SimCore UM1-ALNの紹介
■製品概要
SimCoreのUM1-ALN sim steering servo system mountは、現在の市場における主なダイレクトドライブ系デバイスである、SIMUCUBE2シリーズ、MiGEモーター、AKMシリーズ5、SIMAGIC ALPHAに対応している。
黒または赤のアルマイト処理がされた6061アルミ合金製の3ピース構成で、上下の首振り角度は36度、サイドプレートには4080または40120のアルミフレームに接続できるM8用の貫通穴(皿ザグリ)がそれぞれ3つ空いている。
ハンコンをマウントするプレートの厚さは12mm、サイドプレートの厚さは20mm、3ピースを接続した時の横幅は180mm。取付けボルトを除いた重量は1,230g。
届いた商品は、3ピース別々に紙とプチプチに包まれた状態で、簡易であってもまったく問題はない。固定ボルトが8本付属しているが、サイドプレートのアルミフレームへの固定用は含まれていないので、別途用意する必要がある。
■アルミフレームへの取付け方法(ミスミ製の場合)
今回のリグはハンコンポスト幅の内寸が600mmになるように設計したので、(600 - 180) / 2 = 210mmのアルミフレームをサイドプレートにネジ止めした。両サイドプレートに3本ずつのボルトで強固につながる。この際、接続するアルミフレームの端面にはセンタータップ穴が必要で、ヘリサート(ステンレス製)挿入を選んでM8のタップ穴を追加工してある。ちなみに、タップ穴のみだとM12でサイドプレートの穴と一致しない。
サイドプレートに空けられた貫通穴はM8用が3つで、4080か40120のアルミフレームを接続できる。しかし、今回使ったのは40160のアルミフレームであり、その理由は3つある。
[1] 4080ではなく、40120以上を使いたかった
[2] ミスミでは40120の仕様が他と異なり、軽量タイプかエコノミータイプしかなく、しかも「まとめて型番」の対象にならなかった
[3] 40160であれば、他と同じ標準タイプも選べ、「まとめて型番」の対象になり、奥行に余裕があるのでスピーカなどを置きやすい、と考えた。
ただしこれには1つ、サイドプレートにある上下首振り用のボルトと干渉するのではないか、という懸念があった。しかしながら実際に試したところ、(美しいSimCoreのロゴが隠れてしまうことを除けば)機能的に問題はなかった。この製品は、付属するボルトの頭が完全に埋没するよう設計されており、位置によってはボルト頭の一部がアルミフレームにかかるものの、キャップの六角穴が隠れることはないため、取外しと位置調節に支障が生じない。
加工精度も素晴らしく、接続したアルミフレームの角がピタリと収まる。ミスミ製のアルミフレームとは相性が良いようだ。仕上がりはとても美しい。
■位置調節方法
ハンコンをリグに固定する際に、角度/上下/前後の調節幅をどこに持たせているのかは、自分好みのポジションを作り出すためにとても重要な要素となる。今回作成したリグを例にして、以下で個別に説明する。
◆角度調節
角度調節にはサイドプレートにある固定ボルトを用いる。製品仕様では36度の調節幅とあるが、上下対称の形であるため、水平位置から上下に18度ずつと捉えられる。いわゆるGTポジションからFormulaポジションまで、この調節幅で十分に対応できるだろう。仮にこれ以上の調節が必要であれば、サイドプレートに接続したアルミフレームを水平にではなく、角度を付けてハンコンポストに固定しなくてはならない。
なお、同じくSimCore製のUM1-AL mounting kitを用いると、サイドプレートの先に前後調節と角度調節の幅を持たせられる。このキットの発注時に接続するアルミフレームを含めることができるので、固定に不安があれば合わせて購入するのも良いだろう。
今回のリグではハンコンポストに直接水平固定している。
◆上下調節
上下調節はリグのハンコンポストに持たせた。ポストへは通常のブラケット固定なので、重量のあるハンコンを持ち上げての位置調節はとても手間がかかる。しかしながら、個人使用ではそう度々動かすことはないため、大きな問題にはならない。
UM1-ALNでは、SIMUCUBE 2とリグとの接続位置がおおよそモーターの軸と同じ高さになるため、足元の空間が比較的広くとれる。その反面、マウンタに接続するアルミフレームとモニタとの距離が近くなるので、当初の目論見通りにスピーカを置くだけの高さを確保できなかった。
上下調節については、上記のmounting kitを用いても大差ない。
◆前後調節
前後調節にはハンコンポストの位置をベースフレームの上で移動させる。今回のリグでは、シート位置を固定して基準とし、そこからハンコンとペダルの位置を決めるよう設計したため、こうした方法になっている。
上記のmounting kitを用いると、比較的容易に前後移動ができるようだ。
サイドプレートの上下首振り用ボルトとアルミフレームとが干渉しないので、取付け方と長さを工夫すれば、ここに前後調節幅を持たせることも可能だろう。下の写真では、サイドプレートとアルミフレームとをM8ボルト/Tナットで接続、そのアルミフレームにハンコンポストから伸ばしたフレーム(本来は4080以上を推奨)をセンタージョイントと直角接続ブラケットで接続している。SimCoreのマウントキットが80mmの調節幅なので、同程度は実現できそうに思う。
■SIMUCUBE 2 Proのマウント方法
マウントはとても簡単で、付属するボルト4本を用いて固定するのみ。正面のプレートにはSIMUCUBE 2がピタリと収まる。サイドプレートとの隙間も十分とられており、動作中であってもハンコン本体が干渉することはない。加工精度、強度とも申し分なく、ハンコンが強固にリグと一体化する。