解脱
1人で旅になんて行くこと会っただろうか。あぁそうだ、愛・地球博に1人で行って以来だ。
1人で飛行機に乗った記憶は…ない。社会人2年目で身を固めた自分には、圧倒的に「1人で行動する時間」が人より少なかった。
自分は何かを取り戻しに、旅に出た。
機会、動機、正当化
12月中旬。タイムラインがうるさい。何だよ高松高松って。気付いたらSUNBACOに俺のタイムラインを奪われた。タイムライン泥棒だ。
いやそもそもなんだよSUNBACOって。怪しすぎる。プログラミングスクールの範疇はとうに超えている。これが奴らのやり方か?
猫山課長がSUNBACO高松で講演をするらしいがそういう事か。…遠すぎる。四国なんて行ったことないし、そこまで交通費払ってまで行く価値あるのかよ。自分はあくまでも否定的。
そんな中、勝手にフォロワーが「ねぎさん高松行くってよ」と言い出す。ひでぇ。おれはいつもこのポジションだ。
結果何の意思表示もしてないのにSUNBACO界隈が盛り上がっている。「勝手にやめてくれよ…」自分は困惑した。
それは困惑の度を超え「これ逆に行かなかったら申し訳なくないか?」のレベルに達していた。やめてくれ。
そのフォロワーからも「高松行きましょうよ」から気付いたら「高松行きますよね」「高松行かないとかあり得ないですよね」に圧が日に日に強まっていく。
押し切られた。
めっぽう押しに弱い。周りの断れない感じの空気とフォロワーのゴリ押しに申し訳なくなってきた。
「それだけ言われたら、行かねえ方が失礼だよな。仕方ない。俺は悪くない。」
動機、機会、正当化。トライアングルは完成した。まぁフォロワーさんも一緒だしいいか。
嫁には「高松で大学時代のゼミのやつが結婚するんだけど結婚式には呼ばれてなくてでもせっかくだから皆んなで集まろうぜってなってゴニョゴニョ」
とよくわからん理由で首を縦に振らせた。
これは墓場まで持っていく。
そしてそのフォロワーJは奥様から認可が出ずに結果的に1人で行くハメになった。おい。
身バレ垢なりの悩み
言えなかった。
だって「アイツ仕事もろくにしないで高松行って何してんだよ」って直で言われるんだぜ?
勘弁してくれよ。常に監視されてるんだよ俺。
けれど腹決めてからはワクワクが止まらなかった。
初めての一人旅。
初めての1人飛行機。
初めての四国。
初めてのSUNBACO。
初めての猫山課長。
これはそう。おじさんの「はじめてのおつかい」なのだ。何が起きるかわからない。完全にコンフォートゾーンの外側。
高松行きを決めてから日常が変わった。あと何日だな…早く来ないかな。思考に輝きを与える。世界が急に彩りを持ち始めた。
言いたい…すごく誰かに言いたい。
Twitterを見るとちらほらいく人いるじゃん。
すぐにDMした。
さらにワクワクした。
もう正直前日ほぼ寝てない。
コンフォートゾーンを抜ける
フライトの2時間前には空港に着いていた。
落ち着かない。
ラウンジとか使っちゃう。ラウンジ童貞を卒業した。飲み物飲み放題なのか。
いよいよ飛行機に1人で乗り込む。
家族旅行では窓際はいつも子供。
こんなに地形が見えるのか?!山脈も、川の流れも、後背湿地も三角州も!!もう窓際しか乗れない。
…あと10往復はいけた。
飛行機って早い。
すぐ着いた。
ここがうどんの国。讃岐。
やたらヤドンばかりいたけどダジャレじゃないよね。まさか。
知らないことばかりだ。実際に行かなかったらこんな事知らなかった。
香川といえばどうしても行きたかったところがある。金刀比羅宮、「こんぴらさん」だ。
年明けから車ぶつけられたり散々で、どこかパワースポットに行きたかったのだ。
空港から琴平駅行きのヤドンバスに乗り、一路こんぴらさんへ。
パワースポットに行ける奴は、そもそもパワーある奴
舐めてた。舐めプですわ。
おかしいと思ってたんだよ、何故杖がこんなに置いてあるのか。そして大量の自販機も。
なんでだろ、と思いつつもとりあえず腹ごしらえしてから行こうと思って「こんぴらうどん」さんへ。
うまい。喉越しが良い。やっぱり讃岐は違う、と思いたかったが、丸亀ってやっぱりレベル高いよな…とも再認識出来た。
そこからは地獄だった。
登れども登れども本殿につかない。
あの杖借りときゃよかった。
真冬だけど汗が止まらない。
ふと思ったのだ。
パワースポットって、パワーのある奴じゃなきゃ辿り着かねぇ。
そして、消費した分のパワーをもらっているのでは?
この結論に達しただけでもこんぴらさんに来た甲斐はあった。
パワースポットでパワーの交換をしただけかもしれないが、間違いなく新しいパワーをもらえた気がする。
太ももパンパンだよ…
帰りの方がダメージデカい。
もう喉乾いたよ…
あ…そのために参道入口に大量の自販機があるのだと。
これこそマーケティング。
自販機に手が伸びそうだったが、
隣の露店でとんでもないアイスが売っていたのでそちらに手が伸びてしまった。
今まで食ったアイスの中で1番辛かった。
悲しみに暮れながら琴電に乗り、一路高松へ向かった。
商都、高松
琴電に揺られる事1時間(というか縦揺れ凄かった)。琴電瓦町駅に到着。琴電の3路線が集まる実質高松メイン先。
SUNBACOは駅ビルの10階…しっかり都会。
ちらっと見る。おおお…
一回見てからチェックイン。
疲れた。本当に疲れた。
こんぴらさんの階段と、そもそも荷物が重い。肩が限界。
思わずビジネスホテルの狭い部屋のベッドへダイブした。
贅沢。
何気ない1人の行動でも、全て贅沢で、新鮮なのだ。
あと薄々気付いた人もいるかもしれないが、実は前日入りしている。
ここからは同じく前日入りしている物好きなフォロワーIと合流した。
彼はとんでもなく出来る男だった。
何となく香川入りしてから気付いていたが、讃岐うどんと骨付鳥が有名らしい。
食べたい…骨付鳥。むしゃぶりたい…
と思ったら早速彼から提案があった。
さすがである。
しかし人気店。30分待ちのため、一旦違う居酒屋へ。
適当に入ってるのに何故かすごい当たりだった。刺身の厚さはおそらく一束分くらいある。
やはり港町だけある。海産物も新鮮でうまい。
正直もう目当ての骨付鳥はいいんじゃないかと思う。
しかしいい感じになってきたところで
非情にも連絡が。
我々は2軒目へ向かった。
…ルフィか?
まるまる一羽どーんという感じ。
非常にスパイシーでビールが進む。
むしろビールなかったら食えない。
ビールのために生まれた食べ物と言っても過言ではない。
これは正直うどんより衝撃だったかもしれない。
一緒におにぎりは注文すべき。タレを残すのはあまりにも勿体無い。この握り飯に全てを吸収させるのである。
大満足。
その後フォロワーIの地元の友人(もはやフォロワーでも何でもない)とカレーうどん食いながら高松の夜は更けて行ったのである…
あ?SUNBACOの話?
ごめん次回!書ききれない。