がまぐちよだかとほし2


「おなかがへったなぁ」くるるるぅとおなかがなります。

ちかごろはちつともむしもたべられなくて、ひもじいおもいをしてゐるがまぐちよだかでした。

すばしこいちいさなとかげやいきものも、なんだかめつきりすくなくなつてしまひ、がまぐちよだかはとはうにくれてゐました。

ひるまならへさにありつけるかもしれない。

さうかんがえて、まぶしさにめをしかめながらひるまにえさをさがしてゐると、からすやはとにおいまはされるしまつです。

「おまへのじかんはよるだらう!」わしやたかにまでしかられて、しょんぼりするがまぐちよだかでした。

「さうだ、ものしりふくろうのゴロスケじいさんにさうだんしてみよう」がまぐちよだかはよるになるとさつそく、ゴロスケじいさんのところへとでかけました。

てみやげにやっとつかまへたこねずみをたべたいのをこらへてくはへ、がまぐちよだかはいそいではばたきます。

「こんばんは、ゴロスケじいさんいるかい?」えだにとまつて、きのあなにがまぐちよだかはよびかけました。

「おや、めづらしいのう」ふくろうのゴロスケじいさんがあかいめをひからせて、あなからかおをだしました。

「かりもしないで、こんなじかんになんのやうぢやな?」ゴロスケじいさんにきかれたがまぐちよだかは、おみやげのこねずみをわたすと、じじょうをつらつらとはなしはじめました。

「おまへさんもかい。みんなえさがすくなくてくろうしてゐるやうぢやな」ゴロスケじいさんは、ほかのとりにもさうだんをされたやうでした。

「よる、ぜんぶがむしみたいにおもうほど、たくさんゐたのにさいきんはぜんぜんだめなんだ。ぼくのかりがへたになつたのかなあ」

「いやそんなことはなからうよ。むかしむかしにもこんなときがあつたと、わしのじいさんにきいたことがあるわい」

こねずみをついばみながらゴロスケじいさんがいいました。

「そのときみんなはどうしたんだい?」

「そりやもうひどいありさまぢや。ひるのとりもよるのとりもあらそいあつて、ころしあつて、もりはしんでしまつたんじゃよ」

「ぢやあどうしてゴロスケじいさんはいきてるんだい?」

「わしのじいさんのじいさんたちは、このもりをすててたびにでたんじゃよ」

「たびに?どこへ?」

「さあ、それはわしにもわからんて。ただ、ゆうとぴあ といふもりにはたべるものがたくさんあつて、てんごくのやうなところだつたらしい」

「ぢやあどうしてまたこのもりへもどつてきたんだろ?」

「さあな、わしにもそれはわからんのぢや。あかいほしをめざしてとんださきに、ゆうとぴあ はあるときいたが・・・」

「ぢやあぼくもその ゆうとぴあ にいつてみるよ。ゴロスケじいさんもいつしよにいくかい?」

「わしにはそんなげんきはもうないわい。ここでしづかにおむかえをまつとするかのう」

がまぐちよだかはゴロスケじいさんに、おわかれをいふとそのままゆうとぴあをさがすたびにでることにしました。

もりのうへをぐるぐるとまはりながら、どんどんとたかくそらをのぼります。

はばたきながらしたをみると、もりがちいさくなつていきます。

「さやうならぼくのうまれたもり、さやうならみんな」

がまぐちよだかは「ぐるあーぐるあーきょえっきょえっ」とおおきなこえでなくとあかいほしをめざして、はねをおおきくひらきとびたちました。

さて、がまぐちよだかはゆうとぴあへ、たどりつくことができるのでせうか。


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