無敗同士の激戦を制したNAGAREYAMA F.C.が2部リーグ優勝&1部昇格を手に。
9月10日、千葉県社会人サッカーリーグ2部 グループ1、最終節となる第9節が開催されました。
この試合にあたってのNAGAREYAMA F.C.が置かれた状況については試合前の前回の記事にまとめていますので、よろしければご覧下さい。
会場は船橋市にあるタカスポ…高瀬下水処理場上部運動広場。この会場、素晴らしいです!施設の屋上部分が人工芝のサッカーコートになっていて。フルコートで1面に加えて、アップもできる広々としたエリアもあり。更には、照明施設あり、管理棟(そして綺麗なトイレ←重要!)あり、ゴール裏に屋根付きの観客席まであるという充実ぶり。駐車場も広く駅からのアクセスも悪くない。施設の屋上をこういう形で活用できるなんて…本当に素晴らしい。集まったサポ仲間がみんな口々に「こういう施設が流山市にも欲しい…!」とぼやいていました(笑)
この試合のNAGAREYAMA F.C.のスカッドはこちら。
センターバックに#9橋本 真吾選手が復帰。前節、センターバックを務めた#5平久 竜土選手は右サイドバックへ。竜土選手、右のサイドバックでの出場は公式戦では初ですね。
右のFWには#3牧野 純己選手が入り、前節は右FWだった#16今山 育己選手は今節は左サイドバックに入りました。
中盤では、体調を崩していた#11山口 賢人選手がついに復帰!個でも局面を打開できる山口選手の復帰はNAGAREYAMA F.C.にとっては大きなプラス材料ですね!
参考までに、公式発表のスターターだと上記の並びがデフォルトかと思いますが、現地で観た感じだと下のような配置だったように見えました。
#22寺内 大登選手がより高い位置に立ち、#13板倉 航希選手と2トップとなる4-4-2のような形。船橋FCさんの要注意選手とマッチアップする右サイドは#5平久 竜土選手を入れて守備を固くし、その分、左は今山選手が攻撃参加しやすいよう、寺内選手は外に張らずに中に絞ってレーンを開けていたのかもしれないですね。推測ですが。
13時15分、まだ夏の残る強い日差しが照り付ける中で、キックオフ。
優勝及び昇格を掛けて、お互いに負けられない一戦。慎重な立ち上がりになるかと思いきや、開始直後からお互いに球際がかなり激しく、バチバチとやりあう展開になりました。
船橋FCさんはGKを使いながらしっかりと自陣からボールをつないでビルドアップしていくスタイル。ボールを受けにおりてきた選手を使いながら、ワンタッチでパスをつないで前進を図りますが、NAGAREYAMA F.C.は前から厳しくプレッシャーをかけ、その前進を阻みます。キックオフから勢いを持って入ったNAGAREYAMA F.C.が、序盤は優勢のように見えました。
前半5分、#22寺内 大登選手のスルーパスに#11山口 賢人選手が二列目から飛び出してシュートを放ちますが、惜しくも枠の外へ。
前半6分、#14高木 一希選手の裏への浮き球パスに#13板倉 航希選手が飛び込みますが、惜しくも合わず。
前半10分、#11山口 賢人選手のスルーパスに#16今山 育己選手が抜け出し、角度のないところではありましたがGKとの1対1でシュートを放つも、GKがセーブ。
NAGAREYAMA F.C.は序盤に何度かチャンスは作ったものの、ゴールネットは揺らせず。次第に船橋FCさんの方がNAGAREYAMA F.C.のプレッシャーに慣れてきたのか、NAGAREYAMA F.C.の守備の網をかいくぐりながらパスをつないで押し返す時間が増えていきました。引き分けでは自力優勝が消滅してしまうNAGAREYAMA F.C.としては早い時間でゴールを奪って試合を優位に進めたいところでしたが、スコアは動かぬまま、中盤戦へ。
得点が欲しいのになかなか決定機が作れない…NAGAREYAMA F.C.にとってやきもきする流れ。この流れを一変させたのは、#11山口 賢人選手でした。
前半24分、自身が獲得したゴール前でのフリーキック。山口選手の右足から放たれたボールは、美しい放物線を描いてゴール左上隅に吸い込まれるゴラッソ!山口選手の芸術的なフリーキックで、NAGAREYAMA F.C.が待望の先制点をものにしました。
先制点の勢いのままにリードを広げたいNAGAREYAMA F.C.でしたが、前半終盤の主導権は船橋FCさんへ。ワンタッチで素早く正確にパスをつなぐ船橋FCさんを捕まえきれずに中盤を制圧される時間が長くなり、思うように前進できない時間が続きました。これまでのリーグ戦、NAGAREYAMA F.C.がボールを保持する展開が多かっただけに、ここまでボールを持たせてもらえない展開は初めてでしたね。
それでも、NAGAREYAMA F.C.は#4平久 将土選手と#9橋本 真吾選手の両センターバックを中心に集中した守りで決定的なチャンスは作らせず。逆にボールを奪うと縦に速い攻めで何度かチャンスは作るのですが、お互いに得点は奪えず、前半は1-0とNAGAREYAMA F.C.が1点リードで折り返します。
そして後半開始早々、思わぬ形で試合が動きました。
