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『メディア史研究』第54号(メディア史研究会編集、ゆまに書房発行)

自分が書いたものではないのですが、編集の委員をしているのでご紹介します。
2023年9月、『メディア史研究』54号が発行されました。

特集は「宗教とメディア」で、5本の特集論文(救世軍、日蓮主義、聖地ツーリズム、文化放送、イスラームとメディア)のほか3本の論文と1本の研究ノート、2本の書評が載っています。

なお個人的に、ブレニナ・ユリアさんの「明治後期における青年たちの日蓮鑽仰と活字メディアー日蓮遺文・高山樗牛・雑誌に着目してー」は、日蓮遺文の「インフルエンサー」として高山樗牛を位置づけるもので、樗牛の思想の受容史としても重要なものかと思います。

この論文、図版が面白いのですが、34頁の図5などは、『宗門之維新』と『樗牛全集』の4巻と5巻だけ机上に置いてあって、やっぱりみんな樗牛の好きなところだけしか見ていない(全集があっても1巻から5巻まで通して読むのではなくて、読みたい巻だけ読んでいる読者が圧倒的な多数派だったことが、その後の樗牛研究の方向性を割と規定した)という仮説を院生の頃から持っていたのですが、やっぱりそうだったんだ、と思いました。

このところ図書館のことに集中していたので、高山樗牛研究も進めて行きたいと思います。

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