【イノシシ】ジビエ解剖ワークショップに参加してみた【キョン】
※注意
この記事には動物の皮を剥いだり
解体している画像が含まれます。
そのようなものが苦手な方は閲覧を控える等、ご注意ください。
今回、機会があり、
イノシシ・キョンといったジビエの解体ワークショップに
カメラマン兼参加者というよく分からない立ち位置で参加しました。
(途中からカメラマンの役割を放棄気味で
参加者として楽しんでいましたが。)
私たちは他の命をもらって生きている形ではありますが、
実際に作業をすることで、その重みを改めて感じました。
また、害獣だからといって人間の都合でただ殺して終わりではなく、
その命を最大限利用することの大切さを教えられました。
1. 会場と磯辺にぎわいマルシェについて
今回のワークショップの会場は磯辺公園にて。
磯辺公園は京葉線・稲毛海岸駅と検見川浜駅の間くらいの
場所にあります。
磯辺公園では年に4回、「磯辺にぎわいマルシェ」なる
イベントが開催されています。
今回はこの磯辺にぎわいマルシェの中で、
館山ジビエセンター(以下、TGC)が主催するワークショップに参加しました。
(参考)
2. まずは説明から
まずはワークショップの注意点や獣害、イノシシの性質等の説明。
イノシシといえば猪突猛進で鈍感なイメージを持たれるかもしれませんが、
実際は意外と敏感で動作も機転が効いて機敏です。
このことは、かつて就農を目指して農業大学校に通っていた際に
獣害対策の授業もあって知っていました。
今回の説明でなるほど、と思ったことは館山の環境について。
千葉県は全体的に標高の高い山がなく、
更に館山は山と海が距離的に近い。
館山はイノシシ等にとって降りてきやすい環境で、
獣害対策がより重要な環境だと思われます。
3. 今回解体に使用された対象
今回のワークショップでは、
内臓が予め取り除かれた
子供のイノシシ3匹と子供のキョン1匹の
合計4匹が解体に使用されました。
参加者が1班約4人の4班に分かれて
各班1匹ずつ解体していく形でした。
キョンといえば、本来は日本では生息しない外来種。
しかし、千葉県では今は亡き行川アイランドの杜撰な管理体制のため
様々な動物が逃げ出し、
それらが繁殖して増えて千葉県・房総半島の生態系や農業に
被害を及ぼしています。
キョンはその代表例のひとつです。
4. 剥皮
皮を剥がすには力がいるように思われるかもしれませんが、
切るべき場所をおさえれば、
あまり力は要さずスルスルと刃を進めることができます。
写真の皮を見ると、下の部分に凹みのような痕が見られます。
これは、このキョンは箱罠にかかっていたものであり、
凹みの部分に罠が挟まっていたとのことです。
この部分を剥がしたとき血液が流れ出し、
内出血とはこういうことか、ということを体感しました。
なお、剥がされた皮は必要な処理を施したあと、
小物等に使うことができます。
5. 分割
皮を剥いだあとは、身体を部位ごとに切り落とします。
分割の作業も剥皮の作業時と同様、
切るべき場所をおさえればそこまで力を入れずに切り落とすことができます。
この工程では、精肉店で働く人の体験をできたように思います。
私たちが普段食べる肉は
加工された状態でお店に並んでいます。
そこに至るまでの過程に
まず、犠牲となる命があり、
それを調理しやすいようにする工程が必要です。
命とそこまでに携わった人たちがあってこそ
お肉をおいしくいただくことができます。
命は命によって生かされている。
世の中、当たり前のように感じて実は当たり前でない、
そのようなものが多いことを改めて感じました。
6. 調理
解体作業を終えたあとは、
事前に然るべき処理を施され準備された肉を使っての唐揚げ作り。
(解体した肉については運営側で適切に廃棄されるとのことでした。)
しかし、当日は強風のため、コンロの火力が安定せず油が上手く加熱されず。
結局はキッチンカーの油を使って揚げられました。
できたてのイノシシ肉の唐揚げ、
猫舌の私には少し熱かったですが、
揚げたての唐揚げを食べる機会はあまりなく、
揚げたての唐揚げは格別であることを感じました。
まとめとして、
物事は実際に手を動かして、実際にものに触れることで、
文字や写真だけでは得られないものを得ることができる。
貴重な体験をすることができたように思います。
(おまけ)TGCのキッチンカー
マルシェ当日、TGCは解体ワークショップ以外にも
キッチンカーを出店していました。
TGCのジビエ料理は3月のマルシェ出店時も食べましたが、
今回もジビエ料理にはつきものと思われがちな
獣臭さや味のクセは感じず。
何か処理方法や調理方法に秘密があるのか。
個人的には館山ジビエ猪肉まん・ジビエ肉まんも気になりましたが、
猪肉の唐揚げをたくさん食べて猪肉に飽きた感があったので、
それらはまた次の機会に。
それでは。