後半5分、船橋FCさんのクロスボールがそのままゴールに吸い込まれ、まさかの形で失点。ゲームは1-1と振り出しに戻ります。NAGAREYAMA F.C.が一瞬ルーズになった瞬間からの流れで、一度は#4平久 将土選手がクロスを何とか頭に当てて凌いだものの、更にそのボールをつながれてからの失点でした。アンラッキーな部分もあるとは言え、人数を掛けて丁寧につないだ船橋FCさんの気持ちから生まれたゴールでした。
失点直後の後半7分に、NAGAREYAMA F.C.は選手交代。#10小野 敬輔選手に代わり、#6山室 伊ノ介選手がIN。この辺りから、寺内選手が左に張ったいつもの形に戻ったような。ゴール前に飛び出していける山室選手を投入し、ゴールを狙いに行きます。
試合はその後、お互いに一進一退の展開。9月とは言え30度を超す暑い中での試合ということもあり、お互いに徐々に運動量が落ちていき。そんな中でも、船橋FCさんのボールホルダーへの寄せは全く緩まず、この時間でも非常にタイトで。NAGAREYAMA F.C.の選手はなかなか中盤で自由を与えてもらえず、いつものように丁寧に幅を取ったボール回しが出来ず、苦しめられました。時折、裏抜けからチャンスは作るものの、決定的なチャンスには繋げられず。じりじりした展開のまま、時だけが過ぎていきました。
お互いに決定的なチャンスが作れないまま時間は過ぎ、時計は後半35分に。試合の残り時間は、5分。引き分けであれば、最終節勝利で自力優勝の可能性を残せる船橋FCさんは、この時間帯から、このまま引き分けでのゲームクローズへシフト。無理に得点を狙わず、しっかりと自陣の守りを固めて時計を進めるプレーが増えました。
NAGAREYAMA F.C.にとっては、壁の上にある優勝&昇格にわずかに指の先だけが引っ掛かっているような状況。そんな中でも、選手たちは最後まであきらめずにどこかに突破口が無いか、何かできないかを必死で模索し続け。
そんなあきらめない気持ちが実り、船橋FCさんが描いたシナリオを最後の最後で突き崩しなのは、やはりこの選手でした。
後半37分、#22寺内 大登選手からのパスをエリア内で受けた#13板倉 航希選手。小さく右に持ち出してから放ったシュートは、きれいな軌道でゴールネットを揺らしました。待望の、待望の勝ち越しゴール。揺れるゴールネット。そして次の瞬間に弾けた選手たちの歓喜と、ゴール裏に集まったファン、サポーターの大歓声。最高のシチュエーションで生まれた、エースストライカーの最高のゴール。このゴールで、NAGAREYAMA F.C.が2-1と勝ち越しに成功すると、このリードを守り切り、そのまま試合は終了。
終了間際の劇的な得点で勝利したNAGAREYAMA F.C.が9連勝、無敗でリーグを終え、千葉県社会人リーグ2部 グループ1の優勝、そしてリーグ1部への昇格を決めました!
結果的にですが、試合の潮目を大きく変えたのは、後半35分、船橋FCさんが引き分けでのクローズを狙ったあたりだったのかな、と思いました。それまでは「引きすぎず、中盤から先では厳しく当たりボールを奪う」という前に向いていた意識が、あの時間からは「ゴール前を固める」という後ろに向いた意識に変わったように感じました。センターバックの選手が足をつって交代になった影響もあると思いますが、あの時間帯だけ、ゴール前にブロックを作る意識が強くなり、結果として、この試合でずっとNAGAREYAMA F.C.が苦しめられてきたボールホルダーへの強く速い寄せが弱まったような。
このちょっとした意識の変化が、NAGAREYAMA F.C.に余裕を持ったボール回しを可能にさせた。今年1年、引いて守りを固めるチームを相手にすることが多かったので、NAGAREYAMA F.C.にとっては守りを固める相手に対峙するこの状況は「いつも」の形。やりなれた形だからこそ、チームとして連動したゴールまでの道筋が描ける。最後の瞬間まで雑にならず、丁寧にパスをつないで、エースにエリア内で仕事をする時間とスペースを作ることが出来たのではないか。そう感じました。
いずれにせよ、最後の最後まであきらめず、雑にならずにしっかりと自分たちの攻撃を貫き続けたからこそ、生むことができた最高のゴール。僅かなチャンスをしっかりとゴールに結びつけた選手、監督。本当に素晴らしかったです!
船橋FCさんは、本当に強かった…。チームとしてやろうとしているサッカーのコンセプトがしっかり共有されていて、それを実現できるだけのスキルが個々の選手にある。ここまで後手に回らされたNAGAREYAMA F.C.を観るのは初めてでした。
そして、船橋FCさん、ピッチ外ではものすごくフレンドリーで紳士的なチームだったんです。試合前後にすれ違った際、我々NAGAREYAMA F.C.のファン、サポーターに対しても「宜しくお願いします!」「お疲れさまでした!」とにこやかに挨拶してくれて。試合終了後、心情的に難しいはずなのに、そんなことはおくびにも出さずに皆さん本当に紳士的に応対してくれました。これ、ものすごいことだと思います。我々も、そう在りたい。
船橋FCさん、最高の試合をありがとうございました!!
