素直が一番

T君から昼休みに
「ねいちゃんのおかげで全然痛みなくなってるよ」
とLINEが来た。

E君からは
「ワクチン打ってきた」
「なんの?」
「インフル」
「そっか。美容室でストパあててる」
「暇やろ」
「まあね」

T君が素直でかわいいから、余計にE君のめんとくささに萎えてくる。

もういいよ

何度も出てきそうになる言葉。こないだ一度は言った。そしたら向こうが歩み寄ってくれたから繋がった。でも結局彼が無理して余計にお互いの関係性がつまんなくなっただけ。一緒にいて楽しくない。そもそも一緒にいること、LINEで心の通ったやりとりをすることすらままならない相手に執着する必要があるだろうか。

お姉さんに頼んで、福岡のお土産を買ってきてもらってくれてる彼。別にお土産はどっちでもいいけれど、今ここで別れたら、気持ちごと、その、お土産の所在を失う彼。もしかしたらお姉さんに、少しいい関係の人がいるってほのめかしたかもしれない(あまりやりそうにないけど)。あるいは誰にも言っていなかったとしても、やっぱりどうせうまくいかない、他人は信用できない、ほれみたことか、と彼のネガティブな思い込みをさらに確信させてしまうのが嫌で、なんかもう、そこだけにこだわってる気がする。障害者である彼が、5年ぶりにやっと恋愛しかけた私と数ヵ月で破局することに同情してしまっている。そこに「私の感情」はない。「彼」に幸せになってほしい、「彼」がかわいそう。だから、私が我慢すればいいんだ。ーこう考えてる時点で、もうほんと、この恋は終わっている気がする。


でもこうやって会わずに、話さずに、お互いに勝手に悪い方に考えてることがいけないんだ、と思い直す。一度、四の五の言わずに会って触れて、話せばいい。それで自分の「感情」がどうなるか、見てみよう。やっぱり彼のことが好きなのか、この関係を続けたいのか、それとも、もう終わらせたいのか。


そう思って彼に連絡した。

「今夜21時半には仕事終わるから時間あるなら会いに行きたいけど忙しい?」

「どこから来るの?」

は?家からに決まってんじゃん。

「家から」

「じゃだめ。遠いから。バイト帰りにタイミング合う時あればまだ気持ち的に会いやすい」

だからさ、そこが順番間違ってるんだって。

自分も会いたい→会いに来てくれるの→ありがとう!嬉しい!なるべく時間あけるよ

もしくは

嬉しいし会いたいけど、今日は忙しくて無理、ごめん、残念

これが、「気持ち」でしょ。

遠くから来てもらうのは悪い
とか
時間作れるかどうかわからない
とか

そうだとしても、よ。
その前に「自分も会いたい、嬉しい、ありがとう」でしょ。
その上で、できないならそれを残念な気持ちと共に伝えればいいんだよ。


「バイトは次いつになるかわからないし、その時会う時間作れるかもわからない。今日は確実に時間あるし、私が会いたくて行くんだからよくない?離れてるからどちらかが行かないと会えないんだから」

「なら会えそうなら」

「今日ってこと?それはいつわかるの?」

「21時までには決める」


またその言い方。決めるってのはさ、会いたいかどうかも含めて決めるってこと?そもそもが。って思っちゃうじゃん。

全然伝わらないよ。あなたの気持ち。不器用だったりシャイだったり怖がりだったりするのかもしれないけど。そんないいわけしてるからチャンス逃すんじゃん。かわいくない。病気のせいじゃないんだって。素直になりなよ。


どうしても、素直なT君と比べてしまう。

「こっちきて。抱き枕になって。朝まで一緒に寝て。」

「きれいな脚。かわいいお腹。エロいお尻。」

そんな単純な言葉とふれあいが愛を育てるんだよ。そりゃお金も愛を育てるよ。最低限お金がないと愛はなくなっちゃう。

でも、お金があっても気持ちが伝わらなければ、特に始めの数ヵ月にそれがなければ、この人と一緒にいたい、って気持ちは育たない。愛していこうという覚悟には至らないよ。

人としてあなたのことはリスペクトしてるし、始めの頃のやりとりはとっても楽しくて、毎日たくさん話したい、一緒にいたいって思った。

でもせっかくお互いの気持ちを確認したのに、それからは試されるようなことや下にみられるようなことや、放置プレイが多すぎて気持ちがどんどんそがれていってる。ここで強固なものが育っていれば、私は覚悟できたと思う。この人を愛していこう、支え合っていこうって。でも…


やっぱりもう、無理かな。こんなんじゃ、ね。


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