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セレポカレンダー 2024
去年に引き続きセレポのカレンダーを注文しました。
さっそく到着し、改めてシャニマスの美しく物語性のある絵を大きな紙のうえで見る楽しさを堪能しておりました。
しかし、やはり見るだけでなく悩み苦しむ過程もまた大きな楽しみでありまして、今年も長い懊悩の内実を、その成果物の紹介を通じて話していきたいと思います。
あらかじめ目次として各月に選んだカードを記載しておきます。
場合によりコミュに触れることもありますので、ネタバレについては各々で自衛をお願いします。
1月 摩美々【フィドル・ファドル】
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一応、カードそのもの時期としてはイルミネーションが目立つ季節で、クリスマスにからめて12月が想定されていそうな一枚です。
年明けとしての意味合いを持たせるならもっと「始まり」なイメージの絵を持ってくるのが穏当ですが、僕にとって今年の1月は例外的な状況にあるので、例年ならばとらない択がかえって妥当性を帯びてきます。
例外的な状況とは1月中旬で退職が決まっているということで、普段なら年末に感じるであろう終わりの雰囲気は今年に限り1月まで延期されています。新しい職場は2月からなので1月後半は完全フリーで、現職場にはもう嫌気が差しているというのもあって、1月は終わりどころか解放として待ち遠しい月になります。
そこで入れるのが寒空の下で待っているこの摩美々です。
一仕事終えたプロデューサーを待っている摩美々に、頑張った自分を待ってくれているその時を重ねてみました。
以上は極めて個人的な事情を反映させたものではありますが、なんと個人的に作っているカレンダーなのでどれだけ自分都合にしても問題ないどころか、それによって真価を発揮するとさえ言えるのですね(これ去年も言った気がします)
ところで、ちょっと余談なんですが、僕はわりと「待つ」という行為が面白いなと思っていて、受動的でも能動的でもある(あるいはどちらとも言えない)ところにちょっとした特殊性を感じています。具体的にどの行為が「待つ」の中身なのかと言われても明確に指示することが難しく、心の持ちようのようでもあるけれど、やはり行為でもあるような、よくよく考えると捉えがたい概念です。
さらに「誰かが待ってくれている」ともなるといよいよ何が起きているのか難しくなります。例えば、ここで待っているのは摩美々(解放の日・その後のお楽しみ)ではありますが、自分としても待ち遠しく思っていますので、自分を待っている存在のことを自分の方でも待っているという双方向性があり、しかもどちらの側も相手に何かを働きかけているわけではありません。この不明瞭な時間が、しかし確実にあたたかく、人間の営み(ひいては関係性)には豊かな奥行きがあることを思わせてくれます。
2月 透 【かっとばし党の長い夏】
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夏とタイトルにあるくらいめっちゃ夏の絵を2月に入れること、それが許されるのがセレポカレンダーです。
自分の魂が2月と言えばどんなものでも2月になるのですね。
さて、それでは僕の魂が何をもってこれを2月とみなしたかという話です。そんなもの究極的にはなんとなくとしか言えないのですが、夏の暑さをノクチルらしく躱して自由奔放に、季節感を含め彼女らを取りまく何もかもをそっちのけにして自分たちのストーリーを紡いでいるところから、あえて季節性を度外視してしまってもいいような力をこのイラストから感じとったのかもしれません。
上述のように今年の2月に限れば新しい環境に突入するタイミングになりますので、始まりにふさわしい一枚を選ぶのに苦心しました。たとえば【春日影、さんならび】という梅の花やウグイスに囲まれてイルミネが巫女服を着ているイラストは、2月らしさと年始の初詣っぽい雰囲気にもひっかけられるため、今年の2月にだけ完璧にはまり、唯一無二の好機でした。
これを押してなお【かっとばし党の長い夏】を選んだのは、2月の入社が単なる始まりとも言いにくいところに理由があります。これから長くいる予定の未経験の業界に入るかたちになるので、2月の枠には何か心がまえを宣言できるものを置いておきたかったという思いがあります。
では、何をこのイラストおよびコミュから引き出したのか。というのを言葉にするのも、最終的に直感にしたがって決めたことなのでなかなか難しいのですが、簡単にでも述べてみようと思います。
何より目立つ「徐行」の二文字が主張するように、気張りすぎないことを心に刻もうと考えました。
