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なぜフィルムで撮るのか?
デジタル全盛のこの時代に未だにフィルムカメラで写真を撮ることに関して、僕の中には明確な答えが最近まではなかった。ネット上にはフィルム好きによるフィルムで撮る事に対する様々な記事が存在していて、そのどれもがある程度は納得するものではあるんだけど、完全に腑に落ちるものではなかった。だけど、ここにきてようやく、なんとなくではあるが自分の中で結論がでた。なので、その想いをここに記す。
まず1つは、僕は"時間の曖昧さ"を楽しんでいる、ということだ。当たり前のことだが、フィルムカメラでは撮影してから現像するまで時間がかかり、即座に結果を確認できない。この「曖昧な時間」が、僕にはすごく重要らしい。僕はデジタルカメラで写真を撮る事をなんとなく"怖い"と感じているんだが、それはつまるところ、現代のスピード社会への抵抗感のようなものなのかもしれい。撮った写真をその場ですぐに確認する。そのスピーどそんななか、フィルム写真を撮ることは「時の流れ」そのものを味わう行為なわけで、僕にとってはこのゆったりとしたスピード感が大切なんだ。
もう1つは、制約だ。これは先ほど述べた怖さにも通じるのだけど、デジタルカメラには枚数制限がない。メモリーが許す限り何枚でも写真が撮れる。この非有限的な感覚が僕は怖くてたまらない。フィルムとデジタルでは1枚1枚の貴重さが比較にならない。フィルムカメラで撮るということは、いわば「限られたチャンス」を前提にするということで、被写体や構図に対する向き合い方がより丁寧なる気がする。これが僕にとった大切な感覚なんだと思う。
こういった理由で僕はフィルムカメラで撮ることをとても心地良く感じていて、今後もやめることはできないだろう。(あー、フィルムもうちょっと安くなって〜!お願いします!)