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ショーハショーテン!

ジャンプスクエア(SQ)にて連載中の『ショーハショーテン!』という漫画が面白かったので感想を書かせていただきます。昨日一気読みしてしまったのですが、まだ完結していないようで私が読んだのは8巻までになります。

題材は「お笑い」。ひょんなことから巡り合った高校生2人組がコンビを結成し、高校生お笑いバトルでの優勝を目指す物語です。この2人のキャラも立っていて良いです。四十万畦道(しじま あぜみち)は、界隈では超有名なハガキ職人で、ネタを書く力はピカイチなものの、人前で喋ったりが苦手と内気な性格です。一方の東片太陽(ひがしかた たいよう)は元天才子役で舞台での堂々たる演技や捌きはピカイチなものの、天才的なド天然で自分でネタを書いたりは苦手です。この2人のコンビとしてのバランス感が素晴らしく、お互いに長所を活かしあいながら化学反応を生み、高校生お笑い界に風穴を開けていくわけです。

間違いなく面白いので、細かいストーリーは是非読んでいただくとして、僕が特に凄いなと思ったのは、「お笑い」という題材を、ジャンプの三大原則(友情・努力・勝利)に見事消化していることです。

というのも、ストーリー中に出てくるネタがきちんと面白いのです。しかも多くのお笑いコンビが登場するのですが、皆それぞれのキャラにあったネタをしているのです。
これが本当に凄いと思っていて、おそらく今までも、お笑いを漫画のテーマにしようと試みた人は結構いたんじゃないかと思います。(M1グランプリもあれほど盛り上がってますし、真剣にお笑いに向き合う芸人のストーリーは感動させやすいテーマだと思います。)
それでもその時「漫才しているシーンをどう描こう」というテーマが立ちはだかったんじゃないかと思うんです。漫才のネタが読み物として面白くなければ、せっかくのストーリーも台無しになってしまいますから。(楽器演奏系の漫画のように実際にネタは書かず、描写だけで進めるという手法もあるかもしれないですが、やはりストーリとしては淡泊になってしまうと思います。)
その点この漫画はネタがきちんと面白くて凄いなと思いましたし、その上で、登場人物の物語とネタとを上手く絡めることで漫画としての感動を生み出していて本当に凄いなと思いました。

またストーリー中に出てくる「お笑い理論」も非常にしっかりとしていて勉強になりました。例えば、なぜ無名の新人漫才師が舞台でウケないかということに対しても非常に分かりやすく解説されています。

お笑いも、胸熱なジャンプ漫画も好きな私にとってはドンピシャにハマった作品でした。是非読んでみてください。


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