冬の夜
ここ1、2週間。
咳やら腹痛やら節々の痛みやらなんやらで、ずっと調子が優れず、布団の中で過ごす時間が長く、ぐずぐずと丸くなっていたが、今朝起きたら、身体は軽くぐっといつもより動きやすくてそれだけでハッピーな気分。健康ってなんて素晴らしい。いやはや、メリークリスマス。なんて、とても気分よく過ごすことが出来た。
世は大雪。クリスマス。
今年は殆ど家にいるので(用事があれば駅や病院、コンビニなどには行くが)なんとなく世の中と自分のいる場所からは離れていて、世の中はどの様なものかがイマイチ分からない。
だが、今の時代は素晴らしい事に携帯を覗けばインターネット越しに、世界中の日々の暮らしや想いがカケラとなって散らばっていて、私はそれを集めてはふむふむと世の中を覗き見している。
特にこの年末シーズンは、みんなが思い思いの気持ちを持ち寄り、食卓を囲んだり、プレゼントやサンタを出迎える準備をしたり、はたまた全然違う事をしたりと、見ていて楽しい気持ちになるのだ。
昔からクリスマスは好き。
白くキラキラと光る息とイルミネーションで美しくなった街は、心を躍らせるから。
可愛いものや美しいものに溢れて、その全ては一つの世界となってどこまでも続いていきそうだ。
無論世界はそれだけではない。
ひっそりした祈りも、誰かのため息や悲しみだってある。
でも、その静かな美しさもクリスマス特有のものではないだろうか。
クリスマスはどんな風に過ごしても良い。
様々な形で、誰かを想い、祈る日なんだと思う。
いつか見た占いで、あなたは山にいる妖怪でたまに山里の生活を覗いてニコニコしている様な所がある。みたいな文書が書いてあったが、その通りで、私はSNSやインターネットを通してみんなの温かい生活を見て、落ちていたキラキラした飾りや真似した何かを家に飾ってニコニコしている様な人間である。
別にそこに寂しいという気持ちはない。
不思議な事なのかもしれない。
今までを振り返ってみると、幼少期から大人になるまで、母や妹がクリスマスにはいつも何か手料理やクリスマスらしい事をしてくれた。
その優しい思い出もニコニコしながら飾ってみる。
それは温かいろうそくの光の様に揺らめいてはキラキラしている。
折角だから、何かしらケーキなど食べてみようかと思ったが、本調子ではないし、一人ではあまりご馳走など食べる気がしないので、チョコマシュマロと蒸し鶏の入った煮麺を食べてみたりした。
和と洋のコラボレーションなんて、しょうもない事を思いながら。
今年は生きる上で自分に必要なものを考えさせられる一年だった。
健康もそう。お金もそう。心もそう。色々と制限があり歯痒い思いもしたけど、その分シンプルに考えられて、本当に大事なものを思い出したり、向き合う事が出来た。(気がする)
私の部屋は周りから見たら、質素でおかしなものや足りないものが沢山あるかもしれないけど、私はそのキラキラを愛してる。
残った物を大事に曇らせない様に、来年も過ごせたら良いな。なんて考えながら、また布団に潜る。
皆様も良い夜を、そして良い日々を過ごせますように。
メリークリスマス。
そう呟いて、目を閉じる。
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