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ウソから出たマコト君※このお話はフィクションです。【オリジナル小説】
こんばんは。今日もお疲れさまです。
さて、火曜日です。オリジナル作品アップの日です。
創作投稿も7回目なのでそろそろいいかなと思い、今回はコンテスト用に書いてみました。
こういう機会をくれるnote公式さんありがとう。暇人の救い。
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ウソから出たマコトくん
はいじゃいくよー、と言うリンリンの緩い声で始まり、私たちは踊り出す。
はい、おっけーぃ!と言う妙なテンションの声でストップ。
「いや、誰だよ。」リンリンに総ツッコミが入る。これ最近のデジャヴ。
リンリンは私たちのツッコミをスルーして今撮った動画を確認するとサムズアップした拳を私のほっぺにくっつけてくる。
「いいね!いいねー」
「え。シンプルにうざ」
「マミちゃんの腰つき前よりエロくていいじゃーん!」
リンリンはやっと私のほっぺから離したサムズアップをキュンですポーズに変えて自分のほっぺにつける。
「え。シンプルにキモい」
リンリンは一瞬マジの真顔になってからシュンですポーズを作る。マジ真顔。みんなが爆笑する。
「いや、二人のコント撮った方が絶対バズると思うんだけど」
一番笑い上戸のはーちゃんが笑いすぎて殆ど泣きながら言う。
「TikTok上げていー?」
「え、無理やめて」
でもマイペースなリンリンの希望を瞬殺で却下するのもいつもはーちゃん。はーちゃんは美人さんだけど、SNSは殆どやってない。多分ご両親に禁止されてるんじゃ無いかと思う。美人な子はきっと大変なんだ。色々と。しらんけど。
「インスタはー?」
「リールならいんじゃない?」
私は助け舟を出す。折衷案だ。私はこのグループのバランサーだ。
「わー。ソウダ君から秒でリアクションきたわ。ソウダ君絶対マミちゃんのストーカーじゃん」
隣のクラスのソウダ君はSNS大好きでYouTubeもやってるらしい。自分大好きでイタイ投稿ばっかりらしいから見ないけど。
「いや、はーちゃんのストーカーでしょ」
言いながら私もさっきの動画を確認する。思ったより自分も良く撮れてて気分が良くなる。
「ね。リンリンさっきの加工どれ使った?教えて」
教えて貰ってリンリンと写真撮って私のインスタに上げる。「リンリンマスクしてると可愛い」と、キャプションに書いたら
「いや、それマスク取ったらただのブスって遠回しにディスってんじゃん」
とキレられた。リンリンは可愛い。美人じゃ無いし、キレイじゃない。それほど可愛いと思ってなかった時から可愛いと言い過ぎたし、一緒にいすぎて顔とか逆に分かんなくなってるけど可愛いとか通り越してむしろ「愛しい。」思わず声に出して呟いたら、え。シンプルにキモい。と、さっきの逆襲をされた。
気付いたら私のインスタにソウダ君からいいねがついていた。シンプルに何かいやだと思った。
休み時間。リンリンが絵に描いたようなウキウキ顔で私のところに来た。かわいいな。
「マミちゃんマミちゃん、インタビュアーリン、聞いてきました!ソウダ君に。ぶっちゃけマミちゃんのこと実際どうなのかって」
前言撤回。心の底からうざい。
「いや、マジいらないから。どうせあの人単に自分大好きじゃん」
「え?マミちゃんすご。確かにソウダ君『今は自分自身に集中したいって言うか……』って言ってたー」
ナルシストソウダ君のモノマネ付きで教えてくれた。秒で他人のリールに反応するくせに。普通にただのギャグじゃん。
私たちの日常って嘘と加工しかない。
「マミちゃんはぶっちゃけ、最近好きな人いないの?」
SNSと加工が大好きなリンリンの頭の中は恋と希望で溢れてる。それが単純に羨ましい。
「いないですね」
「ずっといないってことはさ、もしかしてさ、『忘れられない人』がいるとか?」
そう来るのか。リンリンの世界には恋が無いってことが無いらしい。それならその希望に応えてあげよう。私はとびきりキラキラの嘘の恋をリンリンに話した。
翌日。朝からリンリンがガンダッシュで向かって来た。元気か。今日も可愛いけど、朝からはシンプルにめんどい。適当にかわしながら私は教室に向かう。
「マミちゃんマミちゃん!マミちゃんが昨日言ってた、マミちゃんの幼馴染で運動神経良くて、イケメンで子どもの時アメリカに引っ越したって言う色白のハーフ男子!」
ちょっと朝から恥ずかしいからやめて。誰だそんなアホな妄想話したの。私か。改めて聞くと恥ずかしい。
「隣のクラスに転校してきたって!」
「いや。いらないから、そう言う嘘」
「嘘じゃ無いよ!だって『マコトくん』って名前だってよ」
リンリンが自分のスマホを突きつけてくる。どう見ても隠し撮りされたウチの制服を着ているハーフ顔でイケメンの色白男子がピンボケ&リンリンの指入りで写っている。
「嘘。マジで本当にマコトって言うの?この子」
名前まで昨日の私の嘘と同じだなんて。ヤバすぎる。しらんけど。こんな子。
「本当に!マコトだって!」
私のキラキラに加工した嘘が真になる。頭の片隅で誰かがシャッターを切るような音が聞こえた気がした。
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これ書くために今日TikTokをダウンロードしました。若者って良いよね。(誰だよ)
肩の力が抜けて創作をだいぶ楽しめるようになってきました。また書きたいです。
またよろしく、私。
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