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真面目ではいられない

昔から日常を描いたドラマが好きなのだが、なかでも「架空OL日記」(原作×脚本×主演バカリズム)が大好きだ。
このドラマは、バカリズムが2006年からOLになりきって架空の日常を綴ったブログ「架空升野日記」を映像化したもの。
銀行勤めのOLの私(バカリズム)、マキちゃん(夏帆)、小峰様(臼田あさ美)、サエちゃん(佐藤玲)、酒木さん(山田真歩)を中心に物語が進んでいく。

「架空OL日記」を観ていると、会社員時代の楽しかった記憶がリアルに蘇ってくる。
何回観てもつらかったことではなく、楽しかったことばかりが思い出されるのがうれしい。

例えば、仕事終わり、気の合う同僚と嫌いな上司の愚痴を(時に上司のものまねなどを交えながら)面白おかしく言い合い、涙が出るほど笑い、上司の話題に飽きたら最近ハマっているドラマや漫画の話で盛り上がる。
そして、帰る頃には幾らか元気になっている。
どこにでも転がっていそうなそんな日常が、この作品を通してみるととても愛おしい。
そして、わたしにもこんな日々があったなぁ…と懐かしい気持ちになり、みんなに会いたくなる。

ここだけの話(?)職場でのねちねちとした噂話や陰口、誰かを仲間はずれにするようなことは苦手だし、そういう人たちとは出来るだけ関わりたくないと思うのだが、冗談を交えながら(だけどピーーーーが入りそうな酷い言葉を使って)繰り広げられる愚痴は結構好きだったりする。
前者と比べて、じめっと感がなく、からっとしていて健康的。
後味の良さがポイントだ。
そんなわたしは、上司に理不尽なことで怒られるたびに「申し訳ございません」と謝りながら、心の中で「またみんなに話せるネタがひとつ増えた…!」とにやにやしていた。
早く報告しなければ!という使命感さえあった気がする。
同僚とおしゃべりする昼休みや帰り道があるから頑張れた。
大変なこともたくさんあったけど、同じくらい同僚たちに救われる毎日だったのだ。

会社を辞めてもうすぐ5年になる。
あの頃に戻って同じことをしたいか?と問われれば答えはノーだが、このドラマを観るたびにわたしの会社員時代も悪くなかったと心から思える。
過去は美化されると言うが、美化できる過去があるのは悪くない。
自分なりにがむしゃらに仕事した20代に悔いなし!


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