現職は正社員になる前からの付き合いではあるものの正社員になってからは1年経たず辞めることになります(当初からその予定でした)。これに対して、次の職場には腰を据えていくつもりなので、やる気に満ち溢れて入社するよりは、先々まで必要になっていくことを後からやり直さなくていいように、焦らず一つ一つのことに取り組んでいきたいという考えを持っています。先はまだまだ長いのだから「ゆっくりいけー」という透の声を近くで聞けるように、飾ることにした……といったところです。
言うなれば、座右の銘みたいな意味合いでの起用です。
3月 【青風、駆けていく】
![](https://assets.st-note.com/img/1703743468447-Nf8hAUVlsg.png?width=1200)
3月は年の中途というよりも年度の終わりとして節目のイメージが強いです。最近まで学生をしていたせいか、それとも春という季節がどうしても新しい年に切り替わりとして君臨するのか、3月には「始まりを予感させる終わり」というニュアンスがあります。12月はどちらかというと「終わり」の意味を強く帯び、1月との断絶を思わせるのに対し、3月は4月への連続性をもった終わりという感じがします。視線を過去の方へと向けながら歩みは未来へ進んでいるといったところでしょうか。
この印象に【青風、駆けていく】のイラストがちょうどはまります。イルミネのみんなが足並みそろえてにこやかに前へと進んでいく姿は、イベコミュを援用すれば、何もしなくても自然と成り立っているものではなくらこれまでの蓄積の上にある「ずっと一緒」の実現だと言えます。希望をもってひたすら未来へ進む姿であるにもかかわらず、過去へのまなざしをそこに見出せる稀有な一枚が3月の季節感にはとてもうまく適合します。
実を言うと、全部決めた後でようやくイベコミュを再読したのですが、これに賭けてよかったなと思える読後感でした。最初に見たときにはあまりしっくりきていなかったのですが、たとえば『はこぶものたち』で得た見方を自分の思考に組み込んで今につなげているなと思ったりして、静かな感動の絶えないストーリーでした。
4月 霧子【奏・奏・綺・羅】
![](https://assets.st-note.com/img/1704081222721-kYazAQlh9x.png?width=1200)
4月にはやはり何か期待めいたものを込めたくて頭を悩ませました。特にシャニマスのアニバーサリーということもありますから、シャニマスの看板を掲げてもらいながら新たな周期の抱負ともなるような一枚を選ぶ方針でした。
去年はいかにも真乃って感じの【花風smily】を選んでおり、完璧な采配だったのですが、今年も同じ手を使うことには抵抗があります。変わり続ける日々を変わらず生きていくための努力を欠かさないアイドルたちに託す自分が、去年の工夫を使い回すことのは違うだろうという思いがありました。
そこでこのイラストです。「真乃には託したくなるけれども、霧子は信じたくなる。そしてそのどちらもがシャニマスである」そういう信念から今回はまた別の角度からのシャニマスに4月を代表してもらいました。
自分らしく存分に輝くことにフォーカスした去年のソロイラストと、今は親密ではないが他人でもないくらいの間柄の他者とともにある今年のイラストは、他人にも手を伸ばせるようになったというよりは、それぞれ別の次元の話であると思っていて、去年からの変化を不用意に進歩と言わなくて済む安心感も少しだけあります。
ところで、イラストの場面は霧子とにちかが一緒にいるところで、コミュ中のセリフも印象深いカードではありますが、一つ目のコミュも実はかなり大好きで選抜の理由に噛んできます。
内容としてはランニングする樹里ちゃんと一人練習をする霧子とがほんの少し交錯して、また各々の続きへと戻っていくというものです。一人一人が自分の思う通りに進んだ先で同じように自分の道を進む者と交錯し、きっと再び会うだろうと思わせてくれるのがなんか素敵で、思うように人生を進もうという自分の背中を押してくれるような、気持ちに寄り添ってくれるような、そんなよさがあります。
幾何学における直線同士とは違って、人の道はまっすぐ進んだとしても一度交わった誰かの道ともう一度交わることがあるわけで、複雑な人生を複雑なまま描いてきたシャニマスならではの励ましを受け取っています。
5月 透【つづく、】
![](https://assets.st-note.com/img/1704081269867-KlzYDjj28S.png?width=1200)
実は去年も5月に【つづく、】を採用していました。今年は思い出アピールの方を選んだ違いがあります。
カレンダー選び2年目ともなると独特な苦労があります。去年完璧を叩き出してしまったのに、今年も完璧にしなくてはならず、しかも去年と同じではいけないという縛りが自分に課されるのですね。その逆境が生み出した逆転の発想が去年のカレンダーに対応させるというものでした。
