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【特集企画】『喫茶シュークリーム』喫茶店型アイドル活動の文脈を探る【前後の文脈】

インタビュー特集「前後の文脈」第一弾として、VRCアイドルグループ「喫茶シュークリーム」さんへ取材申し込みをしたところ、快く承諾していただきました。

「目に見えるものだけが全てではない」をテーマとしている本企画は、VRCで活動をしている様々な団体、クリエイターへ向けてインタビュー取材を実施し、活動の経緯や今後の意気込みを語っていただく内容になります。

皆様にはこの記事を通して、様々なVRC活動の「前後の文脈」を知っていただければ幸いです。

■喫茶シュークリームとは?

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しばとぎもみじ氏が店長を務めるVRCアイドルユニット。

VRC界隈では古くから愛されている女の子アバター「キッシュ」だけで構成されているのが特徴で、アバター製作者とも深い繋がりを持っています。

その名の通り喫茶店のような雰囲気のワールドで、ウェイトレス衣装を身に纏ったアイドルたちのライブをお楽しみいただけます。ライブイベント日を「営業日」と表現しているのも名前とマッチしているポイントです。

月に一度のライブ活動(通常営業)をメインに起きつつ、ファンとの交流を目的とした臨時営業も実施してます。

Questユーザーも楽しめることを意識しており、ワールドはQuest対応されている他、試験的にQuestユーザー限定のイベントも開催しました。
Quest単体では参加できるイベントに限りがあるため、ユーザーにとっても非常にありがたい配慮ですね。

■インタビューにお答えいただいた3名

▼プロデューサー兼副店長:ブラウン

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▼アイドル兼イラスト担当:BIS

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▼アイドル(ダンスリーダー):ロッピー

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■喫茶シュークリーム活動開始の軌跡

ニード:
早速ですが、「喫茶シュークリーム」活動開始の経緯について教えていただけますか?

ブラウン:
「キッシュちゃんを使ったアイドルグループを作りたい」と企画した人がおりまして、自分と店長(しばとぎもみじ氏)に声がかかったことが一番最初のきっかけですね。

ブラウン:
今はその企画者がグループを離れていて、自分と店長のの二人で切り盛りしている感じになります。

ニード:
企画案が上がってから実際に活動開始まではどのくらいの期間があったんですか?

ブラウン:
大体2ヶ月くらいですね。話が上がってきたのが2020年の年末で、第1回のイベントが2月になります。

ニード:
なるほど。その2ヶ月間に初期メンバーを集めたんですね。
最初は何名くらい集まったんですか?

ブラウン:
活動開始時点で7人です。自分と店長はアイドル枠ではないので、5名のアイドル+2名の運営という体制でスタートしました。

BIS:
BOOTHで発売中の公式グッズに初期メンバーのイラストが載ってるんですよ〜

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▼販売中の公式グッズのひとつ。BIS氏のイラストが掲載されている。
 (クリックでストアへ移動)

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ニード:
あーそれ自分も買いましたよ!掲載されてるイラストは初期メンバーだったんですね!

ブラウン:
今は人数も増えましたし、今後も積極的に増やしていきたいですね。

ニード:
メンバーはどのように集めたんですか?公募とか?

ブラウン:
いえ、知り合いに声をかけて回りました

ニード:
それで5名も集まるって凄いですね。

▼和気藹々とインタビューに応じる3名

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■アイドルグループ参加に至った経緯

ニード:
この流れでお伺いしたいのですが、アイドルのお二人はどうして「喫茶シュークリーム」へ参加しようと思ったのですか?

ロッピー:
最初の企画者がキッシュちゃんを踊らせてる動画を上げていて、興味を持っていたところにメンバー参加のお話をいただいたんですよ。
元々ダンスパフォーマンスをしていたので、「面白そうだな」と思って参加しました。

▼ロッピー氏はパフォーマンスグループ「MSS」に参加しており、様々なイベントで活動を行なっている。

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ニード:
元々得意だった分野で、活動の幅を広げるために参加されたんですね。
BISさんはいかがですか?

BIS:
私は正直なところ、最初は乗り気じゃなかったんです。

ニード:
そうなんですか!?

