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「ラージフォーマット」と「中判」

カメラの世界では、「フルサイズより大きいセンサー=中判」という認識が一般的だが最近では、FUJIFILMが自社のGFXシリーズを「ラージフォーマット」と呼ぶようになり、従来の「中判」とは異なる表現が使われ始めている。そもそもフィルム時代の「中判カメラ」とは、120フィルムを使用するカメラのことであり、これは実はデジタル中判センサーよりも大きい。この「ラージフォーマット」と「中判」の違いは、一部の界隈では非常に敏感なトピックだ笑
デジタルカメラにおける「ラージフォーマット」:
FUJIFILM GFX100 II やハッセルブラッド X2D 100C などのカメラは、43.8mm × 32.9mm のラージフォーマットと呼ばれるサイズのセンサーを搭載し、1億画素級の高解像度を誇る。これは フルサイズセンサー(36mm × 24mm)よりも約1.7倍の面積 を持ち、より豊かな階調や立体感のある描写が可能になる。
FUJIFILMがこのサイズを「ラージフォーマット」と呼び始めたのだか、これはかつての「中判デジタル」という呼び方と比べ、よりフルサイズとの差別化を明確にするためのネーミングだと考えられる。
とはいえ、フィルムの中判(6×6、6×7など)と比較すると、この「ラージフォーマット」のセンサーは小さい。そのため、デジタルのラージフォーマットは、フィルム時代の中判とは必ずしも同じではないという点を理解することが重要だ。

ハッセルブラッド X2D 100C

フィルムカメラの「中判」:
ハッセルブラッド 500CMやマミヤのRZ67などはクラシックなフィルム中判カメラの代表格だが、120フィルムを使用し、撮影フォーマットは 6×6cm(撮影領域約56mm×56mm)や6×7(56mm × 70mm)だ。これはラージフォーマットのセンサーサイズ(43.8mm × 32.9mm)と比べると、面積で約2倍近くも大きい。

ハッセルブラッド 500シリーズ

デジタルの「ラージフォーマット」は、フィルム時代の「中判」よりはサイズは小さいものの、フルサイズよりも大きなセンサーを持つことで、中判的な画作りを可能にしている。一方、フィルムの「中判」は、デジタルカメラのラージフォーマットよりも大きなフィルムサイズを持ち、独特の風合いやグレインを活かした撮影ができる。ただし、操作性やコスト面ではデジタルにはだいぶ劣る。
だけどもちろん、どちらを選んでも、フルサイズでは得られない「大きなフォーマットの世界」が、ぼくらの写真に新たな表現をもたらしてくれる。さぁ、デジタルの「ラージフォーマット」の精密な描写を選ぶか? それとも、フィルム中判のクラシックな味わいを楽しむか?
どっちも楽しんじゃうか。

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