【2020年版】フランス長期ビザ2年目取得の道のり:formation civiqueってなに?
フランスに長期ビザで入国し、フランス国内で2年目のビザの更新をする方が行う手続きの中の一部、formation civique。2019年2月にビザの更新方法が変更してから適用されたビザ更新のための講座のひとつです。私が2019年夏に入国した当時は切り替えたばかりということもあり、formation civiqueに関して「日本語で!」記載されている記事があまりなかったので、今自分がどの手続き中なのか迷子になっていました。今更感が大ありですが、備忘録として残したいと思います。
formation civiqueってなに?
formation civiqueは、移民がフランスをより理解して生活に適用するために「フランスはどういう国なのか?」「市民にはどのような権利があるのか?」「フランスでどうやって仕事を見つけるのか?」などなどのフランス新生活お役立ち情報を講師から教えてもらう全4回のフランス講座です。
fomation civiqueを受講するタイミングは?
フランスに入国後、持っているビザを有効化するためにオンライン上で手続きを行います。その後、OFII(オフィー:移民局)から召喚状が登録した住所に届きます。1回目のOFII訪問では健康診断、2回目は言語能力テストと面接が行われます。2回目の言語能力テストでフランス語能力がDELFのA2以上であると認められると、formation civiqueの日程が記載された召喚状を渡されます。(2019年以前の手続きでは健康診断・言語能力テストの後に滞在許可書を取得出来たようです!!うらやましい・・・)
formation civiqueの1日の流れ
私が行っていたÉvry(パリ郊外南91県)での1日の流れです。約20名を1クラスで割り振られます。
集合時間9:00 集合時間なのに開始されません!!OFIIの事務所自体が開いてなかったり講師の先生も到着してなかったり・・・
9:30~10:00 ぼちぼち出席確認をしながら開始。ここで「お昼ごはんをOFIIで食べるか食べないか?」のアンケートがあります。
10:00~ 出席確認が終わると講師とクラスメイトに向けて自己紹介をします。名前・国籍・どんな仕事をしているか・何年フランスにいるか?など
10:30~ いよいよ講座が始まります。ざっくりですが、大体こんな感じの内容でした
1回目:フランスで生活するのに最低限知っておくべきこと(フランス市民の権利、銀行口座の開設の仕方、義務教育など)
2回目:フランスで生計をたてるために知っておくべきこと(仕事の探し方、家の探し方、契約方法、社会保険など)
3回目:フランス全体のこと(歴史、地方、名産品など)
4回目:まとめ
13:00~ お昼休憩 OFIIが用意してくれたお弁当を休憩スペースでクラスごとに食べます。炭水化物多め、味は期待してはいけませんが有り難くいただきました!
14:00~ 講座の続き・グループごとに分かれて議論&発表・講座に関するクイズの回答
16:30頃 終了(講座の修了証と次回の召喚状をもらって解散)
午前・午後の講座の間に15分ほどの途中休憩があります。インスタントの紅茶やコーヒーも1杯もらえますし、自動販売機もあるので、基本的に飲み物食べ物は持たずに手ぶらで大丈夫です。講座を受ける教室の中では飲食禁止!もちろん講座中は携帯電話を出すことも厳禁です。講師が注意してもスマホを出してしまい、とんでもなく怒られている人もいました。
formaiton civiqueにはどんな人がいるの?
私が参加した2019年秋から2020年春の期間は、約20名のクラスのうち4分の3がアフリカ大陸出身の人たちでした。その他は南米大陸出身者で、アジア人は私一人。ましてや日本人は珍しかったようで、クラスの色々な人たちに物珍しそうに「日本ってこんな国なんだよね?」と話掛けられました。
講座には同時通訳も付きます!!フランス語が分からない人はイヤホンを渡され、講座に同席する同時通訳者が講師の話したことをマイクを通して同時通訳してくれるのです。アラビア語やアフリカ大陸の言語など、移民が多い国の言語が対象です。日本語の同時通訳はもちろん・・・ありません。
フランス語を話せない人も中にはいますが、クラスのほとんどはフランス語が流暢、モロッコやチュニジアなどのフランス語圏から来ている人が多いので、講師もB2レベルのフランス語で説明します。私は話についていく、言いたいことを伝えるのがやっと・・・という感じでした。でも分からない・話についていけない場合は「分かりません」と質問すれば、理解できるように説明してくれます。「分かってるのか、分かっていないのか不明」状態は講師を怒らせるのでそれを回避すれば、穏やかに過ごせると感じました。
講師には当たりはずれあります
各エリアのOFIIには何名かの講師がいます。どの世界でも同じかと思いますが講師の人柄により一日の講座の雰囲気が大きく変わります。私は4回の講座の中で3名の講師に出会いました。1回目の講師は肝っ玉おばちゃん、説明をしながらクラス中に声をかけて講座を盛り上げ、笑いが絶えなかったので楽しかったです。2回目の講師は若い女性だったのですが、声が小さくて延々と一人語りしていたので、とても眠かった記憶があります。3回目の講師は非常に高圧的ですごく恐かったです。修了後この先生にはもう当たりたくないな、と思っていたら4回目も同じ講師でしたーー!!ですが、4回目修了時に挨拶をしたら日本語で声を掛けてくれて、人間味を感じました。そして、先生方も色々な国・文化圏から来たバラバラの移民をフランスに適用させるために指導するのは大変なんだろうな、と思いました。
formation civiqueが修了した後の手続きは?
OFIIでの4回の講座が修了した約1か月後に、OFIIの事務所から電話があり、住所の確認などがあります。その電話確認をもって2年目の滞在許可証を発行する県庁に情報が送られます。その後、県庁のサイトで予約を取り、必要書類を渡して不備がなければ受領されます。数週間後に携帯電話のSMSに「滞在許可証が準備できた」とのメッセージが入り、オンライン上で支払いを済ませ、県庁のサイトで予約を取り、無事に2年間の滞在許可証が手に入りました!!
私の場合は3月にformation civiqueが修了、4月にOFIIから確認の電話があり、いつ県庁に行くべきか聞いたところ、ビザが失効する1か月前くらいに予約を取れば良いと言われました。しかし3月からのconfinement(ロックダウン)の影響で全体のビザ発行手続きが遅れ、県庁のサイトに予約受付フォーマットがなかなか表れず、毎日9:00になるとサイトをチェックしていました。結局ビザが切れた後に予約ができ、1回の書類再提出を経て、8月中旬に県庁で書類受領、8月末に滞在許可証を受け取りました。(※confinement中にビザが切れた人は、特別措置として自動で6ヶ月延長されていました)
フランスの手続きはとにかく面倒
フランスは窓口の担当者によって対応や言っていることが違ったりします。移民大国のため、ビザ申請書類も人それぞれ。だから何が自分にとって正しい情報なのか分かりにくい。フランス語で書かれていること言われたことを正しく100%理解できないけど、全てをフランス人の夫に委任するには負担が大きすぎる・・・そんなモヤモヤした中の2年目の滞在許可証取得のための手続きでした。残念ながら私の記憶もだいぶ曖昧になってしまいましたが、「どんな流れなのか?」を日本語でちょっとでも頭に入れておいたら、フランスでの手続きがちょっとは気分が楽になるかも。そんなことを願って備忘録として残します。フランスに移住するどなたかのお役に立てたら嬉しいです。
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