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わたしの上司


今の会社に勤めて1年が過ぎた。
隣りの席にはわたしの教育係兼ねている
A子さんという上司が座っている。

怒られたことは一度もない。
毎日、些細な仕事をした時でも
「ありがとうございます」
と言ってくれる。
人生を振り返ってもA子さんは
1番大好きな上司だ。



以前、勤めていた会社でも
大好きだった先輩Yさんがいた。

その人も今の上司と同じように
ミスをしても怒ることなく、
いつも笑顔だった。


でも、所属長の女性は真逆の人だった。
笑顔はなく、1日中態度が悪かった。
態度だけでなく
ここには書けないような言葉を
1日中自分より下の身分の人に対して、
吐き続けた。

わたしは彼女が発する言葉が
いつも許せなかった。

そして、自分がその言葉を浴びたとき
真に受けてしまい
所属長がトイレで席を外した瞬間、
涙を流すときもあった。


そんな時もYさんは
わたしの肩をポンポンと叩き、
「真に受けちゃだめだよ。大丈夫だよ。」
と、なぐさめてくれた。

初日からこんな状態ではあったが
Yさんがいてくれたから
すぐに辞めることは無く、独り立ちもして
その後、2人の後輩も育てることができた。



Yさんはどんな人にも笑顔を絶やすことなく
本当であれば他部署のミスである事案も
上手く解決する仕事もできる人だった。


ある日、人事異動があり、
Yさんは所属長に昇進した。

子供がまだ小さいのに
夜遅くまで仕事をするようになった。


そして、笑顔は消えて、
わたしや後輩たちに対して
1日中、怒るようになった。

今度はYさんの言葉に傷ついて
泣いてしまうようになった。
わたしの後輩はあの時の先輩のように
なぐさめてくれた。

その時に
「後輩になぐさめてもらうようじゃ
 もう、終わりだ」
と思い、会社を辞めた。



今の会社に入る前の顔合わせの時。
大好きなA子さんもその場にいた。

思えばその時からわたしの持っている
世間からは相手にされないような資格を
持っていることに対して、
「すごい、すごーい。」
と、褒めてくれていた。


そんなA子さんはとても真面目だった。
どんな仕事にも真剣で
難しいこともどんどんこなしていく。

あまりにも真剣なので
「笑顔にしたいな」
と思うわたしは
面白いことを言ってめちゃくちゃ笑わせたい
という気持ちが湧いてしまい、
1日1笑いを目標に提供し続けた。

A子さんはいつも笑顔になって
ときどきお腹を抱えて笑ってくれた。



そんな日々を過ごして1年が過ぎた。
そして、今日、気づいたことがある。


上司のほうが面白いことを言うようになってしまった


時事ネタを絡めた
ノリツッコミ

完璧すぎる。
わたしは今日の朝、
お腹を抱えて笑ってしまった。

ちょっとわたしを超えているかもしれない

実力の差さえ、感じる。
素晴らしいツッコミ。

この後、いいノリツッコミを上司からもらえるよう
ボケの仕込みを考えて、
今日は眠ろうと思う。



わたしの上司へ

今年は転職しないと決めております。
しばらくの間、お世話になります。

明日も笑いの面でも仕事でも
良いアシストができるよう
わたしは気魄一閃の精神で精進致します。

大好きです。


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あさのねぎこ|1000文字note
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