なんとなくの雰囲気で去年が表で今年が裏のつもりです。2023年はプライベートの方であまりにも変化が大きかったので、2024年にも同じ水準を求めるのは劇的すぎます。穏やかに、しかしより充実した毎日を紡いでいくことを目指すことは決して停滞ではありませんので、去年との対比によって今年の抱負を掲げることにいたしました。
ついでに言えば、この透はビルの上に立っていますが、今度の職場がめちゃめちゃな高層ビルにあるので、いかにもな人工物のうえで息苦しさの対極のように爽やかに佇む透に、その頃の自分は何を思うのかという問いかけになっていたりもします。
6月 甜花【楽園に背く】
![](https://assets.st-note.com/img/1704081312683-h1WuAUwvGE.png?width=1200)
今年のカレンダー選抜における最後のピースでした。甜花が映ってるものは一枚入れたいよなーという気持ちと、ちょっと古いカードも入れたいよなーという気持ちとが密かにあり、残りの枠を組み替えるパズルをしていたときにちょうど再発見したのがこちらです。
コミュの内容は甜花が悪魔役、甘奈が天使役でオファーされ、二人が一緒にいられるために堕天を選ぶという筋書きを演じます。これが2024年カレンダーにあっているつもりで、4月の枠で他人とともにいる霧子にシャニマスを代表してもらったように、誰かとともにいることをちょっぴり重視しています。そのため、親しい人とともにいるために堕天するのがはあてはまるのみならず、5月ではビルの上の高いところにいる透に寄せて景色を見ていましたから、天界において決断を迫るこのイラストには緩やかな連続性をもたせています。
地上に堕ちても二人の時間はこれからも続いていき、一方でやはり一区切りでもあるわけで、その中間的な時点が上半期の終わりである6月におさまりがよく、完璧なピースがはまったのでした。
7月 めぐる【たそがれスワッグ】
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ど~~してもいれたかった一枚。なぜならイラストが好きすぎるので。
これをどこにいれるかでカレンダー案の骨子を考えたほど。夏の朝のイラストながら初日の出の趣もあるので1月にすることをずっと考えていました。いざ届いてみると不思議なもので、中央左側にある小さな水滴ふたつを見たときに「これは夏だ……」と直感しました。
結局、諸々の兼ね合いから7月にしたのですが、幕開けという印象を受けてしまって、1月に入れたくて頭を悩ませていました。最終的には下半期の始まりということにして、区切りの意味を持たせた6月とリンクアピールを決めてfinishでした。【たそがれスワッグ】にとって7月という位置が、後から然るべき場所になりました。
このイラストがなんでこんな好きなのか不思議でしたが、めぐるがどこかアンニュイ雰囲気もある人だからかもしれません。
僕にはもともとセンチメンタルなものにとても心動かされる気質があるのですが、センチメンタルって取り返しのつかない過去にとらわれる心の動きなので、どう転んでも前向きになれないのが悩みどころなんですね。人に迷惑をかけるような趣向ではないけど、尊重してしまうと自分が沈んでいってしまうようなところがあって、(どうしたもんかな~)とたまに考えては答えは出ていません。
めぐるは急にちょっとしんみりしちゃうところもあり、そうした雰囲気に似たような「沈み」を見出しているのかもしれません。去年の12月もめぐるの【小さな夜のトロイメライ】で、寂しいとは違う冷たい気分に耽溺するひとときにシンパシーを覚えていました。今年の絵も悲しみやつらさとは別の憂いがその表情に隠れているようです。そうした側面と爆発的な明るさとを兼ね備えるめぐるは、センチメンタルに飲まれることなくそれ固有の快感にひたれる道筋を照らしてくれる気がします。自分がめぐるに寄せている期待がこれで取り出せているのか不明ですが、いずれにせよ稀有な期待をしているようです。
8月 夏葉【月刊CLIMAX】
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ちょっと古いカードも入れたいなーの気持ちを汲み取った一枚です。それから、放クラについては全員そろったのを一枚入れたいとも考えていて、かつ、誰かが極端に小さくなってたりしないと嬉しいという条件が整ったイラストでした。放クラは一人一人は120%だけど、全員揃うと1000%って感じで最高なので、最高にしたかったです。
そして何より大事なことなのですが、この絵が本当に好きなので今年はきてもらいました。一時期googleのホーム画面に設定していたくらいで、大きなイラストにしたらさぞいいだろうなぁとも思っていました。実物を見ると最高ですね。全然見飽きることがない強さがあります。
