キャスラー

1999年のカンザスでの乾いた熱い夏。

スティーブ・キャスラーとの出逢いは

カンザスの小さな街のコミュニティカレッジの

薄暗くて安っぽいジムだった。

アジアから来た留学生の私に話しかけてくれるのは

ジムを管理している気のいいメキシコ系アメリカ人のおばちゃん位だった。

夏休みだからアメリカ人の学生も殆どいなくて

日本から一緒に渡米してサマースクールをとってたエリと私

地獄のように難しい宿題地獄の授業の合間を縫ってジムで運動するのが日課だった

お友達になれそうなアメリカ人なんていないね、なんて2人で話していた。

アスリートっぽいアメリカ人は何人がいた

だがその時は視力が悪い私にはまだその男の姿は目に入って居なかった


スティーブ・キャスラー

運命の歯車を大きく揺れ動かした男

スティーブは先に私をすでに見つけていた



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