BIS:
ただ、ブラウンさんからの熱烈な誘いが凄くてですね。
元々キッシュちゃんは好きだったこともあり、半分熱意に負けた感じで参加を決めました(笑)

ブラウン:
最初は裏方でお願いしていたんだよね。

BIS:
そうそう、裏方でサポートする役割って聞いてたんだけど、いつの間にかアイドルをやることになってました(笑)

▼今ではフルトラッキングまで環境を整えたBIS氏

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■ダンス練習について

ニード:
個人ではなく「アイドルグループ」として、振り付けの練習などがあると思うのですが、どのように実施されているのですか?

ブラウン:
ダンス関係はロッピーさんに全てお任せしてますね。

ロッピー:
そうですね。ダンスの基本となる動きが何種類かあるので、メンバーにはその辺を中心にを覚えてもらってます。
基本を押さえておけば、あとは自由に振り付けをアレンジしてもらってOKなんですよ。

ニード:
そういうのがあるんですね。初めて知りました。
ダンス未経験からそういった練習を始めてみて、BISさんはいかがでしたか?

BIS:
まずはリズムに合わせて身体を動かすところからやってます。とても楽しくやらせてもらってます〜。
なんとかやっていけてますが、まだまだキッシュちゃんの可愛さに頼ってる感は否めないですね。

ニード:
まずは身体を動かす楽しさからですね!

■「喫茶シュークリーム」グループ名の由来

ニード:
そういえば、どうして「喫茶シュークリーム」という名前になったんですか?

ブラウン:
キッシュちゃんのアイドルグループということで、名前のどこかに「キッシュ」という単語を入れたいよね〜と話していたんです。

ブラウン:
みんなで集まってアイデアを出し合ったところ、「喫茶シュークリーム」という案が出てきました。略すと「喫シュ」となってコンセプトとも一致していたので採用した流れですね。

ニード:
ではこのワールドもグループ名が確定してから製作したんですか?

ブラウン:
そうですね。「名前が喫茶なら活動場所は喫茶店にしよう」「アイドル衣装も喫茶店ぽさを出そう」と色々決まってから諸々の制作を始めました。

▼ワールドの中には大きなシュークリームが置いてある。現実で食べてみたいサイズだ。

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■活動してきた上での苦労点・やりがいを感じた点

ニード:
活動から2ヶ月経ったとのことで、何か苦労したことや、やりがいを感じた瞬間はありますか?

ブラウン:
やはり準備段階が一番大変でしたね。決めないといけないこと、やらないといけないことがとにかく多かったです。

ニード:
産みの苦しみみたいなものですね。
アイドルのお二人はいかがですか?

ロッピー:
自分は元々やっていた内容の延長線上に当たるので、個人的にはそんなに苦労はしていないです。
メンバーの中にはダンス未経験者もいるので、その辺は気を使うように心がけてます。

BIS:
ロッピーさんに色々勉強させてもらいながらダンス練習をして、本番のステージで観客の皆さんから喝采をもらえた時は嬉しかったです。
やってて良かった瞬間でした。

▼ライブ終了後のアイドル集合写真(+店長)

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■初めての本番ステージ

ニード:
初めてステージ立った時ってどうでした?

ロッピー:
とにかく人がきてくれたのが嬉しかったです。
他のメンバーとの掛け合いを絡めた動きや、観客を煽る動きを意識して楽しく踊らせていただきました。

BIS:
私も同じです。最初はお客さんがくるか不安だったのですが、やはり思った以上に人がきてくれたのが嬉しかったですね。

ニード:
初回って何人くらい来られたんですか?

ブラウン:
定員オーバーになった記憶があるので、大体30人くらいですかね?

ニード:
それはすごい!事前広報の賜物ですね。

ブラウン:
実は初回はそんなに広報できてなかったんですよ。バタバタしてたのもありまして(笑)
ただ、キッシュちゃんのアイドルグループだけあって、キッシュちゃんファンの間でじわじわと広がっていったようです。

ニード:
ファンのネットワークって凄いですね〜

■他のアイドルグループとの大きな違い

ニード:
最近は「LPK48」や「SEISO NO OWARI」など様々なアイドルが設立されてますが、喫茶シュークリームさんだけが持つオリジナリティなどはありますか?

