MTGパウパー初心者が綴る:白単兵士ウィニー編
こんにちは。前回の記事に引き続き、我流に改造したパウパーデッキのここ好きポイントを綴っていこうかと思います。しばらくお付き合いくださいませ。
白のカードは全体除去やライフ回復など、非常に守備的なカードが多く収録されている点で有名ですね。
ただし、ここではもう一つの側面、それこそMTG黎明期から綿々と続く「軽くて戦えるクリーチャーが揃っている」という部分に注目しましょう。
今回まず最初に紹介したいのは、私の忠実なペットについてです。
軍用隼ちゃんは前回記事のきらめく鷹とよく似ています。しかし、隼の方は1ターン目から唱えることに対し何のデメリットもない。騎士か兵士をコントロールしていないと攻撃参加できないの部分が引っかかるだけで、むしろ「先攻! 平地置いて隼出してエンド!」がこのデッキで一番強い動きになっています。なぜならーー
他は全て兵士クリーチャーしか入っていないからです!
1ターン目に隼セット、2ターン目に2/2相当の兵士を補充、デメリットが解き放たれアタックゴー! が気持ちいい。サバンナライオンが空飛んでるんですよ? ウィニーの動きとして弱い訳がなーい。
面白い点は他にも。このカード、ただのインスタント・トークン生成だとお思っていませんか? チャンプブロック要員くらいにはなるやろ的な。
1/1の”兵士”クリーチャーなんですね。急報というカード自体は知っていた方も、サブタイプが何かなんて気にした事なかったでしょう? 私は隼をデメリットから解放するためだけに、このカードを2ターン目に使います。
他にも、定番のあのカードが。
隼に次ぐ初動手として/兵士クリーチャーとして/マナフラッド受けとして、期待通りの働きをしてくれます。
例えば、1ターン目スレイベンの検査官→2ターン目平地2枚残してターンエンドとくれば、誰だって「手掛かりトークン構えかな? ドローしたいほど事故ってるのかな?」と思うじゃないですか。違うんですよ。隼ルートじゃない場合、ウィニーなのにインスタントタイミングで兵士二体を補充できるんですよ。ここがこのデッキの面白いところ。
隼or検査官→急報と動いた場合、3ターン目にはさらにワンランク上の動きができます。
3マナ3/2の平凡なクリーチャーである殉教者の魂を招集コマンドで呼びましょう。するとどうなると思いますか? 3体タップして実質0マナで唱えると、自分の土地は全てアンタップ状態です。ETBでテキストの一番下が誘発します。+2/+2され、0マナ5/4のヘヴィ級ファイターが誕生するのです。シンプル強い。
あとは未使用の土地をご自由に。1マナ+2マナクリーチャーのダブルアクションを取るのも良し。
兵士デッキにおける最強のロードを出すのも良し!
だってさっき生み出した1/1の兵士が2/1になるんですよ? 0マナで出した殉教者の魂は6/4ですよ? 3ターン目に。つ、強すぎる。
かつての名カード十字軍のようにエンチャントではないため、稲妻一発で取り消しになるというリスクは孕んでいますが、逆に言うと剣鍛冶本人もパワー3あるクロックです。
最強カードその2である――
護衛の誓約で戦場を滅茶苦茶にしてやりましょう!
要するにこのデッキは+1/0修正を与えるロードを軸に兵士縛りでシナジーを形成し、単品ではほぼバニラ相当なクリーチャーを「頭数揃え、点ではなく面で」勝負をかけてフィニッシュまで持ち込むのが狙いなのです。
話題は序盤の展開力の方へ戻りますが、私の好みとして更に以下のカードも紹介させてください。
帆凧の弟子。いかにも空を飛びそうな名前とイラストなんですが、1ターン目はまだ1/1バニラ。祖先の刃やコーの矛槍など低コスト装備を使いこなして+1/+1修正をかけ、弟子本人の能力で装備しているかぎり~を適用し、さらに+1/+1のパワーアップをしつつ飛行を付ける。例によって3/3飛行クロックが簡単に作れるのです。
こんなカード(失礼)普通のMTGプレイヤーは気にも留めませんよね。昔あったコモンだなぁくらいで。装備品付けますねと宣言して3/3になるまでヤバさに気づかれたことがありません。デルバーと違ってマスト除去と認識されない。そこも好きなポイントです。
「祖先の刃は兵士トークンだ。どうせならフル活用しよう」との思いから始まった装備品シナジーは他にも。
コンバットトリック、または火力除去避けに使えるインスタントです。
そして但し書きが面白い。”装備品”を要求し、”兵士”を生み出す。素晴らしいじゃないですか。
ただ若干使いづらい部分があり、それはクリーチャーを対象に取らないといけないというところ。墓所のネズミなどで盤面をまっさらにされたターン、エンド時に立て直す場面で対象が取れないのです。急報や亡霊招きは、相手がイニシアチブを持っている+リセットボタンを押された、という場面に生きてくるのが大きい。何枚かデッキに入れておくと便利なカードという扱いですね。
結果、現在はこのような構成で遊んでいます。
メインボードに除去が一枚も入っていない点にお気づきですか? 除去なんてしゃらくせえ物は一切入れていません。早ければ4ターン目にマストブロックの状況を作り出せるのです。点で攻められる隼や殉教者のような駒も居れば、展開しきったあとの爆発力も期待できる。一瞬立ち止まるような行動をしている暇があったら押せ押せでいきましょう。相手の1を0にするより、5や6で襲い掛かればいいのです。
サイドボードの太陽の槍は、〇ソーサリー 〇白でないという制約 〇プレイヤーには飛ばない という超劣化3点火力です。しかし、軽さこそ正義。
宮殿の歩哨はETBで統治者になるカードの白版なのですが……お前兵士だったんか! こっち来い! で採用しました。相手が除去を増やしてくるようなロングゲームが予想される場面で投入してあげましょう。
最後になりますが、以前私はこんなツイートをしました。
塵は塵にを存在の破棄に差し替えるなどの工夫はしておりますが、メインサイド合わせて75枚を3000円程度で組めるというお話です。
フェッチランド一枚分のお値段でデッキが一つ組めるんですよ。TCGは高額カードの投げ合いだけが華ですか? 違いますよね。
正直、今回紹介した白単兵士ウィニーはティア上位ではありません。有利不利の相性差が顕著で、あくまでも上位陣に立ち向かうチャレンジャー側の立ち位置だと思っています。
ですが、充分すぎるほどに遊べるのです。決して安かろう悪かろうではない。上手く回してやれば普通に勝てます。その打点は強すぎると、相手から賞賛の声をいただく場合もあります。BO3ならば一時間近く熱中できます。
これ。これこそがパウパーの魅力なのですよ。シンプルなクリーチャーデッキをコンバットトリックだけで操ってみせる。
皆さん最近ちゃんと地上戦してますか? ぶっ壊れカードを投げつけて満足していませんか?
基本に立ち返ったようなウィニー、始めてみませんか。奥が深いですよ。