これは季節感を問わないので比較的自由に位置を動かせたのですが、わりと薄手の服装なので8月に入れられたのは収まりがよかったです。
それから、去年のカレンダーと対応させて意味をもたせるというのが密かなコンセプトだったのですが、去年は【モーニング・グロウリー?】を10月に配置していました。10月に合わせることにはこだわらず、放クラが一堂に会する絵を入れることを大事にして、去年を継承しつつ新しい状況への適応を実現してみました。
9月 摩美々【リバーシブル・トースト】
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これもまた超好きなイラストです。アニメイトカフェのくじでアクキー?を一発引きしたので、カレンダーでも来てもらうのは重複になるなーとも思ったのですが、好きなものは好きなので入れました。
コミュとかガシャ演出とか含めて一番好きなのは【真・TRAVELER】(ただし状況により「一番好き」は変動する)で、去年は9月にこれを入れていました。ここにも去年との対比という要素を挟んでいます。そのときはコスモスの季節感で9月に採用したのですが、自分の誕生日が9月ということもあって来てもらっている節も多分にあります。今年も9月には摩美々に来てもらうことにしたのは、誕生日だからというのが大きな理由です。ついでに言えばイラストも秋口の雰囲気があって、9月と言われてもしっくりきますのでいい感じです。
自分なんだかんだ摩美々のことめっちゃ好きだな……
大きな変化がなくとも日々幸せであり、それでいて自分の能力なり考え方なりには磨きをかけていけたら一番だよなぁと長らく考えているのですが、このあたりのことを摩美々も悩んでいそうで、悩むうえで相性の良さを感じます。
明日も同じような日が続くことを摩美々が当たり前に前提にして話してくれるのがわれわれには嬉しく、摩美々の方もいつか終わりがくることを(その可能性はみとめるとしても)当たり前に受け入れることは拒絶していて、そういうやりとりの蓄積を経ていればこそ、朝ごはんにトーストを焼いてぽやぽやするなんでもない時間が尊くもなるのだろうと、そんなことを考えています。
自分の年齢的に、もうそろそろ一歳増えてもそんなに変わり映えのないくらいになってきているのですが、そういう誕生日に摩美々を置くのは「変わりばえのない日々こそ大事に思えるような人生か?」という自身への問いかけでもあって、お祝い以外の意味も少しだけあるつもりです。
10月 千雪【つよがりのためのララバイ】
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今年のバージョンでの大きな変化なのですが、絶対に千雪さんの一枚絵を入れようと思っていました。いつの間にか千雪さんのことがめっちゃ好きになっていまして、千雪さんの言葉遣いに痺れております。いつのまにか千雪さんが出てくると襟を正して発言を待つようになっていました。
シャニマス全体に対して言葉に対して誠実さだと思っていて(もちろん常にいかなる問題もないというわけにはいかないですが)、自分がどういう意味で発言しているのか自覚的だから後から説明を加えることもできるし、先んじて別の角度から言い換えておくこともできる人が多いなと思います。そのなかでも抜きん出ているのが千雪さんという印象で、しかも言語化の仕方が極めて特殊で、独特な言い回しは妙に癖になります。
個人的には好きなのは度々引き合いに出してしまうのですが、感謝祭の「ひたすら前向きに未来を目指せるほど、やけにはなれないのよね」というもので、千雪さんは一義的に定まるような言い回しではなく含みをもたせた詩的表現を多用します。
うまく言葉にならないことを明瞭に言い換える言語化能力ももどかしい気持ちをすっきりさせてくれる良さがありますが、一度にたくさんのことを思っていて「一つの意味だけを抽出するのは自分に誠実じゃな〜い!」ってときに複雑な思いを複雑なまま言葉にできる言語化能力は職人技めいていて惚れ惚れします。千雪さんは後者です。
というわけで千雪さんの一枚絵の枠をとるのはいいとして、どのイラストを選ぶかというのが実は大変な試練でした。ウェディング衣装の水に沈んでいるのを夏に入れるのはさぞいいだろうな~と最後の最後まで悩んみました。
【つよがりのためのララバイ】は働く人間にとって大事な小休止、好きなもので囲まれた自分を迎えてくれる城を用意することにまつわる千雪さんの思いが特集された雑誌の写真になります。自分の事情を踏まえると、新しい仕事を始めるのは楽しみでありながらなんだかんだ怯えてもいるため、ここらで仕事している自分を労う要素があった方がいいだろうというやや現実をみた判断で採用となりました。
