![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/160058546/rectangle_large_type_2_5d8b5c8dc003d01e657096b014c319df.png?width=1200)
2024年銘柄分析③ ノバシステム(5257)2024.12月期第3Q決算分析
2024年銘柄分析③、ノバシステム株式会社(5257)(以下「ノバシステム」)の第3Q決算分析です。
※本記事は個別株の銘柄分析であり、特定銘柄の購入を推奨するものではありません。個別株への投資は自己責任ですが、本記事が投資検討の一助となれば幸いです。
○はじめに
今回は決算説明資料が無いため、決算短信を基に分析を行います。
ノバシステムの銘柄分析や決算分析は過去に紹介していますので、興味がある方はご確認ください。
○概要
(1)第3Qについて
![](https://assets.st-note.com/img/1730505890-EdOS0DbMXfiPs56lNqZrKwLz.png?width=1200)
第3Qについて、第2Qに引き続き、各利益が前期比マイナスとなりました。まだ第4Qが残っており、通期業績の下方修正もありませんでしたが、おそらく厳しい状況は変わらないと思います。ポジティブな点は売上高が好調なことと、来期から配当が始まることくらいでしょうか。
各項目について、細かく見ていきたいと思います。
(2)業績
![](https://assets.st-note.com/img/1730366254-T9LdySc6Nh83oKlasf1urEA7.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1730367631-ekoCvGyWP1JAh6MHwYz4mbq8.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1730367651-OY1nhTj0ySERAi7Nx9LwZXKd.png?width=1200)
売上高は前期比で18.7%増。まずは売上がしっかり伸びないことには利益も出ませんから、引き続き好調なことはポジティブです。
しかし、各利益が第3Qも前期比でマイナス。第2Qに引き続き、長期プロジェクトの一部工程においての開発コストの発生と、人への投資にともなう販管費増が原因とのことです。人件費への投資は間違いなく必要で、そこは評価したいのですが、営業利益率が大幅に悪化しており、進捗が苦しい状況です。
(3)財務状況について
![](https://assets.st-note.com/img/1730367594-fl5dPx2vI7BFo0rqcTy8kSbe.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1730367606-so0p839WrJODn6CHtMxPNjvg.png?width=1200)
前事業年度と比較しながらのざっくりな見解です。
・売掛金及び契約資産の伸びで、流動資産は増加。一方で流動負債はほぼ変わらず。流動比率(流動資産÷流動負債)は200%を超えていて極めて優良。
・有価証券が伸びている。現金と有価証券の合計が12億を超えており、流動負債を上回っている。当座比率が120%を超えていて極めて優良。
・自己資本比率は58.4%で健全水準。昨年度より改善。
・固定資産合計は変わらず。純資産は利益剰余金が積み上がり、固定比率は68%で優良。
〇結論
財務安全性は抜群に良いです。今期も黒字予想ですし、倒産等の心配はなさそうです。
○不満点と今後の方針について
芳山社長はこれまで、中期計画の数値は保守的であるということや、今期業績について力強い言葉を発し、かなりの自信を見せていましたので、業績の進捗が良くないことは残念ですが、経営はいつ何が起こるか分からないもので、予想外のことが生じ、下方修正や計画の変更が生じることは仕方のないことだと思います。
しかし、私が一番残念に思っているのは、会社の姿勢です。長くなるので端的に言うと、以下の内容から不安や不信感が非常に高まりました。
・昨年度第3Qで決算説明資料を出していたが、今回は無し。(決算短信に「決算説明資料:無」との記載あり)
⇒業績がいい時は資料を出して、悪いときには資料を出さないのか。
・第4Qで捲る可能性もあり、計画未達でも増収増益なら問題ないが、通期が減益だと仮定すると、中期計画初年度から計画未達という、今後3年間の見通しが見えなくなる。
・IRからの回答が1週間かかり、体制がきちんとしていない印象。
・第2Q発表後にIRに質問をし、「第3Q以降の以降において上期で発生したような想定を上回る追加的なコストが生じるものではない」との回答をもらっていたが、第3Qのみの前期比較でも減益であり、追加コストがまだ生じている可能性が高い。
![](https://assets.st-note.com/img/1730506576-MHD2NTolBUGasz3K865ybEqY.png?width=1200)
不安や不信感が増すと、「通期業績に変更なし」も本当に信じていいのか、分からなくなります。
多少の下振れに対してもシナリオが崩れていなければ我慢しようと思っておりましたが、上記のとおり、会社の株主に対する姿勢は、私個人として一貫性がなく信頼を損ねるもので、非常に残念でありましたので、保有を減らすことにいたしました。
株価はかなり下がりましたが、決算短信どおり、第4Qで盛り返すことも十分ありうると思いますし、需要が旺盛な事業であることは間違いありません。配当も来期からスタートする方針も変わりなければ、株価も安定してくるでしょう。
○最後に
私は「負けない、3年で2倍を狙える銘柄」としてノバシステムを紹介しましたので、一貫性をもって、3年間応援し続けていきたいと思います。
本銘柄については、引き続き四半期ごとに分析を進めていきます。「スキ」&「フォロー」をいただけると、大変モチベーションにつながりますので、本記事が気にいっていただけたなら、是非是非よろしくお願いします!