【子どもアドボカシー 3】ありのままのあなたのほうが、子どもは話しやすい。
子どもの意見を聴こうと、がんばりすぎないで。
シリーズの第1回・第2回を通して、とてもまじめに
「子どもの声に耳を傾けて、悲しい事態を招かないように!」と
書いてきましたが、締めくくりでお伝えしたいのは
「パーフェクトは目指さなくていいらしい」というお話です。
肩透かしな展開で、すみません。
私は子育てをしたことがないので分からないのですが
親御さんはつい「子どもを良いほうへと導いてあげたい」と
思ってしまうもの…ですよね?
子どものお手本になれるよう
完璧を目指してしまう方もいらっしゃると思います。
でも子育てって、毎日、想定外の連続でしょう?
ビジネスみたいに「中長期計画に沿って着実に推移」なんてことは
ありえないと思うんです。
(ビジネスも、そんなに順調には進まないけど)
それに、育児中の大人だって成長中ですもの、完璧なんて無理ですよね。
今回、アドボカシーについてお話くださった重永さんも
「子どもの話を聴くのは、3割できれば立派なもの」
とおっしゃっていました。
そのように笑顔でおっしゃる重永さんが
子どもの話を聴くときの気の持ちようについて
具体的な方法をいくつか教えてくださいましたので
紹介していきたいと思います。
肩の力を抜くヒントになれば、うれしいです。
いちばん有効な声かけは「あらら、そうなの」。
子どもが、親の腕や脚にからみついてきたり
黙ってちょこんと横にいたりすること、ありませんか?
それはまさに、話したいことがあるサイン。
こうしたときは、ゆったりした態度で
子どもが口を開くのを待っていればいいのだとか。
そのとき気をつけたいのが、次のようなことだそうです。
互いを受け入れあうことで、親も子も強くなる。
親に話を聴いてもらうとき、そこに一切の否定の言葉がなければ、
子どもは「親から、まるごと受け入れてもらえている」と実感でき、
「そのような無条件の愛を得ている自分には存在価値がある」と
自信をつけることができるのでしょう。
家庭における子どもアドボカシーのゴールは
そこにあるのだと私は思います。
見据えるゴールさえ間違っていなければ、
子どもとの日々のやりとりは
「ちょっとくらい失敗することもあるさ」といった気分で
おおらかに構えていていいのではないでしょうか。
講師の重永さんからのアドバイスをお聴きしていると
「子どもの意見をマジメに聴くぞ」と力む必要はなく
ニュートラルでいいのかな、という感じがしました。
時には子どもの態度にムッとすることがあっても
いいのかもしれませんね。
子どもが、あるがままでいいように
親である あなたも、あなたのままでいいんだと思います。
そして、子どもに、まるごと受け入れてもらえばいい。
第一、子どもにとって親は全面的に信頼するほかない人で
ほんとうは生まれたその日から親をまるごと受け入れているはずです。
親が子を、子が親を、まるごと受け入れあう。
こんなに否定のない人間関係を築きあえる間柄って、そうそうありません。
無条件の愛で強くなるのは、子どもだけでなく、親も同じ。
子どもの話を聴いていった先に救われるのは、親かもしれませんね。