料理は発見 … 続 .されど箸置き
コメント有難うございました
貴重なご意見を寄せていただき、有難うございました。熱心に集められている箸置きコレクターの方、実践的に箸置きをお使いの方、相手を尊重するお茶の作法から箸置きについて考えられた方から、それぞれのご意見を頂きました。興味深く読み色々考えさせてもらいました。
正解探しにこだわらなければ、具体的な場面から考えるという方法が、より現実的に思えます。寄せられた事例によると、写真を撮る時には箸置きの顔が見えている方が好ましいし、箸を取る時には箸置きの出っ張りが手前にくると使いづらいということです。納得できました。
ところで、参考資料を探している時、本棚からぽろっと出てきた本が、読み返してみると意外に面白かったのでご紹介します。(答えは不明でしたが)
食の器の事典
食器を手掛けることが多いので、このような本は欠かせません。名称.使用方.標準サイズなど押さえておく必要があります。では、箸置きについてどう書かれているのでしょうか…
箸置きは古墳時代から使われており、おまけに神聖な箸をおく台であったなんて!さりげなさそうな箸置きに、急に後光が差してくるようです。とはいえ分かりづらいと思うので、「直会(なおらい)」と「耳土器」について補足します。
「直会(なおらい)」という言葉を知ったのは、私はつい最近です。自治会のお祭り当番の時、祭礼の日に神社の境内で氏子たちは揃って食事をとります。神様へのお供えを 人がおさがりとして頂き ともに食することを、直会といいます。「食事が神とともにある意識」、日本の食事作法には神道の影響が残っています。そこから箸や箸置きの尊さがうかがえる気がします。 *参考 食文化論 吉川 誠次 編著 建帛社発行 平成7年
ついで耳土器ですが、耳のような形をした土器のことですが、事典にその説明はありませんでした。(耳皿が近いようですが…)代わりに、土器について調べてみました。
土器は縄文時代から続いています。火焔土器が世界最古の焼き物に入るとは、改めて日本は歴史のある国だと思います。また漆をみれば、函館市の垣の島遺跡からは漆を塗った装飾品(櫛)が発見され、約9000年前の世界最古の漆工芸品であることが判明しています。(漆塗りの縄文土器も多数発掘されています。)
食の器の事典では、和.洋.中の食器などが、イラスト付きで解説されています。専門性は高いようですが、食器や食具を詳しく知りたい方には役立つと思います。
和食手帖
恥ずかしながら、この手帖のことはほぼ忘れておりました。ところが、参考になる記述を探しページをめくるうち、内容が充実していることに驚きました。小ささゆえに忘れたような気がしますが、侮れない一冊です。ざっと目次を見てみましょう。
手帖は18×11㎝(厚さ1㎝)の200頁で、胸ポケットにも入るような大きさです。冊子の見返しから記事がありカラーのさし絵も豊富で、「手軽な和食事典」として編纂されたそうです。
出かける時には、私もこの手帖を持ち歩こうと思いました。物事を楽しむには、知識が役立ってくれます。いや、家庭の食卓でも話題が増え盛り上がりそうです。箸置きに関する情報はありませんでしたが、豊かな和食文化に心惹かれる方に、お勧め度の高い手帖です。
次回は、「工房スケッチ … 四季」。