がまぐちよだかとほし
おほきいくちで、むしをたべながらがまぐちよだかは、よるをとびます。
さうすると、ときどきよるをたべてゐるやうなきがしてくるのです。
がまぐちよだかは、あさになるとよるをたべたことをわすれてねむるのです。
まいばんまいよ、むしをおいかけるたびにだんだんとくちがおおきくなるのです。
いつかよるをぜんぶたべてしまへるやうなきがするのですが、やつぱりあさになるとなにもかもわすれてしまふのです。
それだけが、がまぐちよだかのまいにちなのです。
ひのひかりはまぶしくて、すきではないけれど、よるのほしはやさしくかがやいてゐます。
がまぐちよだかは、そんなほしをめざしてとんでみたりするのですが、やつぱりむしをたべるはうがいいとおもふのです。
さうしてまたあさがきて、ねどこでしづかにねむるのです。
なにもかもをわすれて。
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