[好きな広告を勝手に解説するシリーズ 番外編] セブンイレブン vs ファミリーマート
好きな広告を勝手に解説するシリーズvol.4は、セブンイレブンの「近くて便利」vs ファミマの「あなたと、コンビに、ファミリーマート」です。
コンビニ業界を代表する企業同士ですが、店舗数の差があります。
また、売上・経常利益の差もあるようです。
もちろん詳細に分析すると中身はいろいろあるはずですが、主旨が違うので割愛します。少なくとも、パッと見の概要ではセブンイレブンが勝っているとみるのが妥当でしょう。
仮に、業績などの数字はよく分からなくても、商品の違いは分かるのではないでしょうか。誰でも、どちらのコンビニもよく使うと思うので。好みは人それぞれですが、あくまで個人的な見解は、セブンはおいしい、です。もっと各論で言うと、コーヒーの味が違う(濃さが違う)と感じています。何でこの差が生まれるのでしょうか?
セブンイレブンは、コンビニとは名乗らない
もちろん差分要因は多々あると推測されますが、CI(コーポレートアイデンティティ)が、実は少なからず影響しているのではないでしょうか。もう一度、両社のコピーをみてみると…
ファミリーマートは「あなたと、コンビに、ファミリーマート」と掲げ、コンビニがあなたの傍にいます的なメッセージであるのに対して、セブンイレブンは「近くて便利」と、一言もコンビニと名乗りません。
この言葉のチョイスの差は何か?
顧客に選ばれる努力を、どの企業も考えます。そのために新しい策を日々練っています。何かを考えたり実行する際に、アイデンティティは思考や発言、決断の最大幅となります。つまり、その企業がどの領域までをスコープに入れて戦おうとしているか、とも言えます。広ければ良いというわけではありませんが、広ければ市場も競合も広がります。
セブンイレブンは、コンビニとか関係なく「近くて便利」であればビジネス領域であるという広い発想がしやすくなります。近くて便利なら、喫茶店もファミレスも居酒屋もドーナツやも。みんなマーケットです。
前述した、セブンイレブンのコーヒーの話に戻ります。あくまで外野の僕にはですが、セブンは、”コーヒーを本丸とするカフェ”に対抗してるのに対して、ファミマ的には、”コンビニ競合のセブンイレブン”に対抗してるようにみえます。とすると、どっちが旨くなるかは言うまでもありません。
どちらの企業も絶対に優秀な人たちがたくさんいます。誰一人知り合いはいませんが断言できます。でも、たった数文字のCIが、それらの最高のブレーンを活用する際に、思考や発言、決断時に、実は尾を引いている。とは、言い過ぎのようで、言い過ぎじゃないような気がしてならないのです。
たかが10文字程度。されど10文字程度。言葉の力は強いですね。
ちなみに、僕は、ファミマによく行きます。むしろファミマのほうが多い。僕の日常の行動範囲においては「近くて便利」だから「あなたと、コンビに、」なんです。
以上、広告好きの私見でした。
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