【奉納】センシティブ系言葉遊びetc
本稿は 『言葉遊び一歩手前』に 収録しようか 悩んだ末に 没とした センシティブ系言葉遊びネタについての テキストを 改めて加筆修正して 奉納した場である
通常であれば 大っぴらに 紹介される事も無い そんな 下ネタに溢れるネタの ある意味 供養の場 もしくは 斎場 とも言えるだろう
「言葉遊び」と 括ってはいるが 技法を 駆使した ものよりかは 偶然に そのようなものに なってしまったものを 多く含んでいる為 だいぶ 広い意味で 捉えてくれれば 幸いだ
発覚し次第 情報の更新や 項目の増加が なされる可能性があるため 情報を ご存じの方は 是非とも ご一報を願いたい
なお 「俺の股間シリーズ」や「それは私のおいなりさんだ!!」(究極!!変態仮面)などのような 隠語・スラングや比喩などの 表現については 本稿で 扱っていない事を あらかじめ 断っておく
───── 本編 ─────
鈺
中国などで人名などにも使用される「鈺」という漢字は、日本人ユーザーからするとあまりの露骨さに困惑せざるを得ない。音読みでは「ギョク」や「ゴク」、意味は「たから(=宝)」「かたい金属」。
漢字辞典オンラインでは、その意味に「貴重な宝」「珍しい宝」とあるため、「珍宝(ちんぽう)では?!」と狂喜乱舞した人も多いかもしれない。
だが、『大漢和辭典』や『日本漢字大辞典』、中国語ベースの辞書である『辭海』や『中日大辭典』には、少なくともこの「貴重な」「珍しい」というニュアンスでの掲載は確認出来なかった為、どのタイミングで付与された意味であるのか不明。
工口
漢字には、一見すると淫猥に"見える"字体のものがいくつかある。カタカナの「エロ」に見える部位を持つ漢字といえば、「尋」が最もメジャーかもしれないが、「恐」の異体字が「エロ心」に見えるのは興味深い。
縦書きの「エロ」が横並び3連になっている、驚くべき漢字が存在している。「哲」の古字(異体字)であり、辞書類には殆ど掲載されていない字体となっている。そもそも、哲には「吉」の字を複数用いる「喆」「嚞」といった異体字もある為、3連の吉の字の派生として、天辺が出ない字体になったものと推測される。
なお、吉を縦に2つ重ねると「喜」の異体字となる。
では、哲の異体字が単独バージョンになった、縦書きで「エロ」と書く漢字があるのかというと、どうやら存在はしているらしいが、出典がよく解っていない。Wikipedia『鬼方』の脚注によると、「工」の古字であり、T字に口と書かれていた工の甲骨文字から成り立った字体との事。ただ、一方で字源ネットでは「𠮷」の異体字として扱われている。
因みに、「エロ夫」と書いているように見える漢字もあるが、読みも意味も不詳の謎の字であり出典も不明。
HERO
「H」と「ERO」を合わせると「HERO」(ヒーロー)になる。このネタは、2ちゃんねるの「いいか、みんな」というセリフから始まる「二つ合わせれば」系コピペで有名になった。コピペ自体は、2ちゃんねる『ガン=カタのガイドライン2』にてAA(アスキーアート)付きで使用された構文が元になっており、ここにふたばちゃんねるで書き込まれた「「悟り」は分解すると小五ロリになる」(2004年6月13日)が融合されたことを発端として次々と派生ネタが誕生していったとの事。「エッチ(H)とエロいね(EROINE)では単なるスケベ野郎だが二つ合わさればヒロイン(HEROINE)となる」のバージョンもある。
ヨツコブツノゼミ
言葉遊びとはややレールがズレるかも知れないが、卑猥なものに聞こえる言葉やネーミングは時折見られるものがある。そんな中で、あまりにも出来過ぎてると言わんばかりのネーミングも確認されており、多くの人を困惑に陥れている。奇妙な突起と瘤のようなものを頭部に持つ、通称「ヨツコブツノゼミ」は、その学名を「ボッキディウム・チンチンナブリフェルム」(Bocydium tintinnabuliferum)と言う。
ボッキディウムはツノゼミ属を表しており、チンチンナブリフェルムは(勃起した陰茎をかたどった)魔除けの鈴であるという。メディアではラジオ番組『つボイノリオの聞けば聞くほど』(2020年10月12日)にてリスナーからのハガキによって知られるようになったと思われるが、2017年には生きものファンイベント「いきもにあ」出展者限定フラッシュトーク大会にて紹介されていた事がTwitterで言及されている。
4545…
数字の語呂合わせにも、仰天のネタが存在する。ルート45450721は6741.7に近似である。
これを語呂合わせで読むと「シコシコオナニイ」「ムナシイナ」となる。いつ頃からネタとして持て囃されるようになったかは定かではないが、ネット上では2009年での書き込みが確認出来る為、それ以前から密かに一部界隈で知られていた可能性は高い。
後の桁が同じ数字の繰り返しになる「循環小数」の仕組みを利用したネタとして、「992÷1375=0.721454545…」も有名だ。答え以外の部分は特に語呂合わせとなっている訳ではないので、とんでもない答えが導き出せる魔法の数式とでも言っておけば良いかもしれない。
ワクチン