ブラウン:
それならやはり「喫茶店営業」という形態を取っていることだと思います。
他のアイドルグループがパフォーマンスをメインにされている中、ウチはパフォーマンスと同じくらい「接客」を実施しているので、より近い距離で長い時間アイドルとお話できることかなと。

ニード:
通常営業日はライブだけを実施して、臨時営業日は接客だけを行うという感じですか?

ロッピー:
いえ、通常営業日も接客は実施してますよ。ライブを行うインスタンスと接客するインスタンスを分けてます。

ニード:
なるほど、ライブを見たい人とアイドルと交流したい人で入るインスタンスを分けてワールドへの負荷を軽減してるんですね。

▼喫茶シュークリームでは、アイドルがコーヒーや紅茶を振舞ってくれる。

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■今後の活動目標

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ニード:
これからも活動を続けられるわけですが、何か目標みたいなものはありますか?グループ全体でも良いですし、個人単位でも大丈夫です。

ブラウン:
「喫茶シュークリーム」を多くの人に知ってもらうことを大目標に、まずは具体的に何をするのかを詰めていきたいです。普段とは違う衣装でライブをしたり、他のアイドルグループさんとコラボができたらいいですね。

ブラウン:
あとはすごく大きな話ですが、せっかく喫茶店形態を取っているなら、リアルの方で店舗を持ってみたい気持ちもあります。

ニード:
それは大きな夢ですね!
現実世界がVRに来るのはよくありますが、VRの世界が現実に来るのはなかなかないと思います。

ニード:
アイドルのお二人はいかがですか?

ロッピー:
個人目標になりますが、お客様が何度観にきても飽きないように、ダンスや音楽の内容をアップデートしていきたいです。
あとは複数人でパフォーマンスをする以上、音楽の遅延問題が必ず起きます。その課題を解決したいですね。

ニード:
確かにVRCだと数秒の遅延が当たり前ですもんね。今はどのような対策をされてるんですか?

ロッピー:
比較的遅延の少ないディスコードを繋いで音楽を流してます。他にも遅延を意識してタイミングを取るといったやり方もあるのですが非常に難しくてですね...最近は遅延が少ないアプリも出てきているので、色々と模索していこうと思います。

ニード:
ありがとうございます。BISさんはいかがでしょうか?

BIS:
まずはしっかりと踊れるようになりたいです!
音取りからちゃんとできるように・・・とにかく頑張ります!

BIS:
あとはイラストの方も頑張りたいです。今の公式グッズに描かれているのは初期メンバーだけなので、新メンバーも含めてイラストをもっと増やしていきたいです。

ニード:
裏方とアイドルの両立ですね。大変だと思いますが頑張って欲しいです!

■最後に宣伝コーナー

ニード:
最後に何かPRしたいことはありますか?

ブラウン:
新衣装として和風ロリドレスを入れたので、イベント実施の際には是非観にきて欲しいです!

▼新衣装のドレス。落ち着いたデザインがアイドルとの距離感をグッと縮めてくれる。

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▼和装衣装は制作者のBOOTHで好評発売中(クリックでストアへ移動)

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ロッピー:
あと看板娘の名前も決めたいですよね。

ブラウン:
確かに!名前を決めるイベントをやりたいと思ってたけど、まだやれてないからね〜

▼「喫茶シュークリーム」の看板娘

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この記事の読者で名前案がある方は是非喫茶シュークリーム公式Twitterまで連絡して欲しい。

BIS:
私はこれからもイラストを描き続けるので、是非見て欲しいです!
公式グッズもよろしくお願いします〜

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ニード:
皆様、本日はありがとうございました!

■まとめ

以上。「喫茶シュークリーム」代表の3名へのインタビューでした。
今回は5人のアイドルのうち2名に取材しましたが、他の3名もとても可愛らしい姿で活動をされてます。会ってみたい方は是非ご参加くださいませ。

「前後の文脈」では、引き続きVRCで活動されているクリエイター様をインタビューしていきます。取材を希望される方はお気軽にご連絡くださいませ。


▼一部イラスト転用元
喫茶シュークリーム公式Twitter
クリエイター ネムタイン氏 BOOTHページ

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