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暮らしを楽しむテーブルフォト撮影会を振り返って
ハウススタジオ KOPECにて、クラブツーリズム主催 テーブルフォト撮影会を開催しました
以前こちらの記事にてお知らせしましたが、2024年5月25日(土)、クラブツーリズムさんで撮影会を開催しました。場所はハウススタジオ"KOPEC"(運営会社のFOTOMさん、とても親切にご対応くださり有り難かった)です。そこでの撮影会の様子や、そこでお話ししたTIPSを少しだけ紹介したいと思います。
当日はこのようなタイムスケジュールで進めました。
10:30 開場
10:45-11:00 自己紹介
11:00-13:00 撮影会(実演、レクチャーあり)
13:00-13:15 質疑応答・交流会(座談会)
13:30 閉場
このうち11:30からリビングにてレクチャーを、12:30からキッチンをお借りして実演を行いました。限られた時間の中で行うため、特に私の実演の時間は勿体無く、撮影の様子を見たい方、話を聞きたい方のみ集まっていただけたらと思ったのですが、狭いスペースに沢山の方が集まってしまい… 交代制にすれば良かったかなと反省。よく見えなかった方、聞き逃してしまった方がいたら申し訳ないなと思い、こちらの記事にてお話しした内容を簡単にまとめることにしました。
レクチャー内容を紹介します
まずはレクチャーの様子から。当日の解説から一部抜粋して紹介します。
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スタジオの備品ChemexとクラブツーリズムさんにレンタルしていただいたアラビアのRUSKAの食器を組み合わせて撮影しました。このレクチャー用にシナモンロールもお取り寄せしました。
まずは光の話から。私が意識したのは美味しそうに見える光とプレートの色味。
それが叶えれる光で撮影したのがこの写真です。被写体とその場の光に合わせて撮影しています。
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一方こちらがNG例です。
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シナモンロールの色もプレートの色も表現できていません。これではせっかく借りてもらったRUSKAのプレートの良さが伝わらないと思いませんか。プレートの影も目立っています。
このように、自然光で撮影する場合には、被写体がどう見えるのかよく観察して臨機応変に光を使い分ける必要があります。(一概に〇〇光がいいとは言い難いのです。)どういうこと?!と思った方は、ぜひ講座等にご参加ください。
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普段の撮影ではもう少し調整するのですが、レクチャーが長くなってしまうのでこの辺りでやめておきました。(普段私の講座をご受講くださっている方は違和感に気づくかもしれません。)
実演 -朝食準備シーン
実演ではキッチンで朝食準備シーンとコーヒーを淹れるシーンを撮影する様子を見ていただこうと思って、ラフまで用意していたのですが、誤算がありスタイリングがスムーズに行かず。
そのキッチンがこちら。海外のようなキッチンでとても素敵なのですが、サイズ自体も海外規格なのかなというくらい大きく、カウンターの高さも高かったように思います。それに対して私が用意していたアイテムはミニキッチンに丁度良いくらいのサイズ感で、置いてみたらアンバランスという結果に。
実際にこちらに元々置かれていたキッチンツールなどは全て大きな海外サイズ。あぁ、なるほどと思いました笑。
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アンバランスなアイテムを使って撮ろうとしても上手くいくはずがなく、あれこれ被写体を入れ替えることに…。
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そんな中で撮影した朝食準備シーンを2枚ほど紹介します。
まず実際に持参したアイテムで撮影したのがこちら。全てが小さいので狭い範囲を切り取ることになり、素敵なキッチンを生かせていないことが分かるかなと思います。(もしこれを背景まで入るようにフレーミングすると細々したアイテムが点在することになり、まとまりがなく雑然とした印象になります。)
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何とかキッチンごと切り取りたくてスタイリングし直したのがこちらです。自分のアイテムだけではどうにもならなかったので、スタジオの備品と組み合わせて、朝食の準備をする様子をイメージして撮影しました。目玉焼きをメインにしたので、他は見切れるくらいにフレーミングしています。奥が寂しくならないようトースターで余白を埋めました。
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当日いただいたご質問を2つほど紹介します
また今回の撮影会でこのようなご質問をいただいたので、もしかしたら普段テーブルフォトを撮り慣れていない方には必要な情報かもしれないと思い、シェアさせていただきます。
部屋の照明(蛍光灯)を消せない場合はどうすれば綺麗に撮れますか。
もし料理を撮る場合には部屋の照明は消してください。演色性の低い照明を使うと、料理が不自然な色になり、美味しさを表現するのが難しくなることがあります。またトップライトは立体感を表現しにくくフラットな印象になります。(自然光の光量が足りない場合には撮影用の定常光などを使う方法もあります。)
それからこのようなご質問も。
デスクで撮りたいのですが、光が強くて綺麗に撮るのが難しい。どうしたら良いですか。
2Fのベッドルーム奥のデスクの上には天窓があり、時間帯によってはここからかなり強い光が入っていました。
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この写真の時間でも恐らく光が少し強めで難しかったのではないかと思いますが、前述のご質問を受けたときはさらに光が強くなっていました。光が強いほど影も濃くなり、写真のコントラストも高くなります。ディフューザーなどがあれば良いですが、拡散できない場合には、テーブルフォトでは影が悪目立ちするので、「とても強い光」はおすすめできません。
(この写真の時間帯くらいがギリギリだったのではないかと思います。)
参加者さんの作品を少しだけ紹介します
最後に、ご参加くださった皆さまの作品と感想も紹介させてください。
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こちらの写真は、参加者Sさんが使われていた小物(植物、本)を借りて、Aさんがご自身のものと組み合わせてスタイリングされたものを、Tさんが切り取られたとのこと。小物として使われていた本は、テーブルやプレートに馴染みやすい色味で、さり気ないアクセントになっています。
このように、参加者さん同士で協力し合いながら撮影できるのも撮影会の魅力の一つですよね。
素敵なスタジオでの撮影会、とても楽しくて時間があっという間に過ぎてしまいました。いつもの教室とはまた違う学びや発見があり、実り多い時間でした。
細やかなご準備やご指導本当にありがとうございました。
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こちら、前述の2つ目のご質問に対する対策例の見本のような写真だと思いませんか。このようにインテリアごと広くフレーミングすることで、先程のご質問のケースであってもテーブルの上の被写体の影も目立ちにくくなります。(プレートの影が少し濃く出ていますが、写真の中での面積が小さい分全く気になりませんね!)
さらにデスクやチェアの影をあえて暗めに落とすことで、テーブルの上の被写体を引き立てていると思います。
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白い背景に、ご持参されたブルーベリーと向日葵がよく映えてとても素敵です。
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こちらの写真、私の作例よりも遥かに素敵だったので紹介させてください!私自身、これくらいで撮るのも良かったなぁととても勉強になりました。私の作例では、トースターが見切れるように撮ることでフライパンに目がいくようにしていますが、こちらはトースターが背景に馴染むくらいにボカすことでフライパンに目が行くように切り取られています。色味もやや寒色寄りにされていて、朝の空気感が伝わるようです。
「普段の写真塾とはまた違った雰囲気で撮影でき、アドバイスをいただいたり参加者の皆さんとスタイリングを考えたり、とても楽しく有意義な時間でした。本当に素敵な企画で、またいつかこのような機会があったらぜひ参加したいです!」
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最後に
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。また今回の記事執筆に伴い、写真をご提供くださったTさん、Aさん、Iさんに心よりお礼申し上げます。
今後も楽しい企画ができれば良いなと思っているので、今回タイミングが合わなかったという方も、ぜひお気軽にご参加いただけたら嬉しいです。