近年、新型某ウイルス蔓延に伴い話題となったワクチンであるが、初期は1度打った翌月に2度目を打つ仕様となっていた。この事に由来し、2度ワクチンを接種済みという意味で「ワクワクチンチン」というワードが流行した。それ以前から存在していたネタであるかは不明だが、2015年9月4日放送分の『笑点』(第1982回)にて、大きな注射器を持って一言というお題の中に、このフレーズの片鱗が垣間見える。回答者は、安心と信頼の三遊亭小遊三師匠。
ソーセージレジェンド
ホロライブ所属Vtuber大空スバルがよく実況している対戦ゲーム『ソーセージレジェンド』は、現在ではだいぶ規制が進んだとは言え、かつては下品かつ卑猥なプレイヤー名いわゆるセンシティブネームでマッチングするユーザーが後を絶たず一種の名物となっていた(原文ママ「ち〇こ見せろスバル様」「㌉㍊㌨㌢㌧㌞」など)。
https://x.com/NAITO__KOSE/status/1358427121593425923
『【#生スバル】第七回ソーセージレジェンド大会:SAUSAGE LEGEND【ホロライブ/大空スバル】』で登場したプレイヤー「スズ スズ ホウ素」はかなり手が込んでおり、これは元素である事には違いないが、元素記号「Sn Sn B」ではなく英語名「tin tin boron」(ティン・ティン・ボロン)がその正体となっている。
ナウい息子
2000年代後半から、ニコニコ動画で絶大な人気を誇っていた「レスリングシリーズ」。筋骨逞しい外国人の男たちが互いのパンツを取り合うという、あまりにも常軌を逸したバトルが展開される一連の動画群は、「本格的ガチムチパンツレスリング」と称され一大コンテンツにまで登り詰めていた。
何よりも、その人気に拍車をかけたのは「空耳」だったと言っても過言ではない。日本語を発しているはずがないにも関わらず、日本語のように聞こえるセリフ、しかもその多くにセンシティブな要素が含まれているという事から、多くのミームも誕生した。歪みねえな。
残念ながら、現在では管理者及び権利者などによる削除によってニコニコ動画にアップされた動画はほぼ消滅している。仕方ないね。
方言・他言語
下ネタや卑猥な言葉のような方言の言い回しというのは、よく話題に上がる。有名どころでは富山県の方言「おちんちんかく」(正座する)、大分県の方言「ちちまわす」(殴る・ボコボコにする)、熊本県の方言「しこる」(カッコつけている・偉そうにしている)、茨城県の方言「ちんぽくせえ」(小さい)などがある。当然ながら、世代や地域によって使用の有無が異なっている場合があるので、その当該地域の住民が皆使用しているとは限らないので注意。
また、外国語でも下ネタのように聞こえる単語があり、イタリア語で乾杯を意味する「Cin cin!」、インドネシア語で指輪を意味する「cincin」は、いずれも発音が「チンチン」となっている。
スラヴ系由来の姓にマンコビッチ( Mankovich)というものがあり、日本との関連で言えば、1962年に毎日大映オリオンズ(現・千葉ロッテマリーンズ)で投手を務めた助っ人外国人選手フランク・マンコビッチがいた。日本語においてセンシティブに聞こえてしまう名前であった為に、日本プロ野球での登録名が「マニー」だったという逸話がある。
たいこめ
卑猥ネタを盛り込んだ言葉遊びの元祖といえば『たいこめ』だ。1970年代、シンガーソングライターである山本コウタローがパーソナリティを務めたラジオ番組『パックインミュージック』に寄せられた視聴者投稿「鯛釣り舟に米押し達磨」にあやかり「たいこめ」と名付けられた。この「鯛釣り~」は反対から読むと「まるだし お■こに ねぶりついた」と、ド級の下半身ネタとなっていたことで山本をはじめ大いにリスナーの話題をかっさらい、以降数々の作品が押し寄せるほどの反響を呼んだ。
よく見るとお解りだろうが、回文など古くから存在する言葉遊びにはよくある、副助詞の「は」と「わ」や「を」と「お」を区別しない、逆順での濁点の有無は臨機応変、といった寛容性が備えられている。のちに、この番組で寄せられた多くの作品を収録した『たいこめ辞典』が出版されている。
余談だが、言葉の文字列を逆順に読む手法は「倒語」と呼ばれネタ(種)、トーシロー(素人)など業界用語やスラングで使用されているものを指す。一方、逆順に読むことで別の意味の言葉になるものについては、時代考証家・綿谷雪が回文と区別する事を意図して「倒言」と命名している。
───── おわりに ─────
穴が 「あな」と「ケツ」の 読み方を 備えている事に 興奮を覚えるような タイプの人々にとっては 良いコレクションに なっているのではないかと 思われる
こうした題材の 取り扱いは 多くの場合 忌避される 傾向にあり それは 日本の民俗学が 当初 「夜這い」や「差別」といった 題材を 避けていたような 状況と 似ている
各所で 独立に 散在させた ままではなく 今一度 それらを 結集させる事が 言語の楽しみや 言葉遊びの嗜み といった それらの発展に 繋がるのではないかとも 考えている
とりあえず そんな 難しい事を 考えなくとも 面白く 閲覧して もらえたのであれば 嬉しい限りだ