この勝利により、NAGAREYAMA F.C.は9戦9勝無敗、勝ち点27という完璧な成績で千葉県社会人サッカーリーグ2部 グループ1の全日程を終了。見事に優勝を決め、1部リーグへの昇格を決めました!
試合終了後は、集まったファン、サポーターと共に喜びを爆発させる選手たち。そして当然、同じく喜びを爆発させるファン、サポーター!
昨年はコロナ禍で無観客試合だったので、こうやってみんなで一緒に喜びを分かち合えるのは初めての経験。最高の瞬間でした。
この日、タカスポに集まってくれたファン、サポーターの皆さんは、120名以上。これ程多くの方が集まってくれるとは思わなかったので、素直に驚きました。今日の苦しい試合、最後の最後まで勝利を目指して走り続けた選手たちの背中には、間違いなく皆さんの存在が与えた追い風が吹いていたはずです。
This is 流山魂!
This is NAGAREYAMA F.C.!
本当に、ありがとうございました!!
優勝、昇格の歓喜の余韻が残る中ではありますが…実は9月24日にはもう次の試合…リバーサイドリーグ 第4節が予定されています。
そう、既に来年の1部リーグでの戦いに向けた準備期間は始まっているんです!リバーサイドリーグは公式戦なので結果には当然こだわりますが、公式戦だからこそ、重要な準備の場にもなります。船橋FCさんの背中を蹴って昇格を決めた以上は、来年は1部リーグでふがいない戦いを見せることは絶対に許されないことだと思います。しっかり準備をして、もっともっと強くなっていかなければいけないですね!
そしてそのためには、今日、タカスポに集まってくれた120名以上の皆様、そして現地には来られなくとも、配信で、あるいは試合結果を気にしてくれている皆様の力が絶対に必要になります!
9月24日の会場は、利根川ゆうゆう公園。もはや勝手知ったる会場です(笑)
今日の試合が楽しかった!また観たいと思ってくれた方!今度は利根川ゆうゆう公園で、一緒に選手にエールを送りましょう!!
今週は以上になります!最後までお読み頂き、ありがとうございました!
…と、ここまでは何とか自分なりに理性を保って綺麗にまとめたつもりなんですが…正直なところ、あまりにも劇的で感動的な試合だったこともあり、感情を揺さぶられすぎて、全く考えがまとまりません(笑)
書き足りないことが、山ほどあるんです!!
試合前、恐らくコイントスでサイドの交換があったように見えたのですが、どちらが選択したのか気になる…という細かいところから、ずっとピッチサイドで声を張り続け、チャンスを逃した時には地面をたたいて悔しがっていた錦見選手の姿とか、アツくなった山口選手と相手選手の間に入って穏やかに仲裁していたのがいつも明るく元気な髙木選手だったとか、相手のCKで誰をマークするのか細部まで声掛けして徹底していた竜土選手が、勝ち越しゴールの瞬間には嬉しすぎてベンチからピッチにまで入り込んでしまっていたアツさとか。もう語りつくせないほど、嬉しかったこと、感動したこと、驚いたこと…様々なドラマがありました。
そんな中でも、自分が何よりも強く感じているのは、NAGAREYAMA F.C.が在ってくれて良かった、NAGAREYAMA F.C.のサポーターをしていて良かった、ということなんです。
言ってしまえば、カテゴリーなんて関係ないんです。自分にとっては、NAGAREYAMA F.C.の全ての選手、スタッフが家族であり、ヒーロー&ヒロインなんです。そして#10小野選手は最推し!(なのにこの試合では興奮しすぎて小野選手のゲーフラを掲げる機を逃すという失態…)
まぁ、いまだに選手と話すときは緊張してろくに話しかけられない小心者なんですが!
だから、今日の試合、いつも盛り上がっている我々だけでなく、120名もの人がわざわざ船橋まで足を運んで集まって来てくれたことが、本当に嬉しかったんです!こんなに皆に応援してもらえるようになったんだ、という、勝手に親になったような気持ち。
今日の試合に出た選手、出られなかった選手、選手以上にアツくて涙もろい大坪コーチ、試合に帯同していつも選手の怪我のケアをしてくれる高山トレーナー、どの試合にも必ずと言っていいほど帯同してくれて裏方で汗をかいてくれる赤津マネ、このアツい試合の後で別試合の審判を務めるという大役までこなしてくれていた坂田マネ、シャーレを作ってくれたり素晴らしい写真を撮ってくれたり役割を超えて裏で本当に決め細やかにサポートをしてくれている上野公認広報。
そして何足ものわらじを履きながら本当に多くの人を巻き込んでこのクラブを創ってくれている安芸代表ご家族!
そしてこの日のタカスポの雰囲気を創ってくれた120名のファン、サポーター!
みんな、みんな、最高です!!!
NAGAREYAMA F.C.のサポーターで、良かった!!!!!
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