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[好きな広告を勝手に解説するシリーズ] ペプシ vs コカ・コーラ

[好きな広告を勝手に解説するシリーズ] vol.10 は、ペプシの広告「勝ったのは、ペプシNEX ZERO。」です。

「好きな広告~」シリーズなのですが、僕個人的には、比較広告は好みじゃないんです。事業戦略上、いろいろあるのは想定できるし、その判断もひとつの選択肢だとは思います。でもキラいなんだなぁ~。切磋琢磨とは真逆の足の引っ張り合いは、長期目線ではただ共倒れが待っているとしか思えないからです。なのにこの広告を取り上げたのは、ペプシじゃなくて、コカ・コーラの動きが「さすが王者」と思うからです。

コカ・コーラ、やられてもやり返さなかった

あまりにもいろいろ商品がありすぎて、純粋な売上比較は難しいかもしれませんが、「コーラと言えば」の第一想起は、コカ・コーラではないでしょうか。ブランドポジションとしては絶対王者というわけです。

そこにチャレンジャーのペプシが大胆な攻撃を仕掛けてきた。「ヘイベイビー、知ってるかい? 本当はペプシのほうが人気があるんだぜ、コカ・コーラよりも」です。

競合にここまでストレートに言われたら、普通無視できません。「むかつく!」となっても不思議ではありませんし、ビジネスをしているのは人間だから、きっと、少なからずそう思ったでしょう。やられたらやり返せ、じゃないですが、先に手を出されたのですから、やり返す理由づくりもカンタンだったはずです。しかも手法はアンケート調査というラクチンな技。場合により恣意性も担保しやすいので(特に広告に使おうとするアンケートは)、「いやいや、ペプシよりもコカ・コーラのほうが本当は人気なんです、なんですかね?あの調査」という広告を作り出すことも可能だったはずです。でも、やり返さなかった。

コカ・コーラ、無言でブランドを守る

コカ・コーラは王者です。王者が下位の挑発に乗るためには、何をしないといけないか。階下に降りなければなりません。2番手、3番手のポジションに、自ら降りて、王者なのに、2位の高さに目線を合わせないとバトルできないのです。

もしも挑発に乗って、やり返していたら、コカ・コーラは絶対王者なのに、2番手の高さで”どんぐりの背比べ”をすることになる。つまり、やり返すことは「はい、レベル的には僕らも2番手と同等です」を認めることになるのです。

無言でいることで「はいはい、どうぞご自由に。下界はにぎやかですね」ということになるのです。

コカ・コーラは、ペプシが頑張って使った広告費を応用して、何もしない戦術によってブランドを守ったのです。費用対効果抜群です^^

以上、広告好きの私見でした。
ちなみに僕は、普通のコーラはコカ・コーラ、ZEROはペプシが好きです。

その他の「好きな広告を勝手に解説するシリーズ」はこちら。通勤電車などの暇つぶしにのお供に。

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