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#土壌

土 地球最後のナゾ(藤井一至著)㊦

                          2018年出版 光文社新書 962  920円 前回㊤では、地球の土壌や腐植の仕組みについてのお話でした。著者の藤井一至氏は1981年富山県生まれ、カナダの永久凍土からインドネシアの熱帯雨林までスコップ片手に世界各地、日本の津々浦々を飛び回り、土の成り立ちと持続的な利用方法を研究しています。 学者先生と言えばずっと机に向かい難しい論文を書いているイメージですが、スコップ片手に飛び回るフットワークの軽さに驚きます。その姿勢

土 地球最後のナゾ(藤井一至著)㊤   

この本に出合うまで、土について考えたことは全くありませんでした。サブタイトルには「100億人を養う土壌を求めて」とあります。そう言われてみれば、穀物や野菜.果樹.牧畜など私たちの食べ物の多くは、土に依存しています。 「土は地味だ」と著者である藤井一至氏は、たびたび自嘲気味に述べられています。が、ルネサンスの巨匠レオナルド.ダ.ヴィンチはこう語ったそうです。「我々は天体の動きについての方が分かっている、足元にある土よりも」天才はやはり目の付け所が違うのでしょうか。 土という