だめだ、なぜか初代a7Sに戻ってしまう…
現在、メイン機としてSony a7IVを使用しているが、どうしても初代のSony a7Sに戻ってしまう自分がいる。a7IVは画素数が多く、優秀なオートフォーカス性能を備えた素晴らしいカメラだ。動画撮影にもまあまあ強く今の時代において非常に魅力的なスペックを備えている。それでもやっぱりa7Sを手放せない自分がいる。
その大きな理由のひとつは、ボディの薄さと軽さだ。初代a7Sは2014年に発売されたモデルで、最新機種と比べるとスペックでは劣る部分が多い。画素数はわずか約1200万画素で、最近のスマートフォンにすら追いつかないほど低い。また、オートフォーカス性能もa7IVとは比べものにならないくらい単純で、速さや正確性では劣る。それでも、a7Sには最新機種にはない「手軽さ」がある。外出先で気軽に持ち歩けるボディサイズと重量は、スナップ写真にとって大きなアドバンテージだ。
さらに、a7Sは「潔さ」がある。最新のカメラが多機能化し、設定項目が増え続けている中、a7Sはシンプルな操作性を持っている。カメラを手にして、被写体に集中できるこの体験は、最新機種では得られないものだ。10年前のシンプルな機能が逆に、今でも通用する美しい映像表現を可能にしてくれるというわけだ。
もちろん、a7IVの方が「完璧な」カメラに近いことは間違いない。それでも、a7Sを手にすると、不思議とクリエイティブな意欲が湧いてくる。ボディの軽さとシンプルさが、純粋に「撮る楽しさ」を思い出させてくれるんだと思う。最新機種の性能を追い求めるのもいいが、時には自分の感性に寄り添ったカメラを選ぶことが、写真の原点に立ち返るきっかけになるんじゃないか、と感じてる。