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奇系②’奇経治療

前回、奇経八脈の役割(別名)と流注を確認したので、

引き続き、
・奇経八脈がやられた時の症状
 (難経二十九難)
・その治療
 (八総穴・八脈交会穴)
について確認していく。


難経二十九難

奇経八脈の病証は、難経二十九難にざっくり書いてある。
なぜそんな症状が出るのか、各経脈の役割や流注と関連付けて覚えると良いかと。

任脈・督脈

【任脈】
 病むと、お腹とか生殖器系の症状が出る。
 ーWhyー
 骨盤小腔から体の前を上行し
 胞胎を主るから。
 ー症状ー
 ・ 腹部皮膚の痛み、痒み
 ㊚ 疝気
 ㊛ 帯下月経異常

【督脈】
 病むと、背中や頭、冷えによる症状が出る。
 ーWhyー
 小骨盤腔から体の後、頭部を上行し
 (つまり、肛門も経由…)
 陽気を総督するから。
 ー症状ー
 ・背骨のこわばり頭痛
 
心臓部痛足の冷えむくみ水腫
 ・遺尿不妊

衝脈

【衝脈】
 病むと、上から出たり下から出たりする。
 ーWhyー
 小骨盤腔から口まで上行して
 十二経脈の気血を調節するから。
 ー症状ー
 ・逆気(嘔吐・曖気など)
 ・下痢


陰蹻脈・陽蹻脈

【陰蹻脈】
 病むと、陰陽両方の症状が出る。
 (陰側強め)
 ーWhyー
 下肢の内外側で陰陽を調節するから。
 ー症状ー
 ・陽(後・外)が緩んで
 ・陰(前・内)がひきつる
【陽蹻脈】※ 陰蹻脈の逆って覚えればOK
 病むと、陰陽両方の症状が出る。
 (陽側強め)
 ーWhyー
 下肢の内外側で陰陽を調節するから
 ー症状ー
 ・陰(前・内)が緩んで
 ・陽(後・外)がひきつる


陰維脈・陽維脈

【陰維脈】
 病むと、体の深部(内臓)の症状が出る。
 ーWhyー
 裏と密な関係だから。
 ー症状ー
 ・心臓部痛

【陽維脈】
 病むと、表証的な症状が出る。
 ーWhyー
 表と密な関係だから。
 ー症状ー
 ・悪寒発熱


帯脈

【帯脈】
 病むと、お腹周りの症状が出る。
 ーWhyー
 腹部を一周するから。
 ー症状ー
 ・腹が張る
 ・腰が水中に座っているときのように
  冷えたりふわふわする

八総穴・八脈交会穴

八総穴・八脈交会穴は、
奇経八脈の診断点であり治療点でもある。
症状から、病んでいる経脈を想像して
該当するツボを押してみて反応があれば施術。

八総穴は手足セット、陰同士or陽同士のセットになっているので、組合せを覚える。

【葱的ポイント】
蹻脈は足維脈は手の対角線上にある
(照海ー申脈)(内関ー外関)
陽+陽(陽蹻ー督、陽維ー帯)
陰+陰(陰蹻ー任、陰維ー衝)
・ゴロ
 奇経を病んで
 今日は特に 痛いでしょう
(蹻ー督・任、維ー帯・衝)



奇経八脈の治療は即効性はあるけど、
持続性はいまいち…
実際に
八総穴+局所治療してみると
「その時は良かったけど…
     数日で戻っちゃった。」
と言われることも(;´・ω・)

八総穴で症状取れたとしても、弁証立てて
臓府も一緒に治療したほうが良いっぽい。

てことで、
基本の弁証についてはこちらを参照。


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