留学生におすすめな日本史図説
学習まんがの話を書いたので、もう一つ、授業で特に留学生に勧めている高校学習参考書の日本史図説について。
代表的なものだと帝国書院の『図説日本史通覧』か山川出版社の『詳説日本史図録』だろうか。
どっちがよいかは甲乙つけがたいが、好みだろう。
これらの図説の良い点を挙げる。
カラーである。
当たり前だが、図版が豊富である。
年表が付いている。
語句索引が付いているので、留学生がわからない単語を五十音順で引ける。
難しい語句を概念図にしてくれている場合がある。
などなどである。情報が集約されているので、知らない単語を、しかも日本史の知識が十分でない留学生が闇雲にネットで検索して間違った説明を引用するよりはるかに密度の濃い情報が載っている。
そしてこれが最重要なのだが、だいたい値段が1,000円以下に設定されている。正直、破格のコストパフォーマンスを発揮するといっていい。漫画の説明も大概わかりやすいが、日本地理が頭に入っていない留学生が旧国名を聞いて理解できず、補足説明で現在の●●県と言われても理解できないことはありえる。そういうときに地図がある図説は、しかも日本の高校生が理解できるように作ってあるわけだから、留学生には最強の味方になりえる。
それ以外でも高校の日本史は苦手だったが学び直したいという人に、私は漫画と図説の併用はかなり勧めたいと思っている。
ただ、個人の見解だが、用語集はちょっと微妙である。大学生があえて買うなら、ちょっと高くてもハンディなサイズの専門の辞書を買った方がいい、と思っている。私は角川の日本史辞典を愛用していた。
理由は、用語集は確かに説明が簡潔なのだが、簡潔過ぎて、レポートの典拠にするには明らかに不十分だから。インターネット上のWikipediaやコトバンクの方が詳しいし、大学生のレポートでは、引用することでむしろ評点が低くなるおそれがある。そうすると大学の授業対策で日本史用語集を買うのはかえってコスパが悪いことになる。
そうであれば、授業のレポートであれば、人名や歴史用語を調べる際に図書館で辞書を引くのがいいし、日本史のゼミに所属するとかで専門課程に進むまで進むというなら、自分の手元に日本史事典を置いておく方が良いと思う。
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