職場のトイレはキレイでないと
私が派遣社員として働いている会社は、きっと誰もが知っているであろう超大手企業の関連会社だ。
そして最近、綺麗なオフィスビルから、その親会社の自社ビルに引っ越しをしたのだが、この自社ビル、オフィスもビル自体もとっても立派で綺麗なのに、トイレに関してはイマイチ残念な作りである。
決して汚いというわけではないのだが、綺麗なオフィスビルの綺麗なトイレに慣れていた私の第一印象は正直「ガッカリ」である。
いわゆる高級なオフィスビルというやつは、お客様であるテナントへのサービスやら、物件の付加価値やらよくわからんがそういうもののためだろう、トイレも常に清潔で、機能面も整っている。
一方、こちらは親会社の自社ビル。
働いている人たちはビルにとってはお客様ではないからだろう、なんだか残念な設備なのだ。
オフィス部分やビルのエントランスなんかは、その業種を反映してかキラキラして最先端のビルっぽいのに。である。
もしかしたら、商談などで他社の人が立ち入るフロアのトイレは最先端かも知れないな、とは思うが。まあ、外面も大事ではあるから否定はしないぞ。
長く派遣社員をしているので、今までたくさんの企業で働いてきた。
その上でこれだけは断言できる。
「トイレが汚い・臭い会社は、その他の就業環境もすこぶる悪い。」
因みにエビデンスはない。ただの経験談である。
なので、派遣先を選ぶときは事前に必ずトイレを確認させてもらい、汚い・臭いところは申し訳ないのだがお断りをしているくらいだ。
たかがトイレ。
されどトイレなのである。
トイレトイレと連呼してしまい大変に申し訳ないのだが、トイレの話はまだ続く。
だって今日はトイレの回だもの。
トイレと聞いて思い出すのは、人生の暗黒時代を過ごした、当時通っていた高校である。
私が通っていたのは私立の女子高で校則が厳しいことをウリにしていた。
そうと知って入ってしまったのだから仕方ないと言えば仕方ないのだが、それにしても酷い学校だったな。
が、今はそれはおいておこう。
校則も厳しいのだが、校内外の掃除、特にトイレ掃除に関しては極度に厳しいのがまたウリだった。
毎年の新入生「全員」にトイレ掃除の手ほどきをする教師がおり、それはもう重箱の隅をつつく、いや、便器の裏の裏をつつく勢いで手取り足取り指導された。
まあ、そのおかげで校内のトイレはとても綺麗で、特にその教師が目を光らせている1年生のフロアなんかは、これ、布団を敷いて寝られるくらいでは?と当時は思っていた。今は思っていないが。
良い思い出が一つもない高校であったが、唯一の財産は、汚いトイレというものに対する嫌悪感を植え付けてくれたことだろう。が、しかし感謝はしないぞ。こちとら頑ななのである。
教職員用のトイレも当然綺麗だったであろうから、私の理論でいくと教師たちの就業環境は良かったのだろうか。
いや、違う。
私の理論は「汚い会社は就業環境が悪い」であって、綺麗ならば良いとは言っていないのだ。あの理事長の下で働いていて就業環境が良いわけがない。
ふう、危ない。自分の理論に振り回されるところだった。
ここでちょっと考えてしまったのだが、今働いているビル、親会社は当然高層階に入っているのだが、まさかトイレに格差なんてないだろうな。
なんだかあり得るだけに複雑な心境だ。
だが、あれだけの大企業、本体に勤める人たちが我々のような関連会社ごときと同じトイレでは不平等のような気もする。
とまあ、今日はこんな話をしながら会議室に向かって歩いていた。
しかしだ。直前の会議で他のメンバーとリモートでつないだままであったことをすっかりサッパリ忘れていたのだ。
会議室のスピーカーから女子とオバサンによるトイレ談義がダダ洩れに洩れていたらしく。それをおじ様たちは複雑な表情で聞いていたそうで。
いや、失礼をいたしました。陳謝。
発言には細心の注意が必要だ。
さあ、帰ってトイレでも掃除をしようか。