![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/48065093/rectangle_large_type_2_80885965d6c24328a7f69bd187e83d01.jpg?width=1200)
Ascher Racing B16M-USBの紹介
■製品概要
Ascher RacingのB16M-USBは、シムレーシング用のUSB接続型汎用ハブで、様々なホイールリムを固定して使用できる。寸法と重さは以下の通り。
・横幅: 178mm (278mm パドル込み)
・高さ: 140mm (146mm パドル込み)
・奥行: 24mm (50mm パドル込み、ボタン除く)
・重量: 680g (本体のみ)
■機能
このハブは、2個の磁力式パドルシフター、8個のプッシュボタン、2個のプッシュボタン付きロータリースイッチを備えている。ロータリースイッチにはクリック感があり、位置検知ではなく回転方向のみが入力となる。少なくとも片方が4方向入力付きのファンキースイッチであれば、と残念な部分でもある。合計で16個のデジタル入力。
ハブ本体のケースはアルミの削り出しで、背面に同社製のパドルシフター2個をネジ止め、ボタン(と基板)が固定された3mm厚のアルミプレートで蓋をした構造になっている。表面は黒のアルマイト加工で、アルミプレートにはヘアライン処理がされているが、ケースは滑らかな状態なので、直接触れた箇所の皮脂が目立つ。シフターのパドルもアルマイト加工されたアルミ製で、こちらの表面は梨地処理がされている。
パドルシフターの位置調整幅は、中心方向に9.5mm(無段階ではなく、0mm位置か9.5mm位置かのニ択)のみで、奥行方向へは動かない。
パドルシフターには交換用の磁石とスペーサが付属している。5mm厚磁石、3mm厚磁石、スペーサを1枚もしくは2枚、これらの組合せで260g〜800gの重さに調節が可能。具体的な組合せはマニュアルに記載されている。工場出荷状態では5mm厚の磁石が2枚セットされているが、パドルの重さよりも、操作音(引く時も戻す時も)の大きさが気になる。ゴムシート等で消音が可能か否か、いずれ試してみたい。
対応するホイールリムは70mm PCD 6穴の製品。姉妹品であるB16Lとの違いは主に上部4つのボタン配置で、このB16Mは直線的なスポークを持つホイールリムに適している。互換性のあるホイールリムは上記の製品ページに記載がある。
M5の35mmと40mmのネジ及びナットは付属するが、クイックリリースは含まれない。ネジの色はシルバーなので、取り付けるクイックリリースと好みに応じて、別途用意するのも良いだろう。また付属するUSBのカールコードは長さ640mm。ハブ側には堅牢な金属製コネクタ(ねじ込み固定)が使われている。
この他、ボタン表面にも貼れるラベルステッカー(白黒の2色)とロータリースイッチ用のラベルステッカー(6色)が同梱されている。ロータリースイッチ以外のボタン表面は凸型に丸くなっているため、付属のステッカーがどこまで追従してくれるのかは試すまで分からない。どちらも表面は半つやで、ロータリースイッチ用のステッカーは比較的地味目の発色。
■内部構造
◆ホイールリム取付け穴
ホイールリム取付け穴は、奥行24mmのハブケースにM5用の貫通穴が空いているのみ。対応したクイックリリースなどとホイールリムとでハブを挟んで固定する。
◆パドルシフター
パドルシフターはケース背面から配線して基板に接続してある。もともと取付け箇所はないが、基板にも同社製のクラッチパドルを増設する余地はなさそうだ。
◆プッシュボタン
プッシュボタン用のスイッチは基板に直付けされており、黄色の防汚カバーを取外すとタクトスイッチが現れる。表面実装タイプなので、仮に故障した場合にユーザ自身で交換するのは難易度が高いだろう。またスイッチそのものを別の製品に交換したい場合には、基板の干渉を避けるために大掛かりな魔改造が必要。
プッシュボタンは上記タクトスイッチと、ボタン枠、ボタンからなる。ボタン枠は前面プレートに爪で引っかける構造で、通常ボタンとガード付きボタンとで取付け形状が同じなため、位置を変えることができる。プレートの穴は直径約12mm(一部切り欠きあり)、通常ボタン枠の直径約17mm、ガード付きボタン枠の直径約18mm。
また黒、青、赤、黄と4色あるボタンについても全て形状が同じであり、こちらも位置を変えることができる。ボタンの直径約10mm。
◆ロータリースイッチ
ノブの直径約13mm。ロータリースイッチの軸は直径6mmなので、1/4インチ用のノブはそのまま付けられないと思われる。
■ソフトウエア
専用ドライバは必要なく、Windowsの標準HIDゲームコントローラとして認識される。
■使用例
B16M-USBに、OMPのTRECENTO、Cube Controlsのユニバーサルクイックリリース、B-G Racingの10mmスペーサを取り付けた例。
USBケーブルを除く総重量は、680g(B16M-USB) + 906g(TRECENTO) + 203g(QR) + 77g(スペーサ) + 60g(ネジなど) = 1,926g。