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蘇生



これはとある中年の自分探しの旅。
前編は下記参照願いたい。


フォロワーIと別れた私は若干眠たそうになっている街並みを横目に宿へ向かった。

若かったら確実にもう一件行っていただろう。
こんぴらさんに体力を奪われた私にはもう場を盛り上げる力は残っていない。


「旅行に来てハメ外しすぎんなよ」
こんぴらさんもそう言っている気がする。だから体力削ってきたのね。


そんなやりとりを頭でしながら、横一列に律儀に並ぶ高松ガールの客引きを丁寧にかわした。

とは言いつつも、客引きは無視する人が多いだろうが私はそんなこと出来ない。

「寒いのに大変ですね」

大人の余裕をかまし、颯爽と宿へ急いだ。膝だけが笑っていた。

いつの間にこんなに老いたのか…

繁華街近くに宿を取っていた。窓から漏れる喧騒とエアコンの音が妙に心地よかった。


大人になった気がした。


初老、朝の散歩を楽しむ



予定は午後から。
いてもたってもいられない。
ジジイは経験を欲している。ホテルなんかで寝てられるか。

朝からうどんを食いに行く。
開店時間に合わせて行くと常連さんがもう並んでいる。

手慣れた形で並んで注文している。
大丈夫だ、丸亀製麺で何度も練習した。

どうやら肉うどんが有名らしい。

「はい次の方!!」
「にに肉うどんハーフで!!!」
「あ?!」
「ははハーフで!!」

怖い。関西圏怖い。

綿谷の肉うどん。注文はもはや恐怖。

美味しい。
優しい味だ。
店員さんちょっと怖かったけど。


何故ハーフにしたのかというと、もう一件行きたかったからだ。
朝飯は一回なんて誰が決めた?勿体無い。

もう一件うどん屋を探した。

が、…ふと目に入った喫茶店。

こんなん入るじゃん

呼んでいる。1人で散策しててこんなノスタルジックな構え見過ごすわけないでしょう。

モーニングを注文する。

おにぎりみたいな食パン出てきた。
過去食った食パンの中で1番ふわふわだった。

おそらく一人旅で知らない喫茶店にふらっと入ったイキったおっさん、というシチュエーションだけでもう美味しいのだ。

尚これで税込み300円だった。

「は?」

とレジの姉ちゃんを詰めてしまった。

これで300円。レジの姉ちゃんを詰める。

値段設定バグっとんのか?
600円でも安いだろ。

ごちそうさまでした。


まだ時間はある。

もうヤドンに夢中

うどんとヤドンに全振りしてる。
かわいいよヤドン。

街並みはとても魅力的だった。ほとんどチェーン店はない。どこまでも続く商店街。高級ブランドと地場スーパーが並ぶ。街が活き活きしている。


四国に新幹線はない。もっと廃れていると思った。
しかし中心街だけで言ったら大都市圏にも引けを取らないと思う。

地方都市のお手本ではないだろうか。街歩きがこんなにワクワクする事があっただろうか。


褒めたので思わず高松駅もニッコリ
駅前はまた別の姿。シャレとる。



忘れてた。俺SUNBACO行くんだった。


楽しみすぎた。
メインの目的は猫山課長の御尊顔を拝むこと。

しかし
「ていうか本名で申し込みしてるしわかんなくね?」と、会場入りしてふと思う。

…静かにしていよう。こういう時に目立つのは良くない。


しかし静寂は一瞬にして崩れた。

「ねぎねぎさんいますか!!いたら手を上げてください!!」

…。

問題のフォロワーU(プライバシー以下略)

やめてくれ。怖い…関西圏怖い。

距離感とは何ぞや。

あんなにふるふるしながら手を挙げたことは後にも先にもないだろう。
顔真っ赤だ。

お陰で助かりました。俺、陰キャなんで。

前半戦はなかまこ氏今橋計貴氏による「ボンボニズム」という聞き慣れない単語の講演。

内容は語れないが、
「伝統のある地元の高校に進んだ結果、実はめちゃくちゃ営業で役に立ってる」

という自分の感覚は間違ってなかった。
尚、今の偏差値は関係ない。

あと残酷な現実はっちゃけすぎだろ。クソつまらんセミナーの10倍面白かったわ。


この後猫山課長の講演まで少し時間が。



何してたと思う?