やっぱり自分としてはちゃんとした仕事をしたいという気持ちがあったりするので、仕事以外のところでご褒美を用意するというより、仕事を頑張ってる自分にフォーカスして何かする工夫もしたいなと思い、信頼する千雪さんに来てもらうこととしました。
11月 透【夜はなにいろ】
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イラストすご……と思って絶対入れると思っていたのですが、これは11月だなと直感的に思って結局最初から最後まで動かさなかった一枚です。実は去年の11月のイラストも絶対ここだなと最初から最後まで動かさなかったのですが、それが円香のイラストで今年はその枠に透が入ることになるというのが我ながら上手くいきすぎです。
去年と今年で対にするというアイデアはここから引っ張ってきたもので、季節を一周して現在になった時間が前とは違うものであるという変化によって一年の経過を表現しており、これならば時間というやつをいくらか適切に描けるような気がします。透を通して時間について色々考えたあとの時間観を透を介して描写できるのも、うまく決まったなとほくそ笑むポイントです。
このイラストはコミュの内容的に雪が降る季節なので、11月だとやや早い感じもするのですが、色がないというのが自分としては11月と適合する印象でした。目立ったイベントがあるわけではないし、秋でも冬でも年末でもない時期です。しかし何もないわけではなく、特別なイベントにかこつけることができない分、そこに何があると見るかは相対する人間の心に委ねられているところが大きいでしょう。無個性が逆説的に際立った個性になっているというのが個人的な印象で、11月に【夜はなにいろ】を置いてみると、透のまなざしは「色のない景色に何を見るのか」とこちらを問うようにも見えてきます。
ところで、大きく紙でみたときにイラストの雰囲気は変わったりするものですが、このイラストは大きな絵だと圧倒的な存在感を醸し出し、壁に飾るイラストとしても選んだ意義は大きそうです。
12月 【深染め、いろみぐさ】
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カレンダーの構成を考えるうえでたびたび通話をつないで座談会をしていたのですが、1月から12月までのあいだで大きなストーリーが組み上がるようにしたい、というようなアイデアを出している方がおり、頭の片隅にそのことを置きながら考えていました。
きれいな筋書きにはならなかったのですが、順番を考慮することで意味が生まれるような配置にできたところはいくつかありました。その最たるがこの真乃です。
僕は何もかもをイルミネに託したくなるのですが、3人揃った絵をあえて3月の【青風、駆けていく】に絞り、これから新しい年の初頭に委ねておいた未来への願いが年の終わりにどうなっているのか、12月の真乃にバトンを託すようにしました。願いがきちんと願いのかたちになっていることも含めた祈りがここにあり、少し後ろを見ながら手を組む真乃が最後の月におさまることになります。
3月に絞り…と言いながらですが、下半期開始の7月にはめぐるを置いており、ここでも「幕開け」としての意味を持たせためぐるから真乃へのバトンパスを仕込んでいます。
また個人的に真乃はシャニマスのセンターで透はシャニマスの見えない領域における中心的存在であるという思いがあるため、去年は4月と5月にそれぞれ真乃と透を置くことでちょっとしたペアにしていました。今年は11月の透と連続させている意味でも、また、思い出アピールのイラストを真乃と透(5月)だけで使っているという意味でもこの対を引き継いでみました。
去年と今年の二項対立と簡単に済ませるのではなく、カードのガシャ演出の方と思い出アピールの方の対をからめたり、透と真乃の対をひきついだり、同じ12月の真乃を5月の透とも11月の透とも対になるようにしたりしています。全部が全部意図したことではないのですが、二項対立の仕込み方が自分なりの感性を反映できていて達成感があります。二項対立は世の真理とは思いますが、世の中をこれによって語るにはシンプルすぎる真理であり、安易に振り回すのは危険であるとすら思います(抽象的すぎて伝わらないかもです……)。
二項対立が随所に見られるような構成にしながらも、あくまでも部分的に対ができるのみで、全体をきっぱり分けることはできないような設計なのが自分の好みな仕上がりです。
以上が、今年のセレポカレンダーの紹介でした。
去年は定期的にカレンダーの記事を見返しては思いを新たにできたりしたので、今年の抱負をがっつり考えるいい機会にもなっています。
今年も選ぶのが超楽しく、最高の出来でございました。
では、最後は信頼する千雪さんにカレンダーを選んでいたときの僕の気持ちを代弁してもらって締めるとしましょう。
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