韻とフロウの制約
突然ですが、皆さんは韻とフロウについて考えていますか?
少し韻とフロウの関係性について考えてみたので、皆さんに共有して意見を広げたり、意見を貰ったりしてみたいです。
韻の置き場とフロウ
まず、フロウは韻の置き場所によってある程度定まってきます。 どういうことか。
韻は音の繰り返し的な心地よさがあります。 つまり 「韻はパーカッションのような役割を担うことができる」 と考えることができそうです。
オフビート的な乗り方ならまだしも、ビートに乗るなら多少はDrumsの位置を考慮してフロウを考えますよね? 韻もDrumsの一種だと捉えると、韻はリリックのみならずフロウをも制約する要素であると言えそうです。
必ず気持ちの良いタイミングで韻を踏む必要があり、そのタイミングまでの猶予期間に歌い方を工夫する……という流れがラップの中にはある気がします。
つまり、基本的には韻の制約に縛られつつも、制約に縛られていない自由期間に独自性を持った歌い方をするのがフロウであると思っています。 正しい定義はさておき。
フロウを重視する方法
フロウを重視した楽曲を作りたいこと、あると思います。 そうした場合、理屈は単純で、韻の制約を少なくすればよいのです。
つまり、多量の韻を用いたリリック構成にしないということ、または複雑な韻の踏み方をしないということです。
具体的には、技法を絞ります。頭韻のみにするとか、脚韻のみにするとか、ごくシンプルなリリック構成にすること。
そうすると韻に縛られていない自由期間を多く確保することができ、その期間内に独自性のあるフロウを披露することができるわけです。
韻を減らすことの欠点
韻を減らすことは、グルーヴ感を減らすことと同じです。
いや、雑に言いました。 正しくは、グルーヴ感を維持することが難しくなります。
グルーヴという言葉は明確な定義が揺れているそうですが、ここではノリ、リズムのようなものとさせてください。
先ほども言いましたが、韻はパーカッションのような役割を担います。 つまり、韻を減らすということはリズムを減らすということです。
韻の利点はまさにそこにあり、韻を配置することで歌い方に一定のリズムをもたらします。 アクセントを置きやすくなったり、ビートとの一体感を得ることができたり。 単に制約といってもフロウを縛るだけのものではなく、明確に利点もあります。
この考え方を念頭に置くと、グルーヴ感を持ったフロウを実現するためにはバランスよく韻を配置する必要があるということです。
もちろん、韻を踏まずともグルーヴ感は生み出せるかもしれませんが、我々はもう心地良いタイミングで母音が合っているという麻薬の味を知っています。 ラップをする上で、韻はラップのグルーヴ感を維持する上で必要最低限の構成要素だと言えそうです。
韻に向けてフロウする
韻の上でフロウをすることはできないのか……? と思われるかもしれませんが、もちろんできます。 しかし、いくつか制約が発生します。
韻に対するフロウ的なアプローチは以下のようになるかと思います。
母音を崩す
母音を省略する
促音や撥音を省略する
促音を付け足す
母音を伸ばす
あれ?と思った方、そうです。 上記のアプローチはリズムに関するものばかりで、メロディーに関するものがありません。 どういうことか。
韻は繰り返し要素なので、メロディーも同一のものでなければ繰り返し感が弱まってしまいます。 メロディーに関しては制約が発生するのです。
その制約とは、グルーヴ感を維持するために一番最初に出す韻の持つメロディーを継承しなければならないということです。
まとめ
このように、韻はリリックの書き方だけではなく、フロウに対しても制約を課すラップの面白い要素であると思います。
以上のことは、あくまで自分個人の考えです。 ラップに定められた普遍のルールというわけではないかもしれません。 深夜のノリで書いたので、あくまで参考程度に……ということで。
この理屈に囚われずグルーヴ感を維持しているラップがあればぜひ教えてください。 研究したいです。
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