モノポリーだ。

しかも長男と一歳しか違わない中学生とだ。

俺は高松まで来て中学生とモノポリーをしている。


銀行員舐めてんのか?
どれだけ修羅場潜って来てると思ってるんだ。

金融の厳しさ教えてやんよ。


もう差入出来る担保がない

……。

バチボコに負けた。
所有物件は全て抵当に入れて資金化した。それでもなお支払いが滞り、売却しても資金確保出来なかった。

気付いた。


これがSUNBACOだ。
年齢も職業も違う人達が集い意見できる環境。

こんなのイノベーションしか起きない。

プログラミングスクールの皮を被ったバケモノだ。

高松来なかったら中1とモノポリーなんて一生しなかった。



猫山課長登場


前置き長すぎてもうここから別の記事にしようかと思った。けどあまり焦らすのもよくない。

後半は猫山課長副サラ氏の講演。
これを聞きに来た。

自分は会社の看板外したらただのおじさん。何者でもない。自分の価値は会社に依存する。

その肩書きなく、大勢の前で堂々と話す猫山課長は眩しくて見えなかった。

みんな気付いている。
このままじゃヤバいんじゃないか。
焦りというノイズを現状の忙しさでかき消している。

ノイズは大きくなるばかり。
特に最初の緊急事態宣言の時はよく聞こえたものだ。

猫山課長はそのノイズを拡声器で広げている。
うるさい…耳を塞いでも聞こえてくる。

何かしなくては。何かしなくてはこのノイズは消えない。
だからこそTwitterを続けた。

そして高松まで来た。解を求めるために。

にこやかに始まったトークセッションであったが、眼光が違う。
俺じゃなきゃ見逃しちゃうね。

仮面の奥からハングリー精神のような、ある意味飢えに似たオーラが漂っている。

猫じゃねぇ、虎だ。

けれど話を聞いていると…自分が何者であるかを証明するために、あの人もまたもがいていたのだ。そして、しっかり泳ぎ始めた。

そう考えると俺はもう水死体だ。

誰か蘇生してくれ。


そのトークは私のAED

なぜSUNBACO界隈の人達は話が上手いのだろう。

先ほどまで水面に漂っていた水死体が息を吹き返した。
行動する勇気というAEDで心肺がまた動き出した気がした。

3人のトークの方が、パワースポットだったのでは?
来た甲斐あったよ。


ここから本番


トークセッションが終わり、懇親会へ。
俺の主戦場。

いやー、こんなに金融クラスタの皆さんにお会いできるとは思わなかった。
もうそれだけでも充分よ。

そしてビール瓶を右手に注がれるコップを左手に。
並べ。猫山課長へ。仕掛けたのは俺だ。

金融クラスタは全員ラベルを上にして注いでいた。
気持ちわる…

あと整列して見えなくなるまで見送りした。
最高だよ…


結果的にはほとんど喋れなかったが、いいんだ。

ぐへへ。名刺もらっちった。
HKKBにハッピーハッキングされる



どうせまた会う気がするんだ。




で、結局SUNBACOって何?


これは勝手な個人的な見解。
少しだけ真面目な話。

最初は怪しいオンラインサロンかなんかだと思ってましたごめんなさい。

一言で言えばプログラミングスクールなんだろうけど、違う。たぶん手段の一つに過ぎない。


地方創生の基地だ。


まち・ひと・しごとを全てカバーしている。
地方自治体とタッグを組み、
地方都市の中心部に職種や年齢を問わず人が学べる場を提供し、賑わいを生み、DX人材を育て、仕事を創出している。

そしてこの取り組みは間違いなくデジタル田園都市国家構想にも直接繋がっていくはずだ。

それを自然に達成できるようなサイクルを作り上げている。

だからこそ、金融クラスタと相性がいいのだと思う。特に地銀や信金。学ぶ事は多い。

ただのスクールじゃない。よな?


間違ってたらごめんなさい…



最後に

もし、自分が身バレとかしてなかったら…動きは変わっていたかもしれない。

答えは単純で、また1からやり直せばいいだけの話。

けど…俺はねぎねぎ、諦めの悪い男。 


こんな絶対的不利な状況を楽しんでいる。
アホすぎる。
普通はとっくにTwitterなんてやめてる。

答えなんて誰もわからない。
明日刺されるかもしれない。
いいよ緊張感あって。

だけどこのまま突き進んだら、
何か誰も掴んだことのない何かを掴めるんじゃないかと思っている。
真性のバカだ。

副業がしたいわけでも金を稼ぎたいわけでもない。
何がしたいのか。いや金は欲しいけど。
もっと色んな経験をさせてくれ。もがかせてくれ。まだ取り戻しきれてない。

高松に行って、日常に彩りが出た。
そして、その時の思い出を糧に、もう少し頑張れそうな気がする。

さぁ…今日も匿名性の狭間で、もがきながら生きよう。

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