御用聞きの「ねこの手通信」 vol.2
ねこの手では創業から今まで、毎月ねこの手通信を発行しております。
ご依頼者に対応しながら感じたこと、事例などを関係各所に共有しております。
FBにも備忘録のように活動を書いておりますが、「ねこの手通信」は、こんなことが頼めるんだとか、現場の生の事情、現状、こんなお困りごとがあるのだと知っていただくために作成して配布しております。
・断捨離
地域包括支援センターからのご相談。
80歳代のご夫婦二人暮らしで、今回ご主人が介護が必要な状態になられたと。ご主人が普段過ごす介護ベットのあるお部屋のお隣の6畳のお部屋のお片付けをご依頼受けました。
ふすまを開ければ広く使えるものの、元々は息子さんが使っていたお部屋には、大量に詰め込められたモノ・モノ・モノ…
奥様曰く、ご主人が元気なうちに片づけておけば良かったけど、息子のモノだから捨てられずにきちゃったのよ…と。
古い衣類、タンス、布団、ウエットスーツ、スキー板、ヘルメット、大量のコンポ、おもちゃ、ハーモニカ、サーフボードなどなど(笑)
おそらく息子さんは私と同年代かなぁ…
大量にあったカセットテープなどは懐かしい音楽がたくさんありました。
息子さんは多趣味であったことは明らかです(笑)
当時、流行ったものは一通りあった気がします。
奥様は、もう一度息子に捨てて良いか聞いてみないとわからないというモノもありましたが、ご主人からは全て捨ててくれと言われ、母心と父心の違いが垣間見れる瞬間でした。
担い手2人で一通り運び出し、空っぽになったお部屋を掃除器を掛けて、拭き掃除して、ついでに窓周りも拭きあげて一端終了。
これですっきり広い部屋になったので、ご主人が介護ベットから横を見ても、すっきりしております。
今まで簡易的に茶の間に介護ベットが置いてあったので、片付いたお部屋に介護ベットを移動してくれば、再び茶の間としても機能も復活できるはずです。
・生活改善
ケアマネージャー様よりご紹介いただき、今回はお隣のさいたま市北区のご依頼者。
伺ってみると、生活改善を希望されているご依頼者のお部屋もそうですが、玄関からすごいことになっております。
ご一緒に暮らされている息子さんは精神障害があるとのことで、息子さんの領域は触れないのだとか。
玄関周りから、2階に上がる階段の所、ご依頼者のお部屋に通じる台所まで、ものすごい荷物で足の踏み場がありません。
すべて息子さんの領域で、触れてはならない場所になっています。
見積訪問の段階で息子さんにもご挨拶してありましたが、当日は息子さんとのコミュニケーションをさらに深めることも意識して、対応いたしました。
ご依頼者とお話しながら作業を進めましたが、その間も息子さんから他の相談があったり、私が訪ねてくるのには抵抗が無いようです。
この日はご依頼者のタンスの中身を整理して、捨てるもの、取っておくものを仕訳して完了。しばらくは毎週訪問し、徐々にお片付けすることにいたしました。
そして2回目の訪問。
この日はテレビを廃棄するために伺いましたが、びっくりするくらい玄関周りが綺麗になっています!
ご依頼者に「どうされたんですか?」と聞くと、息子さんが夜中に片づけたそうです(笑)
玄関周りは綺麗にしなきゃいけないと言って、片付け始めたらしいのです。
私が訪問することで、何かスイッチが入った?(笑)
よくわかりませんが、綺麗に片付いている玄関は気持ちが良いです!
まだまだ生活改善は続きますが、次回の訪問も楽しみです。息子さんの自転車のパンク修理も頼まれておりますし、さらに息子さんともコミュニケーションを取ってみましょう!
・お一人暮らしの方への気づき
とある日の夕方。
社会福祉協議会のご担当者様より、今日中にメグミルクのヨーグルトドリクを買ってきて欲しいという方がいるのだけど、対応できますか?とご相談がありました。
とある団地のお一人暮らしの女性。
親族は老人ホームで暮らしている妹さんだけ。
生涯独身で頑張ってきたご依頼者には、頼れる親族はいないようです。
ご依頼者Kさんに連絡して、近くのスーパーでメグミルクのヨーグルトドリンクを探してお届け。その時は電話で明確に、こんなパッケージのこんなサイズの飲み物と伝えていただいたので、すぐに欲しいドリンクを探すことができました。
5日ほど経過し、再びメグミルクのヨーグルトドリンクを買ってきて欲しいとご依頼があり、お届け。
その日のうちに再度連絡があり、ゴミの日にゴミを出したい。自治会のボランティアが玄関先に取りにきてくれると言うが、玄関先まで運べないのでどうしたら良いかとご連絡。次のゴミの日に対応するのは難しいので、とりあえず一端ゴミを預かり、我が家のゴミとして出すことにし、回収に伺いました。
回収に伺った際、これから食事を作って欲しいと依頼され、冷蔵庫にあるもので簡単ななものを作りました。作り終わると、今度はバザーに出すものを箱詰めしたいのだけど、やっていただけますかと相談がありました。
私なりに箱詰めしたのですが、そこから何かスイッチが入ったように、洋服の詰め方にダメ出し(汗)
以前、洋服の販売をしていたというご依頼者。こだわりが強く、洋服の畳み方にも拘りがあり、何度も指導を受けながら、再度箱詰めいたし直しました(涙)
箱詰めを終えて、Kさん宅を後にして帰路につきますが再び連絡があり、箱詰めしたものをゴミ出しの日に捨てると連絡がありました。
バザーに出すから箱詰めして欲しいと言っていたのに…。
ここまで対応してきて、ふと気づきました…
あきらかに認知症だなぁと。医師では無いので、はっきり断言できませが…
今まで外部との関わりを拒んできたKさん。
外部の人間が気づかないうちに、認知症を患っていたようです。
ここからは、地域包括支援センター、自治会と連携し対応策を模索するしありません。
この団地の自治会役員は何名か以前からの知り合いですし、地域包括支援センターの方も存じ上げております。急いで情報共有して対応を検討。
数日後、地域包括支援センターのご担当者から連絡があり、Kさんはショートステイに入所したと連絡がありました。
さらにこの先は、老人ホームへ入所することになると思いますが、まずはお一人暮らしから救出できたのかなぁと思います。
追伸…ショートステイ先から、お菓子が食べたいから買ってきてと電話がありました(笑)