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『青山学院 近現代史研究』1号
いただきもの。
青山学院大学は学校史編纂を進めており、2021年には学院史研究所が開設され、これを記念するシンポジウムを開催していた。
今回のジャーナルも、学院史研究所の発足を機に、従来の『青山学院150年史編纂報告』を解題し、近現代史の研究論文と史料紹介をあわせたジャーナルとして発行されたものだそうである。充実した論文と史料紹介に圧倒された。
佐藤大悟「明治前期東京の官有地の形成と払下げ」
小林和幸「明治中期の日本社会とキリスト教主義学校」
日向玲理「大正期におけるキリスト教主義学校の女子教育」
のほか
史料紹介「「青山女学院日誌」明治三八年~昭和一一年」
を収める。
授業でも訓令第十二号のことにはしばしば言及していていて、これでキリスト教系の学校はとても打撃を受けたのだという通り一遍の説明で終らせてしまっていたのだが、小林先生の論文では、その運用方針が実はかなり柔軟であったことを知り、驚いた。
また、日向論文では、被災地の支援と女子教育が継続的に行われていることが、キリスト教教育の実践と日本社会への定着に効果があると認識されていたことが改めて感じ取れた。
史料紹介の日誌の翻刻も興味深かった運動会で飛ばした風船が、なんと筑波郡まで届いていて地元の人から返事がきた話があったという。二・二六事件の時のことも少し書かれていた。