-30day 始まりの前日
4/7
今夜、自分の住むエリアに、「緊急事態宣言」が発表されるとのニュースを受けて、最後のスタバを飲みに行った。
店内は、座席数を減らしたレイアウトでガラガラ。
一人も居ないテラス席を陣取る。
今年は夜桜もあまり見ることができず、今宵は夜空に輝くスーパームーンとのサシ飲み(ただし珈琲)だ。
このスタバがこんなに空いているのは、開店以来初めてかもしれない。
以前は別のコーヒーショップが入っていたテナントに、ビルのリニューアルに合わせてスタバが入ったのが約2年前。
仕事帰りに、休日出勤に、幾度となくお世話になった前店への忠誠心から、私はまだスタバに馴染めずにいた。
いつ覗いても混んでいる、というのも選択に影響している。
そんな、巷では大人気(らしい)スタバも、昨今のコロナの影響で土日は完全に閉店していた。
アメリカでの被害は甚大なので、こういった非常時にこそ、大きなチェーン店は統制されているのが分かる。
閉じる(営業自粛)ことができないのは、業種に依らず、いつだって個人経営の店なのである。
そんな事を考えながら、ホワイトモカを飲む。
スタバで私が、一番お世話になっているメニューだ。
非常に甘い。
甘すぎて喉が痛くなるほど甘い。
コーヒーはブラック派だが、仕事中に10杯も15杯も飲むよな生活をしていたため、若干気にしてラテを加えるようになったのは、初めての転職のあとだった。
スターバックスラテが一番美味しいのは承知の上だ。
だが、私にはホワイトモカを頼んでしまう習性がある。
その人に会わなければ、一生ホワイトモカを飲む事はなかっただろうという、親友がいた。
過去形なのは、事情があって今は顔を合わせることもできないからだ。
その人がホワイトモカばかり飲んでいたから、真似して飲んでいた時期があった。
以来、冬になると必ずホワイトモカを頼む。
それは、私がリラックスしているか、逆にノスタルジーに浸っているか、そのどちらかの場合だ。
健康なとき、私はスターバックスラテを飲む。
スタバのカップは中身が見えないので、飲んでいる味は自分にしかわからない。
自分にしか見えない位置に、WMの走り書きを見ながら、少しずつ味わう(甘いから一度にたくさんは口に含めない)
明日から、このお店ともホワイトモカとも、しばしのお別れである。
月を見上げながら飲んだホワイトモカは、心なしかいつもより甘い味がした。
旅行先:アメリカ合衆国