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工房の道具 刃物(下)
前挽きのこ(木挽鋸コビキノコ、前挽大鋸マエビキオガ)
人力で仕事していた時代に、木材から板を切り出すため使った刃物です。北斎の富岳三十六景にも描かれています。木材に乗っている木挽き職人が刃物を差し入れていますが、これが前挽きノコです。(なお、前挽きとは木の繊維に沿って縦に切ることで、横挽きとは繊維を横に切ることです。)危なっかしい姿ですが、昔の人にはすごいバランス感覚があったのでしょうか。
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現在は動力で製材するので使いませんが、祖父や父の大切にしてきた道具なので、工房の天井近くに前挽きノコなどを掛けています。( ↓ 上方写真が前挽きノコですが、下方写真のやや細長い刃物も同様に伝わってきたものです。)古い様々なノコギリは私とともに木曽から伊豆へ引っ越ししてきましたが、ふと見上げると声を掛けられているような暖かな気持ちになります。
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丸ノコ
私の場合は原木を買うことが多いので、材木店で大まかに製材してきます。その後は工房で、仕上がりに合わせ材に物差しを当て下書きし、丸ノコで細かくカットしていきます。丸ノコは高速で回転する刃物なので、かなり神経を使います。
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ほかにも旋盤やバンドソーなど、工房には数多くの刃物があります。けれど、年を追うごとに仕事の範ちゅうが拡大増殖するので、一体どこまで増えていくのか‥‥
次回は、入れ物によって物の見え方は変わるのか?リンゴを使い小さな実験、「器比べ」をしてみます。