圧計」とは?1問1答
2023年3月、世田谷区の尾山台商店街に突然あらわれ、いつのまにか20回以上続いている「コーヒーと血圧計」についての1問1答です。
Q 何をやっているの?
A 路上で無料のちいさなコーヒーを配り、ついでに血圧を測っています。
Q 何のためにやっているの?
A 専門家でなくてもまわりをカジュアルにケアできる「カジュアルケア」の実践者が社会に増えることをめざしてやっています。
Q いつどこでやってるの?
A 毎月第4木曜日16時~18時(たまに1週ズレます)。尾山台商店街の歩行者天国の時間帯に「タタタハウス」前の道路でやっています。
Q なぜコーヒーを渡すの?
A 立ち止まってもらうきっかけです。挨拶くらい軽いかんじの場ができたらいいなと。道端で会っちゃったので「どうも」「元気ですか」とひとこと交わす程度。なので、一口サイズのちっちゃなコーヒーを無料で渡すことにしました。
Q 無料のコーヒーを渡す効果は?
A お金の受け渡しがないかわりに、言葉のやりとりが生まれやすいです。コーヒーをもらったらバイバイという人はほとんど(まったく)いません。何かしらの立ち話が生まれます。
Q コーヒーをもらってくれる確率は?
A ホコ天時の尾山台商店街には人がたくさんいるので、確率は低いです。天候にも左右されます。2時間滞在して、少ないと15人程度、多くても40人くらい。ただ体感としては「けっこう気にしてもらってるな」というかんじです。いらないです、という方もニコッと笑って会釈をしてくださることが多いです。また、コーヒーは飲まなくてもおしゃべりする方はわりといます。
Q 血圧を測っていく確率は?
A コーヒーを手にする人の5割くらいでしょうか。逆にコーヒーを飲まず血圧だけ測りたい方もいます。血圧を測る方は看護師さんといろいろ話しています。ご自身で抱えていた健康不安について相談をしていく方も少なくないです。
Q 誰が立ち寄るの?
A たまたま通りかかった方がほとんどです。常連さんや、遠方からわざわざ来る方も増えてきました。高齢者が多いだろうと予想していたら、子供連れのパパママ・小学生・大学生・男女問わず40代以上、あたりがまんべんなくいます。中学生や高校生、30代男子は子連れ以外はほぼ皆無です。
Q 立ち寄るきっかけは?
A スタッフと目が合った・健康不安がある・時間がある・好奇心がある・楽しそう、など。「いつも感じのいい方たちがいるなと思っていて、思い切って寄りました」と言われた時にはすごく嬉しかったです。
Q スタッフは医療関係者?
A そのかぎりではありません。看護師さん、作業療法士さんなどのほか、医療や福祉とは無関係な人たちもスタッフです。
Q スタッフにスキルは必要?
A 誰でもできるけれど、スキルは必要だと思います。名前も知らないまちの人と言葉を交わし、相手を思う、というのはある意味スキルです。難しくはないです。
Q スタッフには何のメリットがあるの?
A 楽しい、癒される、学びがある、などいろいろな感想を聞いています。回数を重ねるごとに発見があり、筋トレで筋肉がつくようにケアのスキルがアップする感覚もあります。たまたま出会った人をケアする、カジュアルケアの感覚が身につきます。暮らしのなかでケアしケアされる関係がつくれる、という手応えを持ち帰ることもできます。
Q カジュアルケアの感覚って?
知り合いとか知らない人とか関係なく、たまたま出会った人が困っていたら「すぐ助けてしまう」という感覚です。この感覚は、病みも闇も深くならないうちに「すぐ助けてしまう」社会をつくるのに有効です。また「すぐ助けてしまう」場数を踏むと、助けられ上手にもなります。なぜなら、助けてもらうのは負い目ではなく、助けてもらう人にとってもプラスなことなのだと理解できるからです。
Q カジュアルケアを普及させたいのはなぜ?
A 「すぐ助けてしまう」文化は、これからの日本で生きる人々にとって必要だからです。ますます高齢者人口が増え、認知症患者数も増え、社会保障費の負担も増え、医療介護体制も今のようには維持できなくなるでしょう。「ケアは医療や福祉に外注すればいい」とは言っていられない状態になると想定しています。(コロナの頃の医療崩壊がデフォルトになるイメージです)そんな未来をともに生き延びるために、カジュアルケアは必要なスキルだと考えているのです。
Q コーヒーと血圧計、のんびり楽しいだけかと思ったら!
A おっと。つい熱くなりました。熱いコーヒーは雑味ばかりで美味しくないですね。
Q 自分のまちでもやりたいと思ったらどうすればいいの?
A 出張コーヒーと血圧計、承っています。できれば事前に尾山台で一緒にやってみてからがいいと思いますのでご連絡ください。いつでもご相談に乗ります♪