
「高山樗牛と近代日本」講演会@龍華寺
2024年12月21日。高山樗牛の墓所のある静岡県静岡市清水区龍華寺にて、第33回仏教と近代研究会が催され、「高山樗牛と近代日本」というテーマのもと、私も講演をしてまいりました。

打ち合わせの段階からご一緒したのは、碧海寿広、大澤絢子、平山昇、ブレニナ・ユリア、小二田誠二、木村悠之助の各氏。私は樗牛の話をひたすらするだけでしたが、近代仏教研究の中堅・若手のトップランナーの方々が集まって色んな角度からお話しする機会を得たのは、大変な幸運でした。
あらためて、企画いただいた関係の皆様、場所と設備とをご提供いただいた龍華寺様に御礼を申し上げます。
私は「高山樗牛伝の構想と課題」というお題で、少し詳しめに樗牛の年表を作って、樗牛の伝記上の課題について、思想史の研究とは異なりどういう点を意識しながら考えねばならないかというようなことをお話した上で、彼と日蓮主義との関わりについて触れてみました。
「樗牛、引越ししすぎじゃない?」という感想を後でいただけたりして、作った甲斐がありました。
時間制限のなかで、どこまで踏み込めるか迷ったんですが、最近考えていることのいくつかをお話しできたので、満足しています。たとえば、傲岸不遜な性格で、最初親しかった友人も距離を置くようになった高山が病気で性格が丸くなったと言われたことを考えると、もし彼があと10年生きていたら田中智学や姉崎正治と絶交していた可能性も樗牛研究者は考えなければならないのでは?というようなことが言えたので、よかったです。
(これは、親しい人が全集を作ったからその全集が信頼できるというわけではなく、その親しい人がどういう目で高山樗牛を見ていたかをやはり考えなければならないんだという私の持論と繋がっております)。
それを受けて平山さんたちが樗牛の思想と樗牛の影響を分けて議論してくださったのも大変ありがたかったです。
地元出身の大学のゼミの先輩が聴きにきてくださり、講演会終了後、静岡の「さわやか」でご飯をご一緒できたのもとても嬉しかったです。
みなさま、ありがとうございました。